米イーライリリー、未承認肥満症薬の違法販売者を提訴
この発表の要点
- イーライリリーが未承認の肥満症薬「レタトルチド」の違法販売に関与した米国内の6社を提訴した。
- 「レタトルチド」は現在第3相臨床試験中で、いずれの国の規制当局からも人体への使用は承認されていない。
- 同社はSNS事業者やECプラットフォームなどに対し、違法流通対策への協力を呼びかけている。
企業・自治体への影響
製薬業界においては、開発中の医薬品の不正流通に対する監視と法的対応の重要性が高まります。ECプラットフォームやSNS事業者、決済代行会社、物流事業者などは、未承認医薬品の違法販売に自社のサービスが利用されないよう、監視体制の強化と製薬企業との連携が求められます。消費者は、未承認医薬品の購入・使用が健康リスクを伴うことを再認識する必要があります。
対応すべきこと
- 自社製品が未承認のまま不正に流通していないか、市場監視を強化する。
- ECプラットフォームやSNS事業者、決済・物流関連企業は、違法な医薬品販売に関する規約遵守と監視体制を確認する。
- 関係部門(法務、広報、営業、開発など)へ本件を共有し、不正流通対策の検討を促す。
- 公式発表元(イーライリリー)や規制当局(FDA等)からの追加情報に注意を払う。
対象部門: 経営者 法務 情シス 広報 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | イーライリリー |
|---|---|
| 業界 | 製薬 |
| 発表日 | 2026-08-12 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年08月13日
米国製薬大手イーライリリー(本社:インディアナ州)は8月12日、肥満症や糖尿病などを対象に開発中の「レタトルチド(Retatrutide)」の違法販売に関与したとして、米国内の6社を提訴したと発表した。6社には、調剤薬局やメディカルスパ(美容医療施設)、オンライン販売事業者などが含まれる。また同社は、SNS事業者や電子商取引(EC)プラットフォーム、クレジットカード会社、決済代行会社、物流事業者などに対し、同薬の違法流通対策への協力を呼びかけた。
「レタトルチド」は現在、第3相臨床試験(最終段階の治験)を実施中の開発品で、現時点ではいずれの国の規制当局からも人体への使用について承認を受けていない。米国食品医薬品局(FDA)も未承認の「レタトルチド」について、消費者向け販売は違法との見解を示している。イーライリリーによると、違法に流通する製品の多くは、規制を受けていない海外メーカーで製造されているという。
イーライリリーの最高医療責任者(CMO)のデビッド・ハイマン氏は発表で、「当社は、開発中の医薬品の安全性と有効性を評価する責任を重く受け止めている。闇市場で販売されているものは医薬品ではなく、検証も承認も全くされておらず、(使用に伴う)リスクを負う価値はない」と述べた。
同社によると、「レタトルチド」の違法販売について、これまでに200件超の個人・事業者をFDAや司法当局などへ通報したほか、100カ国以上で確認された1万4,000件超のウェブサイトや広告、SNS投稿、商品掲載情報をプラットフォーム事業者へ通報したとしている。
近年、肥満症治療薬への関心の高まりを背景に、未承認品や模倣品の流通や、美容・痩身(そうしん)目的での適応外使用などについて、FDAや欧州医薬品庁(EMA)、日本の厚生労働省が注意を呼びかけている。
(坂井愛子)
(米国)
ビジネス短信 172718dd2508d8ce
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米イーライリリー、未承認肥満症薬の違法販売者を提訴
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/172718dd2508d8ce.html
時系列
- 2026-08-12 イーライリリーが未承認肥満症薬「レタトルチド」の違法販売に関与したとして、米国内の6社を提訴したと発表。
主な数値
| 提訴対象企業数 | 6社 |
|---|---|
| FDA・司法当局への通報件数(個人・事業者) | 200件超 |
| プラットフォーム事業者への通報件数(ウェブサイト・広告等) | 14000件超 |
| 通報対象国数 | 100カ国以上 |
この事例から確認すべきポイント
本事例は、未承認医薬品の違法流通に対する製薬企業の法的措置と、広範なステークホルダーへの協力要請を示しています。特に、開発中の医薬品が承認前に闇市場で流通するリスクと、それに対する企業側の責任ある対応が強調されています。イーライリリーは、提訴だけでなく、規制当局への通報やプラットフォーム事業者への情報提供を通じて、多角的に問題解決を図っています。これは、医薬品の安全性と有効性を確保する上で、企業が果たすべき役割の重要性を再認識させるものです。また、SNSやECプラットフォームが違法流通の温床となり得る現代において、これらの事業者が果たすべき役割も浮き彫りになっています。企業は、自社製品の不正流通リスクを常に監視し、関係機関やプラットフォーム事業者との連携体制を構築することが求められます。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-08-13
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