米商務省、CHIPSプラス法で量子分野5社への助成を最終確定
この発表の要点
- 米商務省(NIST)がCHIPSプラス法に基づき量子分野5社との最終助成契約を締結
- リゲッティ、ディーウェイブ、クオンティニュアム、サイクオンタムの4社へ各最大1億ドル、グローバルファウンドリーズへ最大3億7,500万ドルを助成
- NISTのシステム更新に伴い、プロジェクト申請は2026年9月15日に一時停止し、11月に再開予定
企業・自治体への影響
IT・ソフトウェアおよび製造業関連の企業・事業部門において、米国の量子コンピューティング分野における政策動向や補助金・インセンティブの配分状況を把握する上で影響がある。
対応すべきこと
- 公式出典やNISTのシステム更新情報を確認し、プロジェクト公募のスケジュールを把握する
- 米国政府の先端技術投資やサプライチェーン動向に関する最新情報を関係部門へ共有する
対象部門: 経営者 総務 法務 経理
対応期限:公募締切まで
基本データ
| 企業・団体 | 米国商務省(国立標準技術研究所:NIST) |
|---|---|
| 業界 | IT・ソフトウェア |
| 発表日 | 2026-09-10 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年09月10日
米国商務省傘下の国立標準技術研究所(NIST)は9月8日、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づき、米国の量子コンピューティング関連企業のリゲッティ、ディーウェイブ、クオンティニュアム、サイクオンタムの4社に対し、各社最大1億ドル、グローバルファウンドリーズに対して最大3億7,500万ドルの研究開発支援に関する最終助成契約を締結したと発表した。
今回の助成の最終確定に先立ち、商務省は5月21日にこれら4社などと意向書を締結していた(2026年5月22日記事参照)。なお、5月の発表によれば、各社が今回の助成を受けるためには、商務省が当該企業の少数株式(非支配株)を取得することが条件とされていた。契約を締結した各社の研究開発内容と助成額は次のとおり。
リゲッティ(Rigetti):次世代の超伝導量子コンピューティング技術およびアーキテクチャの開発・拡張に向けた研究開発に最大1億ドル。
ディーウェイブ(D-Wave):アニーリング型およびゲート型の超伝導量子コンピューティングの研究開発に最大1億ドル。
クオンティニュアム(Quantinuum):耐故障性(フォールトトレラント)を備えたトラップイオン型量子コンピュータのスケールアップに向けた研究開発に最大1億ドル。
サイクオンタム(PsiQuantum):フォトニック量子コンピューティングの技術的課題の解決に向けた研究開発に最大1億ドル。
グローバルファウンドリーズ(GlobalFoundries):複数の量子コンピュータ向けアーキテクチャやモダリティに対応する、安全な国内量子製造施設の設立に向けた研究開発などに3億7,500万ドル。
リゲッティのスボード・クルカルニ最高経営責任者(CEO)は、NIST発表と同日の同社の発表で、「当社の研究開発によって量子システムの構築に必要な時間とコストを削減することで、米国の研究者が大規模量子コンピュータをより早く利用できるようになり、米国の量子コンピューティング・エコシステムの強化につながる」と述べた。また、ディーウェイブのアラン・バラッツCEOは、同日の同社の発表で、「政府は、米国が量子分野で主導権を維持するためには、画期的な研究だけでなく、これら技術を拡大、商業化、製造する能力も不可欠であることを明確に示している」とし、今回の助成はこれらの目標達成に貢献するものであると述べた(注1)。
NISTは2025年9月から、CHIPSプラス法の下で量子技術のほか先端半導体や人工知能(AI)などの研究開発プロジェクトを公募しており(2025年9月30日記事参照)、今回の発表はこれに基づく。プロジェクトの申請は2029年9月30日まで受け付けている(注2)。
(注1)トランプ政権は重要産業に関し、国内投資を進めるとともに、同盟国・有志国とのサプライチェーン強靭(きょうじん)化や国際的なエコシステム構築にも取り組んでいる。詳しくは、2026年2月6日付地域・分析レポート参照。
(注2)申請は2026年9月15日をもって、NISTのシステム更新に伴い一時的に受け付けを停止する予定。公募は2026年11月に再開され、新たな申請手続きの案内が公表される見込み。
(清野華蓮)
(米国)
ビジネス短信 c11805a8418cbc05
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米商務省、CHIPSプラス法で量子分野5社への助成を最終確定
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/09/c11805a8418cbc05.html
時系列
- 2025-09-01 NISTがCHIPSプラス法の下で量子技術や先端半導体等の研究開発プロジェクトの公募を開始
- 2026-05-21 商務省が対象企業4社などと意向書を締結
- 2026-09-08 NISTがリゲッティ、ディーウェイブ、クオンティニュアム、サイクオンタム、グローバルファウンドリーズの5社との最終助成契約締結を発表
- 2026-09-15 NISTのシステム更新に伴い申請受付を一時的に停止予定
- 2026-11-01 公募再開および新たな申請手続きの案内が公表される見込み
主な数値
| リゲッティ助成額 | 1億ドル |
|---|---|
| ディーウェイブ助成額 | 1億ドル |
| クオンティニュアム助成額 | 1億ドル |
| サイクオンタム助成額 | 1億ドル |
| グローバルファウンドリーズ助成額 | 3億7,500万ドル |
| プロジェクト申請期限 | 2029-09-30日 |
この事例から確認すべきポイント
本事例は、米国政府がCHIPSプラス法を活用し、量子コンピューティング分野の主要企業に対する大型の研究開発支援を最終確定させたものである。米国市場における量子技術のサプライチェーン強靭化や国内製造基盤の構築が急ピッチで進められていることが示されている。実務上は、米国政府の先端技術分野における資金動向や、関連するサプライチェーンへの影響、また継続中のプロジェクト公募(一時停止期間を含む)のスケジュールを把握し、自社の事業戦略や政府系ファンド・補助金活用の動向に照らして情報収集を行うことが求められる。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-09-10
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