経済・産業トレンド

5月の中国自動車市場、国内販売低迷も新エネルギー車(NEV)輸出が好調

中国自動車工業協会(CAAM)は2026年5月の自動車販売台数が前年同月比2.1%減の262.9万台、生産台数が1.2%減の261.6万台だったと発表しました。新エネルギー車(NEV)は生産155.4万台(22.4%増)、販売149.6万台(14.4%増)と好調で、総販売台数の56.9%を占めました。国内販売は20.4%減と大きく落ち込んだ一方、輸出は68.7%増の93万台を記録し、特にNEV輸出が2.1倍に拡大しました。中国ブランドの乗用車市場シェアは71.0%に上昇しています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

中国の自動車市場は、ガソリン車から新エネルギー車への移行が加速しており、国内販売の低迷と輸出の好調が顕著です。この動向は、自動車製造業、部品サプライヤー、および関連する物流・貿易企業に対し、製品戦略の見直しやサプライチェーンの再構築を促す可能性があります。特に、中国市場への参入を検討している、または既に事業展開している企業は、NEVシフトと中国ブランドの台頭を考慮した事業計画が求められます。

対応すべきこと

対応優先度:  中国自動車市場の大きな構造変化と成長分野を示しており、関連企業は中長期的な事業戦略に影響があるため。

対象部門: 経営者 広報 経理

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 中国自動車工業協会(CAAM)
業界 自動車製造
発表日 2026-06-10
分類 経済・産業トレンド
地域 中国

発表された内容

2026年06月15日

中国自動車工業協会(CAAM)は6月10日、2026年5月の自動車販売台数は前年同月比2.1%減の262万9,000台、生産台数は1.2%減の261万6,000台だったと発表した。前月比ではそれぞれ4.1%増、1.6%増と小幅に回復した。2026年1~5月の累計販売は1,220万7,000台(前年同期比4.2%減)で、減少幅は縮小傾向にある。

5月の乗用車販売台数は225万3,000台(前年同月比4.2%減)と減少した一方、商用車は37万6,000台(12.5%増)と伸びを維持した。

新エネルギー車(NEV、注1)が引き続き好調で、5月の生産は155万4,000台(前年同月比22.4%増)、販売は149万6,000台(14.4%増)を記録し、自動車総販売台数に占める割合は56.9%に達した。1~5月の累計でもNEV販売は580万2,000台(前年同期比3.5%増)と堅調に推移し、総販売台数に占める割合は47.5%となった。NEVの内訳をみると、5月はバッテリー式電気自動車(BEV)が前年同月比22.9%増と伸びた一方で、プラグインハイブリッド車(PHEV)は0.5%減となった。

販売先別にみると、5月の国内販売は170万台(前年同月比20.4%減)と大きく減少した。うち乗用車の国内販売が144万4,000台(23.4%減)だった。これについてCAAMは、政策調整、市場構造の変化、マクロ経済の圧力などの複合的な要因によるものと分析した。一方、輸出は68.7%増の93万台と、2カ月連続で90万台を超えた(2026年5月13日記事参照)。このうち、NEVの輸出が44万6,000台(2.1倍)と大きく伸びた。

2026年1~5月の乗用車販売台数についてメーカーの国・地域別シェアをみると(注2)、中国ブランドは71.0%を占め、2025年通年(69.5%)から上昇した。外資系では、ドイツ系が10.4%、日系が8.7%、米国系が7.0%、韓国系が1.6%だった。

中国国内の自動車市場は、ガソリン車は低迷する一方、NEVは好調だ。この傾向について、CAAMの陳士華副秘書長は、燃料価格の高騰がガソリン車の使用コストを押し上げ、NEVの経済性がより際立っていると分析した。また、国内自動車メーカーが研究開発に注力し、NEVの新モデルを迅速に投入するとともに、多様なニーズに対応することで市場の潜在力を引き出しているとした。さらに、NEVについて、効率的な産業チェーンと規模の経済によって、安定したサプライチェーンを持ち、技術進化によって海外ニーズにも対応することが、競争力向上につながっていると評価した(「新華社」6月10日)。

(注1)バッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)の合計。
(注2)CAAMの報告書では単月の国別データが公開されていない。

(龐婷婷)

(中国)

ビジネス短信 1315ea72b6ae951c

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5月の中国自動車市場、国内販売低迷も新エネルギー車(NEV)輸出が好調

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出典: JETRO ビジネス短信
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/1315ea72b6ae951c.html

時系列

主な数値

2026年5月自動車販売台数 2629000台
2026年5月自動車生産台数 2616000台
2026年1-5月累計自動車販売台数 12207000台
2026年5月乗用車販売台数 2253000台
2026年5月商用車販売台数 376000台
2026年5月NEV生産台数 1554000台
2026年5月NEV販売台数 1496000台
2026年5月NEV販売割合 56.9%
2026年1-5月累計NEV販売台数 5802000台
2026年1-5月累計NEV販売割合 47.5%
2026年5月国内自動車販売台数 1700000台
2026年5月国内乗用車販売台数 1444000台
2026年5月自動車輸出台数 930000台
2026年5月NEV輸出台数 446000台
2026年1-5月乗用車販売における中国ブランドシェア 71.0%
2025年通年乗用車販売における中国ブランドシェア 69.5%
2026年1-5月乗用車販売におけるドイツ系ブランドシェア 10.4%
2026年1-5月乗用車販売における日系ブランドシェア 8.7%
2026年1-5月乗用車販売における米国系ブランドシェア 7.0%
2026年1-5月乗用車販売における韓国系ブランドシェア 1.6%

この事例から確認すべきポイント

2026年5月の中国自動車市場は、国内販売の低迷と新エネルギー車(NEV)の好調な販売・輸出という二極化が鮮明になりました。これは、燃料価格の高騰や国内メーカーの研究開発投資、多様なニーズへの対応といった要因により、消費者の嗜好がガソリン車からNEVへと急速にシフトしていることを示唆しています。特にNEVの輸出が大幅に伸びていることは、中国がグローバルなEV市場における競争力を高めている証拠であり、中国ブランドの国内市場シェア拡大と合わせて、今後の自動車産業の勢力図を大きく変える可能性があります。中国市場で事業を展開する企業は、この構造変化を深く理解し、製品ポートフォートやサプライチェーン戦略の再構築が急務となります。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-06-15

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