経済・産業トレンド 合意締結(国内外で議論・批判継続中)

米国とベネズエラのエネルギー協定、ベネズエラの経済学者や野党は批判

2026年8月28日に発表された米国とベネズエラのエネルギー協定を巡り、ベネズエラの経済学者や野党勢力から秘密主義や憲法上の正当性を問う批判が上がっている。一方、両国政府高官や産業界は未開発埋蔵量の現金化や経済活性化の機会として協定を擁護しており、中国との石油協定への影響も議論されている。

この発表の要点

企業・自治体への影響

エネルギー関連企業や国際貿易・投資を手掛ける企業・部門において、地政学リスク、サプライチェーンの変更、および法的・財務的リスクの変動に関する情報収集が必要となる場合があります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 総務 法務

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 日本貿易振興機構(ジェトロ)
業界 エネルギー・資源
発表日 2026-09-10
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年09月10日

8月28日に合意が発表された米国とベネズエラのエネルギー協定(2026年9月2日記事参照)について、ベネズエラの経済学者や野党勢力らは今回の協定締結に関して、その秘密主義や憲法上の正当性について批判している。UBS銀行のアナリストは8月31日、法的・財務的なリスクや、運営権限が単一の企業に集中すること、そしてデルシー・ロドリゲス氏が大統領代行という立場でありながら数十年にわたり国の資源を拘束する権限を持つことへの懸念を指摘した(「ビタコラ・エコノミカ」紙8月31日)。また、経済学者のレオナルド・ベラ氏は9月3日、運営権限が単一の企業に集中することへの懸念を表明した(「エル・パイス」紙9月3日)。野党指導者のマリア・コリーナ・マチャド氏や経済学者のフランシスコ・ロドリゲス氏も同日、この協定が透明性や確固たる制度を欠いたまま策定されたと非難している(「エル・ピタソ」紙9月3日)。さらに、ドナルド・トランプ大統領が今回の協定締結を受けて、「米国がベネズエラの石油埋蔵量について多数支配を得る」と発言したことについても、ベネズエラ憲法で規定されている地下資源は国家に帰属する点との矛盾が指摘されている。さらに、今回の合意で油田開発権が付与されたノース・アメリカン・ブルー・エナジー・パートナーズ(NABEP)の代表を務めるアレハンドロ・ベタンコート氏が、チャベス政権時代の不透明な契約に関与し、過去にマネーロンダリングの疑いで捜査を受けた実業家であることも物議を醸している。

対照的に、ベネズエラの政府高官、国民議会の与党多数派、ベネズエラ中小石油産業協会(Petropymi)などの産業界を含む、この協定の支持者たちは、未開発の埋蔵量を現金化し、経済を活性化させ、社会的投資の財源とする機会であると擁護している。ベネズエラのパウラ・エナオ炭化水素相や米国エネルギー省(DOE)のクリス・ライト長官といった両国の政府高官らは、油田の所有権は引き続き国家に帰属し、利益は国民に直接還元されると主張しており、21世紀末までに1日当たり200万バレルを超える生産を見込んでいる。

中国との石油協定にも影響か
NABEPと締結された合意には、ベネズエラの国営石油会社(PDVSA)と中国石油化工集団(シノペック)、中国石油天然気集団(CNPC)との合弁企業が運営する油田が含まれているとの指摘がある。この点について、ライト長官は9月2日、「中国はこの新たな石油生産からの収益を得る権利を持たないだろう」と述べた。一方、中国外交部の郭家坤報道官は同日、中国とベネズエラとの経済協力は国際法によって保護されていると述べ、「ベネズエラにおける中国の正当な権利と利益は保護されなければならない」と強調した。

(マガリ・ヨネクラ)

(ベネズエラ、米国、中国)

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米国とベネズエラのエネルギー協定、ベネズエラの経済学者や野党は批判

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/09/733bb830e305c316.html

時系列

主な数値

21世紀末までの想定石油生産量 200万バレル超(1日当たり)

この事例から確認すべきポイント

本件は米国とベネズエラ間のエネルギー協定締結に伴う国内外の反応を報じたものであり、直接的な行政処分や法改正ではない。しかし、特定のエネルギー企業への権限集中や、既存の他国(中国)との合弁事業に対する権利関係の対立など、国際的な資源ビジネスやサプライチェーンに重大な影響を及ぼす要素を含んでいる。エネルギー関連や国際貿易に関与する企業・実務担当者においては、地政学リスクや法的・財務的リスクの変動、さらに関連するパートナー企業の背景などを注視し、情報収集を継続することが求められる。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-09-10

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