経済・産業トレンド

次世代輸送の研究開発に8億Sドル、自動化やデジタルツインに注力

シンガポール政府は、今後5年間で次世代輸送技術の研究開発に8億シンガポール・ドル(約1,000億円)を投じると発表しました。このうち約3分の2は、輸送分野の自動化とデジタルツイン技術の開発に充てられます。陸海空にわたる輸送管理の省人化、自動運転や無人航空機システムの実証・認証、貨物積み替えの自動化、物流全体の効率化、交通網の混乱への早期対応などが目標です。残りの予算は、航空機の運航最適化、海事の自動港湾運営、MRTの次世代技術開発など、各分野に特化した研究に充当されます。

この発表の要点

企業・自治体への影響

シンガポールとのビジネスを行う運輸・物流、IT・ソフトウェア、製造業の企業は、自動化、デジタルツイン、AI、ロボティクス、クリーンエネルギー関連技術の需要増大に注目すべきです。特に、シンガポール市場への参入や共同研究開発の機会を探る企業にとって、この大規模な政府投資は大きなビジネスチャンスとなる可能性があります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 情シス 広報 経理

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 シンガポール運輸省
業界 運輸
発表日 2026-07-07
分類 経済・産業トレンド
地域 シンガポール

発表された内容

2026年07月13日

シンガポールのジェフリー・シオ運輸相代行は7月7日の国会で、次世代輸送技術の研究開発(R&D)に向こう5年で8億シンガポール・ドル(約1,000億円、Sドル、1Sドル=約125円)を投じると発表した。このうち、約3分の2を、輸送分野の自動化とデジタルツイン(仮想空間に現実世界を再現する技術)の開発に充てる。

今回の予算は、2030年3月までの5カ年R&D計画「研究・イノベーション・エンタープライズ2030年計画(RIE2030)」に基づく(2025年12月12日記事参照)。輸送分野向けの8億Sドルの予算規模は、過去5年間の予算規模の2倍以上に相当する。シオ運輸相代行は、「この資金を用いて、現行の輸送の在り方を根本から変革する」と述べた。

自動化では、陸海空にわたる輸送管理の省人化に向け、人工知能(AI)、ロボティクス、自律型プラットフォームを組み合わせた技術開発を進める。また、自動運転や無人航空機システムの実証・認証の整備を行う。さらに、ロボティクスや身体性AI(Embodied AI)を活用した貨物積み替えの自動システムの開発にも取り組む。

デジタルツイン技術については、陸海空の貨物と旅客の動きを可視化し、一元的に管理・予測するシステムを構築する。これにより、物流全体の効率化を図る。また、気象データに基づく航空機の遅延予測や、道路交通の混雑などの情報を基に、交通網の混乱への早期対応を可能にする計画だ。

残る約3分の1の予算は、陸海空それぞれの分野に特化した研究に充てる。航空分野では、AIを活用した航空機運航の最適化による飛行時間と二酸化炭素(CO2)排出量の削減を目指す。また、航空管制官の負担軽減のためのAI対応の意思決定ツールの開発など、急増する旅客や貨物需要に対応する。

海事では、自動港湾運営システムやスマート船舶などの開発に取り組む。また、2050年までのCO2排出をネットゼロとする目標達成に向けて、クリーンな代替燃料への移行を支援する予定だ。陸上輸送では、大量高速鉄道(MRT)の次世代技術の開発が焦点となる。AIやセンサー技術を活用して、MRTの保守・点検や修理作業の自動化を進める。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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次世代輸送の研究開発に8億Sドル、自動化やデジタルツインに注力

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/a1c12573d7825f7f.html

時系列

主な数値

投資額 800000000Sドル
投資期間 5年
重点分野への配分 約3分の2割合
過去5年間の予算規模との比較 2倍以上倍
CO2排出ネットゼロ目標年 2050年

この事例から確認すべきポイント

シンガポール政府が次世代輸送技術の研究開発に大規模な投資を行うことは、同国の物流・交通インフラの競争力強化と持続可能性向上への強いコミットメントを示しています。特に自動化とデジタルツイン技術への重点投資は、AI、ロボティクス、自律型プラットフォームの活用により、陸海空にわたる輸送管理の省人化、効率化、予測精度の向上を目指すものであり、国際的なサプライチェーンにおけるシンガポールのハブとしての地位をさらに強化する可能性があります。また、CO2排出量削減やクリーン燃料への移行支援は、環境負荷低減への意識の高まりを反映しており、関連技術開発企業にとっては新たなビジネス機会を創出するでしょう。この動きは、他国の政府や企業が同様の技術投資や政策を検討する上での参考事例となり得ます。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-13

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