中国工信部、6G技術の実証実験の加速に言及
この発表の要点
- 中国は2026年上半期に5GインフラとAI算力を大幅に拡大し、産業応用を深化させている。
- 6G技術の実証実験を加速しており、6GHz帯の試験周波数使用を承認し、300件超の6G中核技術を蓄積した。
- 第15次5カ年規画(2026~2030年)において6Gを重点未来産業と位置付け、国家レベルおよび地方レベルで技術開発と産業エコシステムの育成を推進する。
企業・自治体への影響
この発表は、通信事業者、ITソリューションプロバイダー、製造業、AI関連企業、および自動運転やスマートシティ関連技術を開発する企業に大きな影響を与える可能性があります。中国の次世代通信技術への大規模な投資は、関連するハードウェア、ソフトウェア、サービス市場に新たなビジネス機会と競争圧力を生み出すでしょう。特に、中国市場への参入を検討している企業や、グローバルな技術標準化に関わる企業は、中国の政策動向を注視する必要があります。
対応すべきこと
- 中国の6G技術開発動向および関連政策の最新情報を継続的に収集し、自社の技術ロードマップや事業戦略への影響を評価する。
- 自社の製品・サービスが5G/6G、AI、IoTなどの新世代通信技術とどのように連携できるか、または新たな市場機会を創出できるかを検討する。
- 中国市場における通信インフラの進化が、サプライチェーンや競合環境に与える影響を分析し、必要に応じて事業計画を調整する。
- 関連する国際標準化団体における6G技術の議論に注目し、将来的な技術標準への対応を準備する。
対象部門: 経営者 情シス 広報
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 中国工業情報化部 |
|---|---|
| 業界 | 通信・IT・製造 |
| 発表日 | 2026-08-07 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年08月07日
中国の国務院新聞弁公室および工業情報化部は7月20日、2026年上半期の工業情報化発展状況に関する記者会見を開催した。同部によると、上半期の電信業務総量(注1)は前年同期比7.9%増加し、6月末時点で第5世代移動通信システム(5G)基地局数は510万2,000局、ギガビット級ネットワークサービスを提供可能な10G-PON(注2)ポート数は3,286万ポートに達した。人工知能(AI)向け計算能力を示すインテリジェント算力は2,185EFLOPS(注3)と前年同期比2.7倍となったほか、5G業界向け仮想プライベートネットワークは8万件を超え、5Gおよびギガビット光ネットワークの活用は94の国民経済大分類に広がった。また、全国の「5G+インダストリアルIoT」の建設中プロジェクトが2万6,000件を超え、5Gを生かした特色ある工場は1,260カ所に達した。
同部は、こうした5Gや光ネットワーク、算力の整備を踏まえ、新世代通信ネットワークの整備方針も示した。今後の取り組み内容は次のとおり。
ネットワーク建設の推進:基盤ネットワーク、宇宙空間ネットワーク、国際ネットワーク、融合ネットワーク、5G-A、10ギガビット級光ネットワークを大規模商用化しインフラ体系を整える。
産業支援の推進:第6世代移動通信システム(6G)移動通信、超高速光通信、海底光ケーブル、衛星通信などの中核技術開発と関連製品開発を加速し、イノベーションと産業チェーンの効率的な連携を実現する。
応用イノベーションの普及推進:5G、ギガビット光ネットワークの重点産業への活用深化、ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)、エンボディドAI、自動運転車、5G-A/6G、衛星インターネットとの融合発展を推進する。
6Gは、こうした新世代通信ネットワーク整備を支える中核技術の1つに位置付けられる。同部は6ギガヘルツ(GHz)帯の6G試験周波数の使用許可を承認し、第2段階の6G技術の実証実験を加速しているとした。また、「6G全体ビジョンと潜在的中核技術」などの成果を公表し、300件を超える6G中核技術を蓄積したと述べた。
なお、中国は第15次5カ年(2026~2030年)規画において、6GをエンボディドAI、量子技術、核融合エネルギーなどに並ぶ重点未来産業に位置付け、新たな経済成長の原動力として育成するとともに、未来産業の全産業チェーンにおける育成体系を構築するとしている。さらに、技術開発を地方レベルでも進めるため、工業情報化部は、6月に「6G革新発展における部・省協同パイロットプロジェクト特別行動の実施に関する通知」を発表した。全国共同で6G技術革新、産業エコシステムの育成、応用場面の拡大を推進し、未来産業の発展を支えるとした。
(注1)通信事業者が提供する電気通信サービス全体の業務量を示す統計概念。
(注2)光ファイバーアクセス網で使われる通信方式。PONはPassive Optical Networkの略で、通信事業者側の設備から利用者側へ光回線を分岐して届ける仕組み。
(注3)計算速度の単位。1EFLOPS=1秒当たり100京回の浮動小数点演算を実行できる能力。
(佐川将平、陸姿音)
(中国)
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中国工信部、6G技術の実証実験の加速に言及
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/53b17fec1f08c0c6.html
時系列
- 2026-06-30 上半期末時点で5G基地局数が510万2,000局、10G-PONポート数が3,286万ポートに達する。
- 2026-06-XX 工業情報化部が「6G革新発展における部・省協同パイロットプロジェクト特別行動の実施に関する通知」を発表。
- 2026-07-20 中国の国務院新聞弁公室および工業情報化部が2026年上半期の工業情報化発展状況に関する記者会見を開催。
主な数値
| 電信業務総量増加率 | 7.9% |
|---|---|
| 5G基地局数 | 510万2,000局 |
| 10G-PONポート数 | 3,286万ポート |
| インテリジェント算力 | 2,185EFLOPS |
| インテリジェント算力増加率 | 2.7倍 |
| 5G業界向け仮想プライベートネットワーク数 | 8万件超 |
| 5Gおよびギガビット光ネットワーク活用分野 | 94の国民経済大分類 |
| 「5G+インダストリアルIoT」建設中プロジェクト数 | 2万6,000件超 |
| 5Gを生かした特色ある工場数 | 1,260カ所 |
| 6G中核技術蓄積数 | 300件超 |
この事例から確認すべきポイント
中国の工業情報化部による今回の発表は、同国が次世代通信技術、特に5Gと6Gにおいて、国家戦略として強力な推進体制を敷いていることを明確に示しています。上半期の5GインフラとAI算力の大幅な進展は、デジタル経済への投資と産業応用深化の成果であり、技術的優位性を確立しようとする強い意志が伺えます。6G技術の実証実験加速、6GHz帯の試験周波数承認、そして300件を超える中核技術の蓄積は、中国がこの分野で国際的なリーダーシップを目指していることを示唆します。第15次5カ年規画における6Gの重点未来産業への位置付けと、中央・地方政府の協調によるエコシステム育成は、包括的な国家戦略の表れです。この動向は、通信事業者、ITベンダー、製造業、AI開発企業など、関連する国内外の企業にとって、新たな市場機会と同時に、技術競争の激化を意味します。企業は、中国の技術政策と標準化動向を注視し、自社の研究開発や事業戦略にどのように組み込むかを検討する必要があります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-08-07
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