経済・産業トレンド

2025年の中東含む西アジアへの対内直接投資額は前年比約2割増の1,106億ドル、UNCTAD報告

UNCTADの報告によると、2025年の中東含む西アジアへの対内直接投資額は前年比19.9%増の1,106億ドルに達し、世界シェアの6.8%を占めた。特にUAEとサウジアラビアが投資を牽引し、地域全体の7割以上を占める。投資分野は多角化が進む一方、2026年には地政学的緊張や資金調達コストの高止まりなど、世界的な投資の下振れリスクが指摘されている。

この発表の要点

企業・自治体への影響

中東・西アジア地域への事業展開や投資を検討している企業は、同地域の経済成長と投資機会の拡大を把握できます。特にUAEやサウジアラビアといった主要国での投資動向は、市場参入やパートナーシップ戦略に影響を与える可能性があります。一方で、地政学的リスクや資金調達コストの変動は、国際事業を展開する企業の経営戦略やリスク管理部門にとって重要な検討事項となります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 経理 広報 法務

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 ジェトロ
発表日 2026-07-16
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月16日

国連貿易開発会議(UNCTAD)が7月7日に発表した「世界投資報告2026」によると、中東を含む西アジア(注)への2025年の対内直接投資(FDI)額(国際収支ベース、ネット、フロー)は、前年比19.9%増の1,106億ドル(世界シェア6.8%)に達した。

一方、UNCTADは2026年の世界の投資について、中東情勢の影響を含む下振れリスクを抱えており、地政学的緊張や紛争に加え、資金調達コストの高止まりや通商政策の不確実性が投資判断の重しとなると指摘した(2026年7月10日記事参照)。

UAEとサウジアラビアで投資額の7割以上
2025年の西アジアの対内直接投資額(フロー)の国別内訳をみると、アラブ首長国連邦(UAE)が最大で、前年比5.7%増の482億ドルとなり、これは世界順位でも9位(前年10位)だった。また、サウジアラビアが52.9%増の326億ドルで世界13位(前年20位)に浮上した。2カ国で西アジアの対内直接投資額全体の7割以上を占め、湾岸諸国協力会議(GCC)加盟6カ国の合計は同地域の約9割を占める。カタールは前年比約6.6倍と伸びが高かった。なお、投資分野は従来多かった石油・ガス分野から多角化が進んでいるという。

2025年の西アジアの対内直接投資額(フロー)上位10カ国の金額および前年比増減率は次のとおり。

UAE:482億ドル、5.7%増

サウジアラビア:326億ドル、52.9%増

オマーン:133億ドル、6.7%増

トルコ:125億ドル、13.6%増

カタール:30億ドル、559.1%増

レバノン:20億ドル、15.7%増

ヨルダン:20億ドル、25.1%増

ジョージア:17億ドル、7.6%増

バーレーン:8億ドル、71.4%減

アルメニア:6億ドル、360.0%増

また、UNCTADの地域分類で「その他の先進国」に含まれるイスラエルの対内直接投資額は前年比77.4%増の262億ドルで世界15位(前年19位)、「南アジア」に含まれるイランは13.6%増の16億ドルだった。

なお、日本の財務省によると2025年の日本の中東向け対外直接投資額(ネット・フロー)は175億円だったという(2026年2月20日記事参照)。

(注)UNCTAD報告書の西アジアには、アルメニア、アゼルバイジャン、バーレーン、ジョージア、イラク、ヨルダン、クウェート、レバノン、オマーン、カタール、サウジアラビア、シリア、トルコ、UAE、イエメン、パレスチナが含まれる。

(井澤壌士)

(中東、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、カタール、イスラエル)

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2025年の中東含む西アジアへの対内直接投資額は前年比約2割増の1,106億ドル、UNCTAD報告

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/916ed9b5e6b33d7b.html

時系列

主な数値

2025年西アジア対内直接投資額 1106億ドル
2025年西アジア対内直接投資額前年比増減率 19.9%増
2025年西アジア対内直接投資額世界シェア 6.8%
2025年UAE対内直接投資額 482億ドル
2025年サウジアラビア対内直接投資額 326億ドル
UAEとサウジアラビアの西アジア対内直接投資額に占める割合 7割以上
GCC加盟6カ国の西アジア対内直接投資額に占める割合 9割
2025年カタール対内直接投資額 30億ドル
2025年イスラエル対内直接投資額 262億ドル
2025年イラン対内直接投資額 16億ドル
2025年日本の中東向け対外直接投資額 175億円

この事例から確認すべきポイント

本報告は、中東を含む西アジア地域が世界の対内直接投資において存在感を増していることを示唆しています。特にUAEとサウジアラビアが投資を牽引し、石油・ガス分野からの多角化が進む傾向は、同地域の経済構造の変化と新たなビジネス機会の創出を示しています。しかし、2026年の世界投資には地政学的緊張や資金調達コストの高止まりといった下振れリスクが指摘されており、この地域への投資を検討する企業は、潜在的な成長性と同時にこれらのリスク要因を慎重に評価する必要があります。企業は、投資先の選定や事業計画において、地域ごとの詳細なデータと将来予測を基にしたリスクマネジメントが不可欠となります。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-16

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