経済・産業トレンド

8月の石油市場は需給縮小・在庫減少、ディーゼル燃料の逼迫深まる

IEAが9月11日に発表した石油市場報告によると、2026年の世界石油需要予測を日量250万バレル減へ下方修正。湾岸地域の生産停止やサウジアラビアのパイプライン攻撃等により供給が大幅に減少し、世界総在庫や米国の留出燃料油在庫が記録的減少。ホルムズ海峡の制約等で湾岸諸国からのディーゼル輸出も急減し、価格が1バレル200ドルを突破するなど逼迫が深まっている。

最終確認日: 2026-09-18

この発表の要点

企業・自治体への影響

エネルギー価格の高騰およびディーゼル燃料の逼迫により、製造業、物流、運輸業等における調達コストや輸送コストの増加が懸念される。経営企画・調達・経理部門において継続的な影響把握が必要となる。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 総務 経理

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 日本貿易振興機構(ジェトロ)
業界 エネルギー・環境
発表日 2026-09-17
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年09月17日

国際エネルギー機関(IEA)は9月11日、石油市場報告(2026年9月)を発表した。2026年の世界の石油需要は前年比で日量250万バレル減少すると予測し、前月予測から94万バレル下方修正した。米国とイランの交渉が停滞し、需要回復が2027年までずれ込むとの見通しを示した。前月の報告では、2026年第4四半期以降の回復を見込んでいた。

8月の世界の石油供給量は、前月比日量160万バレル減、前年同月比日量680万バレル減の日量1億10万バレルとなった。湾岸地域において日量1,000万バレルを超える規模の生産停止が続き、7月からさらに供給が減少した。

米国エネルギー情報局(EIA)は9月9日付プレスリリースにおいて、ホルムズ海峡の通航量と代替輸出ルートの利用拡大を受け、中東地域の原油生産量が今後数カ月で増加すると予測していた。しかし、9月10日に発生したサウジアラビアの東西パイプライン(注)への攻撃(2026年9月14日記事参照)を受け、IEAは湾岸地域の生産回復が2027年にずれ込むとの見方を示した。

供給の減少に伴い、世界の石油総在庫は9,500万バレル減少し、米・イスラエルとイランの軍事衝突が始まった2026年2月以降の累積減少量は、5億700万バレルとなった。内訳をみると、海上輸送中の石油在庫が6,500万バレル減、非OECD諸国の在庫が5,200万バレル減少した一方、OECD諸国の在庫は2,300万バレル増加した。

湾岸諸国からのディーゼル輸出が急減、価格も高騰
石油に加え、ディーゼル燃料が逼迫している。IEAによると、ホルムズ海峡の供給制約により、8月の湾岸諸国からのディーゼル燃料輸出は、平均日量39万バレルと、軍事衝突前の約4分の1にとどまった。湾岸諸国の供給減に加え、ウクライナによる攻撃でロシアの製油所が混乱し(2026年7月14日記事参照)、供給不足に拍車をかけた。2月以前は、湾岸諸国とロシアの両地域で世界の海上ディーゼル取引の約45%を占めていた。

EIAは、主にディーゼル燃料として販売される留出燃料油の米国内在庫が10月に1億バレルを下回り、2003年以来の低水準になると予測した。EIAはさらに、2027年第1四半期まで米国の留出燃料油在庫水準は過去5年間の最低水準を下回る状態が継続する見通しを示している。

ディーゼル価格も高騰し、9月初旬の米国市場では1バレル200ドルを突破した。これは軍事衝突前と比べて94%の上昇となる。IEAは欧州・アジアにおいても同程度の水準まで価格が上昇していると報告した。

中東情勢を巡る最新動向は「イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報」を参照。

(注)サウジアラビア東部州アブカイクから紅海沿岸の主要積み出し港である同国西部ヤンブーまでを結ぶ原油輸送のパイプライン。ホルムズ海峡を通航せずに紅海側に原油を輸送できることから、ホルムズ海峡の代替ルートとして注目された(2026年4月28日付地域・分析レポート参照)。日量700万バレルの輸送能力を持つ。

(中村周)

(中東、世界)

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8月の石油市場は需給縮小・在庫減少、ディーゼル燃料の逼迫深まる

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/09/fc32627b960f40bb.html

時系列

主な数値

2026年世界石油需要の下方修正幅 94万バレル
8月の世界石油供給量(前月比減) 160万バレル減
8月の世界石油供給量(前年同月比減) 680万バレル減
8月の世界石油供給量(総量) 1億10万バレル
湾岸地域の生産停止規模 1000万バレル超
世界の石油総在庫の減少量 9500万バレル
軍事衝突以降の石油在庫累積減少量 5億700万バレル
海上輸送中の石油在庫減少量 6500万バレル
非OECD諸国の在庫減少量 5200万バレル
OECD諸国の在庫増加量 2300万バレル
8月の湾岸諸国からのディーゼル燃料輸出量 39万バレル(平均日量)
湾岸・ロシア地域の海上ディーゼル取引のシェア 45%
米国市場のディーゼル価格 200ドル(1バレル)
軍事衝突前と比較したディーゼル価格の上昇率 94%
サウジアラビア東西パイプラインの輸送能力 700万バレル

この事例から確認すべきポイント

本発表は、中東情勢の緊迫化およびインフラ攻撃に伴う世界的な石油・ディーゼル供給の逼迫と、需要予測の下方修正に関するものである。エネルギー価格の高騰やサプライチェーンの制約は、製造業、物流、運輸業などの幅広い企業活動において調達コストの上昇に直結する。広報・経営企画部門においては、原油および燃料価格の変動が自社の財務や製品・サービス価格に与える影響を継続的にモニタリングし、必要に応じた調達先の多角化やコスト転嫁策の検討など、迅速なリスク管理体制の構築が求められる。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-09-17 / 最終確認: 2026-09-18

執筆・確認主体

この記事は、上記の公式出典を一次情報として PRaze編集部(株式会社スキルマーク)が構造化・要約したものです。 要約と分類の生成にはAIを使用しています。

数値・日付・組織名・金額は公式発表の原文から転記しており、 原文に記載のない事項を補って書くことはしていません。 内容の正確性は公式出典をご確認ください。

編集・公開: PRaze編集部(株式会社スキルマーク) / 出典確認日: 2026-09-18

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