経済・産業トレンド

米オハイオ州でSBエナジー・エヌビディア・オープンAIが協業内容を発表

SBエナジー、エヌビディア、オープンAIの3社は、米国オハイオ州のAIインフラプロジェクト「ポーツ・パイク・テクノロジーキャンパス」での協業を発表した。エヌビディアはAI計算基盤の提供とSBエナジーへの15億ドル出資を行い、オープンAIは20年間で約8GWのIT負荷容量を確保する。2028年の段階的稼働開始を予定し、大規模な雇用創出や地域振興基金の拠出も計画されている。

この発表の要点

企業・自治体への影響

経営企画部門やIT・エネルギー関連部門において、グローバルなAIインフラ投資の巨大化と電力確保の動向を把握する上で重要な事例となる。直接的な法規制の変更等はないが、AI・エネルギー関連産業における市場環境やサプライチェーンへの影響を注視する必要がある。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 総務 法務 広報

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 日本貿易振興機構(ジェトロ)
業界 IT・ソフトウェア / エネルギー / 製造
発表日 2026-08-24
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年08月24日

ソフトバンクグループ傘下で米国において発電事業を行うSBエナジー、半導体大手の米エヌビディア(NVIDIA)、生成人工知能(AI)の米オープンAIの3社は8月17日、米国オハイオ州パイク郡で開発が進むAIインフラプロジェクト「ポーツ・パイク・テクノロジーキャンパス(PORTS-Pike Technology Campus)」での協業内容を発表した。エヌビディアは、同拠点にGPU(画像処理装置)やCPU(中央演算処理装置)、ネットワーク機器などAI計算基盤を提供するとともに、SBエナジーへ15億ドルを出資する。オープンAIは20年間にわたり約8ギガワット(GW、注)のIT負荷容量(IT機器向けの電力容量)を確保することで合意した。

ポーツ・パイクは米エネルギー省(DOE)の旧ウラン濃縮施設跡地およびその周辺地域で、本プロジェクトについて、DOEと米商務省、電力会社AEPオハイオ、ソフトバンクグループおよびSBエナジーが2026年3月、オハイオ州パイク郡で大規模発電設備とAIインフラを整備する計画を発表していた。同計画は、日米両政府が2026年2月に発表した対米投資の第1陣プロジェクト(2026年2月18日記事参照)の一環だ。10GWの新規発電設備(うち9.2GWは天然ガス火力)と10GW級データセンターの開発に加え、42億ドルを投じた送電網整備を進める。送電網整備の費用は地域の電力利用者に転嫁せず、余剰の発電・送電能力を地域送電網へ供給し、電力価格の抑制に寄与するとしていた。

同プロジェクトでは、閉ループ型の空冷式冷却システムを採用し、水使用量を抑える方針が示された。あわせて、雇用や地域投資、エネルギー・水使用量の年次報告書を公表するとしている。

建設期間中に約3万5,000人の雇用、運営開始後に約2,500人の長期雇用が見込まれる。また、SBエナジーが地域振興策として表明済みの4,000万ドルの基金に加え、オープンAIも4,000万ドルを拠出する。両社は学校や職業訓練、医療、住宅、公的サービスなど、地域住民の優先事項に沿って支援するとしている。計画は2028年から段階的な稼働開始を予定している。

エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は「AIはあらゆる産業を支えるインフラになりつつあり、土地・電力・建屋はAI時代の重要資源になった」と述べた。オープンAIのサム・アルトマンCEOも「この拠点は非常に大規模なものになる。新薬の発見から起業、困難な課題の解決まで、何百万人もの人々がAIを活用できるだけの計算能力を備えることになる」と述べた。SBエナジーのリッチ・ホスフェルド共同CEOは、「地域の電力利用者を保護しながら、数万人規模の高賃金雇用を創出し、南部オハイオの活性化に向けたインフラ投資を進めている」と述べた。

(注)GWとは電力の単位。なお、米国の一般的な原子力発電所1基の発電能力は約1GWとされる。

(坂井愛子)

(米国)

ビジネス短信 d6148c73c513a04c

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米オハイオ州でSBエナジー・エヌビディア・オープンAIが協業内容を発表

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/d6148c73c513a04c.html

時系列

主な数値

エヌビディアのSBエナジーへの出資額 15億ドル
オープンAIのIT負荷容量確保期間 20年間
オープンAIの確保するIT負荷容量 約8GW
新規発電設備の規模 10GW
新規発電設備のうち天然ガス火力の規模 9.2GW
データセンターの開発規模 10GW級
送電網整備の投資額 42億ドル
建設期間中の雇用見込み 約35,000人
運営開始後の長期雇用見込み 約2,500人
SBエナジーの地域振興策としての基金表明額 4,000万ドル
オープンAIの地域振興策としての拠出額 4,000万ドル

この事例から確認すべきポイント

本発表は、生成AIの急速な普及に伴い不可欠となっている大規模な電力供給とAI計算基盤の確保に向けた、ビッグテック企業・エネルギー事業者による巨額の協業実態を示している。広報および経営企画部門においては、AIインフラ投資の動向やエネルギー調達の制約がグローバルな産業競争力に与える影響を注視する必要がある。また、地域社会への還元策(雇用創出や地域振興基金)がプロジェクト推進の重要な条件となっている点は、大規模インフラ開発におけるステークホルダーマネジメントの参考事例となる。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-08-24

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