タイ政府、8月末に米国と貿易協議、争点解決に課題も
最終確認日: 2026-08-26
この発表の要点
- タイ政府のスパジー副首相兼商務相が訪米し、8月末に米国との関税交渉を行う準備を進めている。
- タイから米国への輸出製品の約72%が追加関税の免除対象となっており、残る28%について低関税や免税を交渉予定。
- 米国政府の調査報告書でタイが迂回輸出の監視が必要な第2グループ(Tier2)に分類されている。
企業・自治体への影響
製造業や貿易業、サプライチェーンに関わる企業において、米国の追加関税措置や迂回輸出規制の強化が調達コストや輸出入戦略に影響を与える可能性がある。特に米中間やASEAN地域で事業を展開する企業は動向注視が必要である。
対応すべきこと
- 公式出典で自社の輸出入製品が米国の追加関税や迂回輸出規制の対象・関連品目に該当するか確認する
- サプライチェーン上の調達・製造拠点における原産地や流通経路の状況を点検する
- 関係部門へ米国の通商政策および関税交渉の動向を共有する
対象部門: 経営者 総務 法務
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | タイ政府(タイ首相府) |
|---|---|
| 業界 | 小売・EC・製造 |
| 発表日 | 2026-08-26 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年08月26日
タイ政府は8月15日、8月末に米国との関税交渉を行う準備を進めていることを明らかにした。スパジー・スタムパン副首相兼商務相が訪米し、交渉を主導する。
タイ首相府のラリダ・ペリスウィバタナ副報道官によると、米国の1974年通商法(第301条および第232条)に基づく追加関税措置について、タイから米国に輸出される製品の約72%が免除対象となっている。残る28%については、可能な限り低い関税率の適用や免税を実現するよう、米国と交渉が行われる予定だ(注1)。
ラリダ副報道官は、両国の相互経済関係を示すものとして、タイによる対米投資総額が約200億ドルに達していることに加え、さらに50億ドル以上の投資計画がある点のほか、タイの対米貿易黒字の30%以上は在タイ米国企業の(対米)輸出によるものだと説明した。
迂回輸出基地との懸念払拭も争点か
現地経済紙(8月17日付)によると、対米協議における未解決事項について、8月9日の週にアヌティン・チャーンウィラクン首相が参加する会合で協議が行われた。タイ側が譲歩することが難しい争点として、(1)成長促進剤を含む輸入豚肉に対する衛生植物検疫措置(SPS)や(2)安全保障分野での議論、また(3)通信分野への投資における米国企業の単独出資が挙がったという。また、タイ側は米国に対し、78品目に相当する7つの製品グループ(注2)について、関税免除を働きかけている。
米国政府は8月13日、関税回避のための迂回輸出に関わる調査報告書「The Great Transshipment Scam(大いなる積み替え詐欺)」を発表(2026年8月18日記事参照)。同報告書は、タイを「中国と深い経済統合にある国・地域」と位置付けて、ブラジル、インドネシア、マレーシア、トルコ、ベトナムとともに、厳重な監視が必要な第2グループ(Tier2)に分類している。
タイに関しては、アユタヤ=サムット・プラカーン回廊を経由するサーモスタット(HS9032.10)が、ミネアポリス州セントポールの雇用を脅かしていると指摘。また、他のASEAN諸国では、ベトナム(ホーチミン)の電気回路向け開閉・保護・接続機器(HS8536)、マレーシア(ペナン=クリム)のプラスチック製品の一部(HS3926.90)、インドネシア(ブカシ=バタム)のプラスチック製ケース・容器など(HS3923.10)を迂回輸出による脅威として挙げた。
(注1)タイ首相府によると、これらの追加関税措置の(免除)対象の割合は、同措置の対象範囲内における割合を示しており、その合計がタイから米国への輸出総額を意味するものではない。
(注2)7つの製品グループについては、(1)農業・食料安全保障、(2)消費財・家庭用品、(3)医療・公衆衛生製品、(4)電子機器・半導体、(5)自動車・同部品、(6)機械部品・産業機器、(7)手工芸品・付加価値製品とされる。
(藪恭兵、シリンポーン・パックピンペット)
(タイ、米国、中国、インドネシア、マレーシア、ベトナム)
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タイ政府、8月末に米国と貿易協議、争点解決に課題も
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/fd7e2ae820af6f84.html
時系列
- 2026-08-09 アヌティン・チャーンウィラクン首相が参加する会合で対米協議の未解決事項を協議
- 2026-08-13 米国政府が関税回避の迂回輸出に関する調査報告書「The Great Transshipment Scam」を発表
- 2026-08-15 タイ政府が8月末の米国との関税交渉に向けた準備を進めていることを発表
- 2026-08-17 現地経済紙が対米協議における未解決事項やタイ側の譲歩が難しい争点を報道
- 2026-08-18 ジェトロが米国の迂回輸出に関する調査報告書について記事を参照・掲載
主な数値
| 米国追加関税措置の免除対象割合(タイから米国への輸出製品) | 72% |
|---|---|
| 米国追加関税措置の残る対象割合 | 28% |
| タイによる対米投資総額 | 200億ドル |
| タイの追加対米投資計画 | 50億ドル以上 |
| タイの対米貿易黒字における在タイ米国企業輸出の割合 | 30%以上 |
| タイ側が米国に働きかけている関税免除の品目数 | 78品目 |
| タイ側が米国に働きかけている関税免除の製品グループ数 | 7つの製品グループ |
この事例から確認すべきポイント
本事例は、タイ政府と米国政府の間における通商法(第301条・第232条)に基づく追加関税措置および迂回輸出を巡る動向を伝えている。タイからの米国向け輸出の約72%が免除対象である一方、残りの28%や迂回輸出に関する米国の厳重な監視(Tier2分類)が争点となっている。企業実務においては、米国の通商政策や迂回輸出規制の動向がサプライチェーンに与えるリスクを把握することが極めて重要である。特に中国など他の国・地域をまたぐ部品調達や製造拠点を持つ企業は、原産地規則や関税措置の変更に関する最新情報の収集と、影響を受ける品目の特定を継続的に行う必要がある。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-08-26 / 最終確認: 2026-08-26
執筆・確認主体
この記事は、上記の公式出典を一次情報として PRaze編集部(株式会社スキルマーク)が構造化・要約したものです。 要約と分類の生成にはAIを使用しています。
数値・日付・組織名・金額は公式発表の原文から転記しており、 原文に記載のない事項を補って書くことはしていません。 内容の正確性は公式出典をご確認ください。
編集・公開: PRaze編集部(株式会社スキルマーク) / 出典確認日: 2026-08-26
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