経済・産業トレンド 成立

米イリノイ州で超党派のAI安全対策法が成立、施行は2027年1月

米国イリノイ州で、J.B.プリツカー知事が「AI安全対策法(SB 315)」に署名し、同法が成立しました。この法律は、年間総売上高が5億ドルを超える大手AI開発企業に対し、リスクの特定・開示・軽減を義務付けるとともに、独立した第三者による監督体制の整備と内部告発者の保護を目的としています。2027年1月1日から施行され、独立した第三者による定期的な監査を含む包括的な安全管理義務を課す点で全米初の州法となります。

この発表の要点

企業・自治体への影響

年間総売上高5億ドルを超えるAI開発企業は、イリノイ州法への対応として、リスク管理体制、透明性確保、内部告発者保護制度の整備が急務となります。特に法務、コンプライアンス、開発部門は影響が大きく、既存のAI製品やサービスが新たな規制に適合しているかを確認する必要があります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 法務 情シス 広報 経理

対応期限:施行日まで

基本データ

企業・団体 ジェトロ
業界 IT・ソフトウェア
発表日 2026-07-08
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月08日

米国イリノイ州のJ.B.プリツカー知事(民主党)は7月6日、人工知能(AI)の安全性、透明性、説明責任に関する強力な枠組みを確立する「AI安全対策法(SB 315)」に署名し同法は成立した。この超党派の州法は、年間総売上高が5億ドルを超える大手AI開発企業に対し、リスクの特定・開示・軽減を義務付ける一方で、独立した第三者による監督体制を整備し、安全上の懸念を報告する内部告発者を保護することを目的としている。2027年1月1日から施行される。

新しい州法の成立に関して、プリツカー知事は「人々はAIの危険性からの保護を求めており、当州は超党派による全米で初めてかつ最も保護水準の高い法律を制定することで、その期待に応えている」述べた。ドン・ハーモン州上院議長(民主党)は、「これはわれわれの個人情報に密接にアクセスできる成長産業に対する、重要な消費者安全対策だ」と述べた。

また、AIスタートアップ企業のアンソロピック(注)の米国州・地方自治体渉外担当責任者であるセザール・フェルナンデス氏は「AI技術に求められる説明責任の実現に向けた重要な一歩」とし、「この法案を支持した最初のAI研究機関であることを誇りに思う」と述べた。

これまでAIの安全規制に関する州法は、カリフォルニア州で2025年9月29日に成立したAI安全開示法(SB 53)(2025年10月3日記事参照)や、ニューヨーク州で2025年12月19日に成立したRAISE法(S6953B/A6453B)、コロラド州で2026年5月18日に成立した自動意思決定技術法(SB26-189)(2026年5月18日記事参照)がある。

イリノイ州の同法は、カリフォルニア州のAI安全開示法と同じく、大手AI開発企業を対象としており、安全プロトコルの開示、透明性向上、内部告発者保護などを重視する点において多くの点で共通しているが、独立した第三者による定期的な監査を含む包括的な安全管理義務を課した点においては全米で最初の州法となった。なお、これまでバイデン前政権からトランプ現政権にかけて、AI安全性に関する大統領令は発令されているが、AI安全規制に関する包括的な連邦法はまだ制定されていない。

(注)同社はPBC(Public Benefit Corporation)で、公共の利益や社会的使命も追求することが定款に組み込まれている企業形態となっている。

(星野香織)

(米国)

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米イリノイ州で超党派のAI安全対策法が成立、施行は2027年1月

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/b3830e758a8dee30.html

時系列

主な数値

対象企業 年間総売上高が5億ドルを超える大手AI開発企業企業
施行日 2027年1月1日日付

この事例から確認すべきポイント

米国では、連邦レベルでの包括的なAI安全規制法が未制定である中、各州で独自のAI関連法案が成立する動きが加速しています。イリノイ州の「AI安全対策法」は、カリフォルニア州などの先行事例と比較しても、独立した第三者による定期的な監査を含む包括的な安全管理義務を課す点で、より厳格な規制を導入しています。この動きは、AI技術の急速な発展に伴う潜在的リスクへの懸念が高まっていることを示しており、AI開発企業は、州ごとの異なる規制内容を詳細に把握し、自社のビジネスモデルや開発プロセスが各州の法規制に適合しているかを確認する必要があります。特に、年間総売上高5億ドルを超える企業は、リスク特定・開示・軽減、第三者監督、内部告発者保護といった具体的な義務への対応が急務となります。企業は、法規制の動向を継続的に注視し、コンプライアンス体制の強化と透明性の高い事業運営が求められます。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-08

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