経済・産業トレンド

インド、「デジタル・インディア」11周年で新たな取り組みを報告、半導体・AIなど

インド電子・情報技術省は、デジタル化構想「デジタル・インディア」の11周年を迎え、半導体製造とAI分野における新たな取り組みを報告しました。半導体分野では「インド半導体ミッション(ISM)」に基づき、12件のプロジェクトに総額約1兆6,400億ルピー(約2兆8,000億円)を投資し、国内供給網の構築と技術的自立を目指します。AI分野では約4万5,000基のGPU計算基盤整備を進め、高度なデータ処理・研究環境を構築。設計から製造、人材育成まで含む包括的な産業基盤強化を図り、世界の半導体供給網におけるインドの地位確立を目指します。

この発表の要点

企業・自治体への影響

半導体製造、AI開発、自動車、データセンター、防衛産業など、幅広い分野でインド市場への参入やサプライチェーン構築を検討する企業に影響があります。インド国内での技術的自立と製造基盤強化が進むことで、関連産業における新たなビジネス機会や競争環境の変化が生じる可能性があります。特に、半導体部品の調達戦略やAI関連技術の共同開発を検討する企業は、インドの政策動向を注視する必要があります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 広報 情シス 経理

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 インド電子・情報技術省
業界 IT・ソフトウェア / 製造
発表日 2026-06-27
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年06月30日

添付資料(259 KB)

インド電子・情報技術省は6月27日、2015年以降推進してきたデジタル化構想「デジタル・インディア」が11周年を迎える中、同構想の新たな段階となる昨今の半導体製造や人工知能(AI)分野での取り組みについて報告した(添付資料参照)。国の戦略資産と位置付ける半導体分野では、インドの技術的自立と製造基盤強化を狙う「インド半導体ミッション(ISM)」の下、承認された計12件のプロジェクトの総額約1兆6,400億ルピー(約2兆8,000億円、1ルピー=約1.7円)の投資計画を推進している。半導体製造の中核となるファブ(前工程)1件に加え、化合物半導体関連施設2件、組み立て・試験などの後工程施設9件で構成される。これにより、これまで輸入依存が高かった半導体供給網を国内に構築し、スマートフォン、自動車、データセンター、防衛など幅広い産業分野への供給力強化が期待されている。

インド政府は「デジタル・インディア」政策による通信インフラやデジタルサービス基盤の整備を受け、次の段階として半導体やAIといった先端分野に重点をシフトしている。また、両分野の連携も進めており、AI分野では約4万5,000基のGPU(Graphics Processing Unit、注)を備えた計算基盤の整備など、国内での高度なデータ処理・研究環境の構築を推進している。こうした取り組みは、設計から製造、実装に至る半導体エコシステム全体の強化を目的とする。さらに政府は、設計分野でも支援を拡充しており、設計連動型インセンティブ制度を通じて複数プロジェクトを支援しているほか、大学やスタートアップへの設計ツール提供など人材育成にも注力している。

インドにおける半導体政策は、単なる工場誘致にとどまらず、研究開発、人材、サプライチェーンを含む包括的な産業基盤の構築を目指す点が特徴である。政府はこうした取り組みにより、同国を世界の半導体供給網の一角に位置付けるとともに、長期的には輸出拠点化と技術主導型成長の実現を目指している。

(注)コンピュータ内で大量の計算処理を高速に並列実行するための半導体チップを指す。

(野本直希)

(インド)

ビジネス短信 66d724d715493577

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インド、「デジタル・インディア」11周年で新たな取り組みを報告、半導体・AIなど

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/66d724d715493577.html

時系列

主な数値

デジタル・インディア構想の推進期間 11周年
承認された半導体プロジェクト数 12件
半導体プロジェクト総投資額 1640000000000ルピー
半導体プロジェクト総投資額 2800000000000円
為替レート 1.7円/ルピー
ファブ(半導体前工程)施設数 1件
化合物半導体関連施設数 2件
半導体後工程施設数 9件
AI分野のGPU数 45000基

この事例から確認すべきポイント

本発表は、インド政府が「デジタル・インディア」構想の次なるフェーズとして、半導体とAIという戦略的先端技術分野に国家の重点をシフトしていることを明確に示している。大規模な投資計画と具体的な施設構成(ファブ、化合物半導体、後工程)は、輸入依存からの脱却と国内供給網の構築、技術的自立を目指す強い意志を反映している。AI分野におけるGPU計算基盤の整備は、高度なデータ処理・研究環境の構築を加速させ、半導体とAIの連携によるエコシステム全体の強化を図る意図がある。単なる工場誘致に留まらず、研究開発、人材育成、サプライチェーン全体を包括する産業基盤構築を目指す点で、長期的な視点での国家戦略としての重要性が高い。これは、グローバルなサプライチェーン再編や経済安全保障の観点から、各国が半導体産業の国内強化を進める動きと軌を一にするものであり、インドがこの分野で国際的な競争力を高めようとしていることを示唆する。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-06-30

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