経済・産業トレンド 法案承認

タイ、製造物責任法案を閣議承認、消費者保護強化へ

タイ政府は2026年6月16日、タイ消費者保護委員会が提案した製造物責任法案を閣議承認し、国会に提出することを決定しました。本法案は、引き渡し時に明らかでなかった製品の欠陥に関する責任の所在を明確にし、消費者と販売者双方を保護することを目的としています。対象取引や契約、欠陥推定期間、購入者の権利(修理、交換、割引、契約解除)、時効消滅期間などが詳細に定められており、施行前の契約にも遡及適用される見込みです。これにより、タイの消費者保護基準を国際水準に引き上げ、経済全体の利益に貢献することが期待されています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

タイで製造業、小売業、流通業を展開する企業は、製品の品質管理体制、保証規定、顧客対応プロセス、契約内容の見直しが求められます。特に、施行前の契約にも遡及適用される可能性があるため、既存の製品やサービスに関する潜在的なリスク評価と対応準備が急務となります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 総務 法務 広報 経理

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 タイ政府
発表日 2026-07-01
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月01日

タイ消費者保護委員会が提案した製造物責任法案が、6月16日の閣議で承認された。これにより国会に提出され審議される。本法案は、引き渡し時に明らかでなかった製品の欠陥に関する責任の所在を明確にし、消費者と販売者双方を保護することを目的としている。法案の主な概要は次のとおり。

対象取引:消費者取引、事業者間取引。

対象者:上記取引における購入者(購入者の権利承継者、譲受人を含む)と販売者。

対象契約:通常の売買契約、割賦契約、第三者金融機関が支払う売買契約、交換契約。

遡及(そきゅう)適用:施行前の契約にも遡及適用。

対象外となる商品:中古品、生き物、その他省令で定める商品。

欠陥推定期間:引き渡し日を起点に、一般商品とオートバイは6カ月、自動車は1年以内に発見された場合は初期不良と推定する。

購入者の権利:(1)修理、(2)交換、(3)割引、(4)契約解除。

軽微な欠陥については、まず修理を請求し、その後、交換、割引、契約解除の順に権利行使できる。販売者は合理性を考慮して修理か交換を選択できる。また、販売者が応じない場合は割引や契約解除を請求できる。

重大な欠陥については、引き渡しから7日以内に発見された場合、直ちに交換請求が可能。販売者が応じない場合は契約解除権を行使できる。

欠陥の発見が、自動車については、引き渡しから1年または走行距離1万キロメートル以内、オートバイについては、6カ月または5,000キロメートル以内の場合は販売者が責任を負う。電化製品、電子機器、エンジン使用機器については、引き渡しから14日以内の場合、交換を請求でき、販売者が応じない場合は契約解除が可能。

上記の権利は、購入者の損害賠償請求権を妨げない。

購入者の権利は、欠陥発見日または販売者が責任を認めた日から一定期間で時効消滅する(一般商品:1年、自動車、オートバイ、電化製品、電気機器、エンジン使用機器:2年)

スパマート・イサラパックディー首相府付大臣は「本法は、タイの消費者保護基準を国際水準に引き上げると同時に、取引当事者間の紛争を減らすほか、事業者の品質向上や競争とイノベーションの促進につながり、経済全体に利益をもたらす」と説明した。

(野田芳美、ピンラウィー・シリサップ、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ)

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タイ、製造物責任法案を閣議承認、消費者保護強化へ

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出典: www.jetro.go.jp
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時系列

主な数値

欠陥推定期間(一般商品・オートバイ) 6カ月
欠陥推定期間(自動車) 1年
重大な欠陥の交換請求可能期間 7日
販売者責任期間(自動車) 1年または1万キロメートル
販売者責任期間(オートバイ) 6カ月または5,000キロメートル
交換請求可能期間(電化製品等) 14日
購入者の権利の時効消滅期間(一般商品) 1年
購入者の権利の時効消滅期間(自動車、オートバイ、電化製品等) 2年

この事例から確認すべきポイント

タイの製造物責任法案の閣議承認は、同国の消費者保護強化と国際基準への適合を目指す重要な動きである。本法案は、製品の欠陥に関する販売者の責任範囲を明確化し、購入者に対して修理、交換、割引、契約解除といった具体的な権利を付与する。特に、軽微な欠陥と重大な欠陥で権利行使の順序や期間が異なる点、特定の製品(自動車、オートバイ、電化製品等)には異なる責任期間が設定されている点は、関連事業者にとって実務上の影響が大きい。施行前の契約にも遡及適用されるため、タイで事業を展開する企業は、既存の製品や契約についても本法案の内容を精査し、製品の品質管理体制、顧客対応プロセス、契約内容の見直しを早急に進める必要がある。これにより、将来的な紛争リスクの低減と、消費者からの信頼獲得に繋がるだろう。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-01

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