チリ外相が訪米、米国務長官らと重要鉱物への投資拡大などを協議
この発表の要点
- チリ外相が米国務長官およびUSTR代表と会談し、重要鉱物への投資拡大、AIサプライチェーン安全保障、重要インフラの安全保障について協議した。
- チリは米国からの投資誘致戦略「Choose Chile」を説明し、重要鉱物分野での米国主導のサプライチェーン構築への参画意欲を示した。
- 会談では、米国の関税措置によるチリ産業への影響や、2003年発効の米チリ自由貿易協定(FTA)に基づく通商関係の重要性も議論された。
企業・自治体への影響
重要鉱物、AI、エネルギー、食品、通信インフラ関連の企業は、チリと米国の経済安全保障連携強化の動向を注視する必要があります。特にチリへの投資を検討する企業や、チリからの輸入・輸出を行う企業は、両国の政策変更や協力体制が事業に与える影響を評価すべきです。国際的なサプライチェーン再編の動きの中で、新たなビジネス機会やリスクが生じる可能性があります。
対応すべきこと
- 重要鉱物、AI、エネルギー、食品、通信インフラ関連の国際動向を継続的に情報収集する。
- チリへの投資や貿易に関心がある場合、「Choose Chile」戦略の詳細を公式出典で確認する。
- 自社のサプライチェーンにおける重要鉱物やAI関連技術の調達先について、経済安全保障の観点からリスク評価を行う。
- 国際貿易部門や法務部門は、米チリ間の貿易協定や関税措置の動向を注視し、事業への影響を評価する。
対象部門: 経営者 法務 経理 広報
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | ジェトロ |
|---|---|
| 業界 | 鉱業 / エネルギー / 食品 / 貿易 / テクノロジー |
| 発表日 | 2026-07-09 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月09日
チリのフランシスコ・ペレス・マッケナ外相は7月6日、米国首都ワシントンで、マルコ・ルビオ米国務長官および米国通商代表部(USTR)のジェミソン・グリア代表とそれぞれ会談した。チリのカスト政権にとって、今回の会談は政権発足後の対米関係強化を図る機会となり、重要鉱物分野への米国投資や人工知能(AI)サプライチェーン安全保障に関する協力強化を確認するとともに、関税問題についても協議した。
米国務省の発表によると、ルビオ長官との会談では不法移民対策や国際的な犯罪組織への対応を含む地域の治安協力、西半球における民主的統治の支援、チリの重要鉱物分野への米国による投資促進、重要インフラに対する敵対的影響への対応などを協議した。また、チリが6月に署名した「パックス・シリカ宣言」(2026年6月30日記事参照)を踏まえ、AIサプライチェーン安全保障に関する協力を深化させることで一致した。
一方、チリ外務省は会談後の発表で、自由や民主主義といった共通価値に基づく「戦略的パートナーシップ」を強調した。ペレス外相は「非常に実りある対話だった。両国は民主主義や自由という共通の価値観を有しており、それが両国の友好と発展の礎となっている」と評価した。さらに、チリ政府の投資誘致戦略「Choose Chile」(注)について説明し、米国からの投資拡大を呼びかけた。
会談では、世界経済における重要鉱物の重要性と、重要鉱物分野での協力についても協議した。ペレス外相は「チリは安全で強靱(きょうじん)なサプライチェーンに貢献する準備ができている」と述べ、米国主導の新たな戦略的供給網構築への参画意欲を示した。米国側も、経済安全保障上の連携を視野に、チリへの投資拡大の可能性に言及した。
また会談では、重要インフラにおける敵対的な影響力に対抗する方策についても議論された。米国側はこれまでも、チリ前政権下の通信インフラ計画などを巡って安全保障上の懸念を示した事例があり(2026年2月25日記事参照)、今回の会談でも重要インフラに関する議論が行われた。ルビオ長官は会談後、「ホセ・アントニオ・カスト大統領の指導の下、チリは強力なパートナーであり、両国関係はかつてないほど強固だ」と発信した。
同日、ペレス外相はグリアUSTR代表とも会談した。チリ外務省によると、ペレス外相は米国の関税措置によって影響を受けている産業部門の懸念を伝達し、チリの利益保護と輸出競争力の維持を求めた。外相は2003年発効の米チリ自由貿易協定(FTA)が両国の競争力ある通商関係の基盤となってきたと指摘し、チリ産の重要鉱物、食品、原材料などが米国の生産網において重要な役割を果たしていると説明した。米国はチリにとって第2位の貿易相手国であり、第2位の投資国でもある。
(注)チリ政府が進める外国直接投資(FDI)誘致戦略。テクノロジー、鉱業、エネルギーなどの分野への投資促進を目的とし、減税、安定したルールに基づく長期的な見通しの確保、許認可手続きの迅速化などを通じて、経済成長と雇用創出を図る。
(高橋英行)
(チリ、米国)
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チリ外相が訪米、米国務長官らと重要鉱物への投資拡大などを協議
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/f6d22ae7813f40d4.html
時系列
- 2003-XX-XX 米チリ自由貿易協定(FTA)が発効。
- 2026-06-XX チリが「パックス・シリカ宣言」に署名。
- 2026-07-06 チリのフランシスコ・ペレス・マッケナ外相が米国首都ワシントンで、マルコ・ルビオ米国務長官およびジェミソン・グリア米国通商代表部(USTR)代表とそれぞれ会談。
主な数値
| 米チリ自由貿易協定発効年 | 2003年 |
|---|---|
| チリにとっての米国の貿易相手国順位 | 2位 |
| チリにとっての米国の投資国順位 | 2位 |
この事例から確認すべきポイント
本発表は、チリと米国の間で経済安全保障分野における連携強化が進められている現状を示しています。特に、重要鉱物への投資拡大、AIサプライチェーンの安全保障、重要インフラに対する敵対的影響への対応といったテーマは、国際的なサプライチェーン再編や経済安全保障の重要性が高まる中で、両国にとって戦略的な課題です。チリは「Choose Chile」戦略を通じて外国直接投資を積極的に誘致しており、米国からの投資拡大に大きな期待を寄せています。一方で、米国の関税措置によるチリ産業への影響や、過去の通信インフラ計画における安全保障上の懸念など、両国間には引き続き協議を要する課題も存在することが示唆されます。この会談は、国際情勢の変化に対応した両国の関係深化の動きとして、関連する産業や企業にとって中長期的な影響を及ぼす可能性があります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-09
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