中国、信託会社の不動産分野業務に関する弁法を発表、信託資金の用途や管理方法を明確化
この発表の要点
- 国家金融監督管理総局が「信託会社の不動産分野における信託業務管理弁法(試行)の公布に関する通知」を発表
- 信託資金の用途制限やメインバンクでの専用管理口座による管理方法を規定
- 不動産信託業務残高や非標準化資産の割合に関する集中リスク管理制度を導入、2027年3月1日施行
企業・自治体への影響
中国国内で不動産分野の信託業務や関連投資を行う金融機関や不動産企業に対し、資金管理の厳格化やリスク管理比率の遵守が求められ、事業スキームや資金調達・運用体制の見直しが必要となる。
対応すべきこと
- 公式出典で自社の事業や投資スキームに本弁法が該当するか確認する
- 関係部門へ本弁法の規制内容を共有し、資金用途やリスク管理体制の影響を評価する
- 2027年3月1日の施行日に向けた対応スケジュールを管理する
対象部門: 経営者 総務 法務 経理
対応期限:施行日まで
基本データ
| 企業・団体 | 国家金融監督管理総局 |
|---|---|
| 業界 | 金融・不動産 |
| 発表日 | 2026-09-09 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年09月09日
中国の国家金融監督管理総局は8月28日、「信託会社の不動産分野における信託業務管理弁法(試行)の公布に関する通知」を発表した。本弁法は、信託会社が不動産分野における業務を行う際の信託資金の用途や、リスク管理の方法について規定している。2027年3月1日から施行される。
本弁法は、不動産分野における信託業務を資産管理信託と資産サービス信託(注1)に分類するほか、投資対象についても標準化資産と非標準化資産(注2)に分類した。また、信託会社に対し内部で案件管理者制度を確立し、「1案件につき1担当者」を指定するよう求めた。なお、案件管理者制度における責任者は、不動産の事業運営モデルや、関連法令および監督規則に関する知識を持つほか、不動産の開発・運営管理、融資、法務などの関連分野における実務経験を有することが求められるとした。
信託資金の用途については、資金を不動産開発案件に用いる場合、案件実施企業が直接融資および資金の使用主体になる必要があるとした上で、当該案件以外の用途に資金を転用することを禁止した。また、信託会社は、案件実施企業に対する資金管理を強化し、運転資金への転用、土地譲渡金の納付、土地収用などの事前手続き、開発案件と関係のない支払いなどに資金を用いてはならないとした。
案件向けに拠出された信託資金は、信託会社と案件実施企業の合意の上で、当該案件のメインバンクで管理するとした(注3)。管理方法は、メインバンクにおいて案件名義の専用管理口座を開設し、契約により運営ルールを定めるものとした。なお、信託会社とメインバンクは、案件実施企業が提出した資金使用申請および関連証憑(しょうひょう)を審査・承認した上で、メインバンクより承認金額・用途に基づいて資金を拠出する。
リスク管理については、(1)不動産信託業務残高を信託業務実収規模(実際に受け入れた信託財産の規模)の5%以下に抑える、(2)単一不動産企業(グループ)向けの不動産信託業務残高を不動産信託業務残高の20%以下に抑える、(3)非標準化資産による不動産信託業務残高を不動産信託業務残高の50%以下に抑える、集中リスク管理制度を設けた。
(注1)資産管理信託は、委託者から集めた資金を運用し、収益管理を目的とする信託を指す。資産サービス信託は、資産を預かった上で、委託者のニーズに応じ、管理・決済などのサービスを提供する信託を指す。
(注2)標準化資産は、信託会社が不動産業向けに投資する標準化債権資産、株式ならびに関連する法令および監督管理規定に基づき標準化資産と認定されるその他の資産を指す。非標準化資産は、標準化資産以外の不動産関連資産を指し、非標準化債権資産、未上場株式(持ち分)、物権などを含む。
(注3)国家金融監督管理総局などは8月28日、商品住宅開発や商業用不動産を対象とした融資におけるメインバンク制の採用を発表している(2026年9月4日記事参照)。
(西島和希)
(中国)
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中国、信託会社の不動産分野業務に関する弁法を発表、信託資金の用途や管理方法を明確化
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/09/092b4c85e7ae8ff7.html
時系列
- 2026-08-28 国家金融監督管理総局が「信託会社の不動産分野における信託業務管理弁法(試行)の公布に関する通知」を発表
- 2027-03-01 「信託会社の不動産分野における信託業務管理弁法(試行)」の施行日
主な数値
| 不動産信託業務残高の制限比率 | 5%以下 |
|---|---|
| 単一不動産企業(グループ)向けの不動産信託業務残高の制限比率 | 20%以下 |
| 非標準化資産による不動産信託業務残高の制限比率 | 50%以下 |
この事例から確認すべきポイント
中国の国家金融監督管理総局による本弁法の発表は、信託会社の不動産分野における業務リスクを抑制し、資金の適正管理を徹底することを目的としている。資産管理信託と資産サービス信託への分類、標準化・非標準化資産の区分、案件管理者制度の導入や集中リスク管理制度の数値目標の設定など、規制が多岐にわたる。中国市場で不動産関連の信託業務や投資を行う企業においては、施行日である2027年3月1日を見据え、資金用途の適正化やメインバンク管理への対応など、法令遵守体制の点検と実務上の影響確認が重要となる。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-09-09
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