トランプ米政権、対カナダ追加関税の対象を拡大、一部製品は輸入禁止に
この発表の要点
- 1930年通商拡大法338条に基づく対カナダ追加関税の対象に紙・パルプや鉄鋼・アルミ建材など110品目が追加され、2026年9月15日以降に適用される。
- 2026年9月29日以降、カナダ産アルコール飲料やホエイプロテイン濃縮物、大型バイク・電動式自転車等の輸入が禁止される。
- 500億ドル規模のカナダ産製品が多数供給者契約制度(MAS)から除外されるよう指示されている。
企業・自治体への影響
製造業、貿易・物流業、および北米向けにサプライチェーンを持つ企業に対し、追加関税のコスト負担や輸入禁止による調達停止、連邦調達プログラムへの影響が生じる可能性がある。
対応すべきこと
- 自社取扱製品や調達部素材が追加関税の対象110品目または輸入禁止品目に該当するか公式出典を確認する
- 北米サプライチェーンにおけるコスト試算および調達先の見直しを検討する
- 関係部門へ最新の関税措置および輸入禁止スケジュールを共有する
対象部門: 経営者 総務 法務 経理
対応期限:施行日まで
基本データ
| 企業・団体 | 米国政府(ドナルド・トランプ大統領) |
|---|---|
| 業界 | 製造・貿易 |
| 発表日 | 2026-09-09 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年09月09日
米国のドナルド・トランプ大統領は9月8日、1930年通商拡大法338条に基づく対カナダ追加関税措置(2026年8月24日記事参照)の対象品目を拡大すると発表した(注1)。9月15日午前0時1分(米国東部時間)以降に輸入された、または消費のため保税倉庫から出された製品が対象となる。併せて、カナダによる米国産自動車、乳製品、アルコール飲料(注2)に対する差別的な措置への対抗措置として、9月29日午前0時1分以降、カナダ産アルコール飲料(注3)、ホエイプロテイン濃縮物や糖蜜、大型バイクや電動式自転車〔米国関税分類番号(HTSコード):8711.50.00〕の輸入を禁止すると発表した(注4)。カナダ政府が9月8日から米国原産の一部輸入品に対し、15%、25%、50%の追加関税を発動したことを受けての対抗措置とされる(2026年9月9日記事参照)。
今回の措置で新たに338条関税対象として追加されたのは、紙・パルプ製品、鉄鋼・アルミ建材、家具・寝具、チーズ、皮革、ボートなど110品目に及ぶ。また、1962年通商拡大法232条に基づいて関税を課している製品の場合、232条関税に上乗せして338条に基づく関税が課される。一方、塩、ポルトランドセメント、糖類、ティッシュペーパー、精製鉛、配電盤などの品目は、追加関税対象から除外された。
これに加え、米国通商代表部(USTR)によるとトランプ大統領は、USTRおよび米国政府一般調達局(GSA)に対し、500億ドル規模のカナダ産製品を多数供給者契約制度(MAS、注5)から除外するよう指示しているという。
(注1)米国政府は、カナダ政府による米国産自動車およびアルコール飲料への差別的な措置への対抗措置として、それぞれ追加関税措置を発表している。詳細は、ホワイトハウス発表の「自動車に対する追加関税措置」および「アルコール飲料に対する追加関税措置」から確認できる。
(注2)カナダでは米国関税措置に対抗して、サスカチェワン州、アルバータ州、ノースウェスト準州を除く10州・準州で米国産アルコール飲料の販売が停止されている(9月9日時点)。
(注3)主にボトルや缶など消費者向けに包装されたアルコール飲料が対象となる。なお、ノンアルコールビール(2202.91.00)については、乳製品への差別的な措置への対抗として輸入禁止となった。
(注4)米国政府による輸入禁止措置の詳細は、ホワイトハウス発表の「アルコール飲料に対する輸入禁止措置」「自動車に対する輸入禁止措置」「乳製品に対する輸入禁止措置」から確認できる。
(注5)GSAが管理する米連邦政府で最大規模の集中調達プログラム。複数の政府機関が共通して必要とする市販の製品やサービスを、多数の民間ベンダーから直接購入できる仕組み。
(安東利華)
(米国、カナダ)
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トランプ米政権、対カナダ追加関税の対象を拡大、一部製品は輸入禁止に
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/09/bbd1d75e10bbdf9a.html
時系列
- 2026-09-08 米国のドナルド・トランプ大統領が対カナダ追加関税対象の拡大および輸入禁止措置を発表
- 2026-09-15 午前0時1分(米国東部時間)以降に輸入または保税倉庫から出された製品に対する追加関税措置の適用開始
- 2026-09-29 午前0時1分(米国東部時間)以降のカナダ産特定品目の輸入禁止措置の適用開始
主な数値
| 追加関税対象品目の追加数 | 110品目 |
|---|---|
| 多数供給者契約制度(MAS)からの除外対象規模 | 500億ドル |
| カナダの追加関税率(一部輸入品) | 15, 25, 50% |
この事例から確認すべきポイント
本発表は、米加両国間における関税引き上げおよび報復措置の連鎖を示すものである。製造業、貿易、流通業をはじめ、北米サプライチェーンに関与する企業にとっては、対象110品目の追加関税や一部製品の輸入禁止、連邦政府調達プログラムからの除外(500億ドル規模)といった広範な規制強化が直接的なビジネスリスクとなる。実務上は、自社が扱う部素材や製品が新関税や輸入禁止の対象に該当するかどうかを速やかに確認し、調達先の見直しやコスト試算を行うことが求められる。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-09-09
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