ボリビア、2027年から燃料補助金を完全廃止、財政再建を本格化
最終確認日: 2026-09-18
この発表の要点
- ボリビア政府は2027年から燃料補助金を完全廃止し、同年1月から国内燃料価格を市場価格ベースへ移行する方針を公表した。
- 背景には天然ガス生産減少による外貨不足と財政赤字の深刻化があり、政府は公務員給与抑制などで財政再建を目指す。
- 燃料価格の上昇に伴うインフレ圧力や社会的不満、過去に発生したような抗議デモ等による事業・物流への影響が懸念されている。
企業・自治体への影響
ボリビア国内で事業を展開する企業や、同国と貿易・輸送を行う関連部門(経営、総務、調達等)において、燃料価格の高騰に伴う輸送コストの増加、インフレによる現地需要の変化、および抗議活動等による物流・サプライチェーンの混乱リスクが生じる可能性があります。
対応すべきこと
- ボリビアにおける燃料価格の市場移行および関連法案の審議動向を公式出典等で継続確認する
- 現地法人やサプライチェーンにおける物流・コストへの影響を評価し、関係部門へ共有する
- 社会不安や抗議デモが発生した際の現地従業員の安全確保策や代替ルートの検討を行う
対象部門: 経営者 総務 法務 広報 経理
対応期限:施行日まで
基本データ
| 企業・団体 | ボリビア政府 |
|---|---|
| 業界 | エネルギー・環境・製造 |
| 発表日 | 2026-09-17 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年09月17日
ボリビア政府は9月10日、IMFとの間で合意した支援プログラム(注)の主要内容を示す「経済・財政政策覚書」を公表し、2027年から燃料補助金を完全廃止する方針を明らかにした。2027年予算には燃料補助金を計上せず、2027年1月から国内燃料価格を市場価格ベースへ移行する。
背景には、深刻な財政状況の悪化と外貨不足がある。ボリビアでは約20年間にわたり左派政権の下で燃料補助金や社会支出が拡大してきたが、近年は主要な外貨獲得源である天然ガスの生産減少により、外貨収入が落ち込んだ。その結果、2025年の財政赤字はGDP比11%、公的債務はGDP比80%超に達した。加えて、燃料補助金のコスト増加によって財政赤字がさらに拡大する一方、天然ガス輸出による外貨収入が減少する中でも、燃料輸入や対外債務の支払いなどには外貨が必要であり、その不足を補うため中央銀行が外貨準備を取り崩してきた。このため、外貨準備高も大幅に減少した。これにより、国内ではガソリンやディーゼルなどの供給不足も慢性化している。
2025年11月に就任したロドリゴ・パス大統領は、マクロ経済の安定化を優先課題に掲げ(2025年12月22日記事参照)、2025年末から燃料補助金の段階的な見直しを進めてきた。政府は今回の燃料補助金廃止に加え、公務員給与総額の抑制や公共投資の見直しなどを通じて財政再建をさらに進め、財政赤字を2026年にGDP比9.1%、2027年に6.4%へ縮小し、中長期的には2031年に2%程度まで引き下げることを目指している。IMFは今回ボリビア政府と合意した支援プログラムについて、持続可能な成長を支援するものであり、世界銀行や米州開発銀行(IDB)などから総額50億ドル超の追加融資を呼び込む見通しとしている。
一方、燃料補助金の廃止に伴う燃料価格上昇は、食料品価格や輸送コストを押し上げ、国民生活への影響が懸念される。2025年末の燃料価格引き上げ時には、労働者団体や運輸業・鉱業関係者、一般市民らによる全国規模の抗議デモや道路封鎖が発生した(2025年12月23日記事参照)。ボリビア政府も、今回の燃料価格改革が新たなインフレ圧力を生み、社会的不満の再燃を招くリスクがあると認識しており、こうした影響を抑えるため低所得層への社会扶助の拡充や、必要に応じたIMFとの協議による追加対応措置を講じる方針を示している。
(注)IMFの拡大信用供与措置(Extended Fund Facility)に基づく36カ月の支援プログラム。融資規模は約19億ドルに相当する。内容は既にIMFとの間で合意されており、関連する融資承認法案はボリビア議会に提出され、審議が進められている。
(山中真菜)
(ボリビア)
ビジネス短信 9df9295001dd9933
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ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース
ボリビア、2027年から燃料補助金を完全廃止、財政再建を本格化
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/09/9df9295001dd9933.html
時系列
- 2025-11-01 ロドリゴ・パス大統領が就任し、マクロ経済の安定化を優先課題に掲げた
- 2025-12-22 マクロ経済安定化に向けた取り組みについて記事が掲載された
- 2025-12-23 燃料価格引き上げ時に全国規模の抗議デモや道路封鎖が発生した
- 2026-09-10 ボリビア政府がIMFとの支援プログラムの主要内容を示す「経済・財政政策覚書」を公表した
- 2026-09-17 ジェトロがボリビアの燃料補助金完全廃止方針に関するビジネス短信を公開した
- 2027-01-01 国内燃料価格を市場価格ベースへ移行する予定(燃料補助金を完全廃止)
主な数値
| 2025年財政赤字(GDP比) | 11% |
|---|---|
| 2025年公的債務(GDP比) | 80%超 |
| 2026年財政赤字目標(GDP比) | 9.1% |
| 2027年財政赤字目標(GDP比) | 6.4% |
| 2031年財政赤字目標(GDP比) | 2%程度 |
| 世界銀行や米州開発銀行(IDB)などからの追加融資見通し | 50億ドル超 |
| IMF支援プログラムの期間 | 36カ月 |
| IMF支援プログラムの融資規模 | 19億ドル相当 |
この事例から確認すべきポイント
ボリビアにおける2027年の燃料補助金完全廃止および市場価格移行は、同国の深刻な財政赤字と外貨不足を是正するための構造改革の一環である。しかし、燃料価格の上昇は輸送コストや食料品価格を直結して押し上げるため、現地で事業を展開する企業や輸出入に関わる実務者にとっては、インフレ圧力や物流への影響、さらには社会不安・抗議活動にともなうサプライチェーンの混乱リスクを注視する必要がある。広報・リスク管理部門としては、現地の最新動向や治安状況、政府の追加支援措置の有無を継続的にモニタリングし、現地拠点や関連取引先との連携を密にする体制が求められる。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-09-17 / 最終確認: 2026-09-18
執筆・確認主体
この記事は、上記の公式出典を一次情報として PRaze編集部(株式会社スキルマーク)が構造化・要約したものです。 要約と分類の生成にはAIを使用しています。
数値・日付・組織名・金額は公式発表の原文から転記しており、 原文に記載のない事項を補って書くことはしていません。 内容の正確性は公式出典をご確認ください。
編集・公開: PRaze編集部(株式会社スキルマーク) / 出典確認日: 2026-09-18
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