経済・産業トレンド

AI植物工場システムを海外展開へ、日本にも注目、グリーンファイトに聞く

世界最高層の大型植物工場を運営するグリーンファイトは、AIを活用した先端システムを日本を含む海外へ展開する方針を発表しました。同社は2026年1月にシンガポールで大型植物工場を開業し、ギネス世界記録にも認定されています。日本の農業が抱える高齢化や気候変動などの課題に対し、同社の自動化技術が解決策となると表明しており、植物工場の設計から保守まで一貫したソリューション提供を検討しています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

農業、食品サプライチェーン、およびアグリテック分野に影響を与えます。特に、農業従事者の高齢化や気候変動に直面する国の農業事業者、食品小売業者、技術開発企業にとって、新たなビジネス機会や競争環境の変化をもたらす可能性があります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 広報 経理 情シス

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 グリーンファイト(Greenphyto)
業界 農業
発表日 2026-07-23
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月23日

世界最高層の大型植物工場を運営するグリーンファイト(Greenphyto)のスーザン・チョン最高経営責任者(CEO)は7月14日、ジェトロとのインタビューに応じ、人工知能(AI)を活用した先端システムを、日本を含む海外に向けて展開する方針を明らかにした。植物工場の設計から設備導入、栽培管理から保守まで、一貫したソリューションの展開を検討している。

グリーンファイトはチョンCEOが2014年に創業した。葉物野菜の播種から植え替え、栽培、収穫までをほぼ自動化した大型植物工場(敷地面積:2ヘクタール)を2026年1月、正式開業した。栽培設備の高さは23.3メートルで、世界最高層の屋内垂直式農場としてギネス世界記録に認定された。年間生産能力は最大2,000トンに上る。

工場では、AIを活用して野菜の生育状況や温度、照明、養液、設備の稼働状態を監視している。また、生産工程をデジタル空間上に再現するデジタルツイン技術を導入し、生育状況を把握し、収穫量の予測などをしている。野菜の生育環境を完全制御することで、従来の農法と比較して成長サイクルを最大で30%短縮し、45倍の収穫量を実現しているという。

同社は現在、小松菜、菊菜、ベビーホウレンソウ、中国野菜のカイランやナイバイなど国内市場で需要が多い約7種類の野菜を生産している。生産した野菜は、「ハイドログリーンズ(Hydrogreens)」のブランド名で、国内の主要スーパーマーケットに販売している。

農業従事者の高齢化など日本の課題解決を目指す
同社は植物工場の自動化技術などの特許を日本や米国など34カ国で取得した。国外展開先としてオランダに2025年、現地法人を設立し、欧州市場の開拓を進めている。日本についても有望な展開先として位置付け、協議を進めているという。日本に注目する理由として、チョンCEOは、「農業従事者の高齢化と後継者不足、農業生産の生産性向上と猛暑など気候変動への対応」といった日本の農業が抱える課題に対して、同社の自動化技術が解決策になると述べた。

グリーンファイトのシンガポール国内の植物工場の外観(同社提供)

(本田智津絵)

(シンガポール)

ビジネス短信 e4ac171045549d10

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ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース

AI植物工場システムを海外展開へ、日本にも注目、グリーンファイトに聞く

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/e4ac171045549d10.html

時系列

主な数値

植物工場敷地面積 2ヘクタール
栽培設備高さ 23.3メートル
年間生産能力 2000トン
成長サイクル短縮率 30パーセント
収穫量増加倍率 45倍
生産野菜種類数 7種類
特許取得国数 34カ国

この事例から確認すべきポイント

本発表は、AIとデジタルツイン技術が農業分野にもたらす変革の可能性を示唆しています。グリーンファイトの事例は、垂直農法と自動化技術が、限られた土地や労働力、気候変動といった現代農業の課題に対する有効な解決策となり得ることを具体的に提示しています。特に、日本の農業が直面する高齢化や後継者不足、生産性向上といった構造的な問題に対し、海外企業が技術的ソリューションを提供しようとする動きは、国内農業のDX推進を加速させる要因となるでしょう。また、植物工場の設計から保守まで一貫したソリューション提供は、導入企業の負担を軽減し、普及を促進する上で重要なビジネスモデルと言えます。企業は、このような先端技術の動向を注視し、自社のサプライチェーンや事業戦略への影響を評価する必要があります。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-23

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