第32回過労死等防止対策推進協議会 議事録
この発表の要点
- 令和7年の週60時間以上労働している雇用者割合は7.7%で緩やかに減少。
- 労働者50人未満の小規模事業場における令和6年のストレスチェック実施割合は33.5%。
- 労働者50人未満の小規模事業場へのストレスチェック義務化が令和10年4月から施行予定。
企業・自治体への影響
全業種の企業・事業場において、特に小規模事業場では令和10年4月に迫るストレスチェック義務化への対応や、精神障害・メンタルヘルス不調を防ぐ職場環境改善が求められる。人事・労務部門におけるハラスメント防止や労務管理体制の強化が必要となる。
対応すべきこと
- 自社の労働時間状況を確認し、週60時間以上労働者の削減や勤務間インターバル制度の導入検討を進める。
- 50人未満の事業場においては、令和10年4月のストレスチェック義務化に向けた実施体制の整備計画を立てる。
- ハラスメント防止措置の徹底や、メンタルヘルス対策(「こころの耳」等の活用)を総務・人事部門で共有する。
対象部門: 総務 人事
対応期限:施行日まで
基本データ
| 企業・団体 | 厚生労働省 |
|---|---|
| 業界 | 行政・公務 |
| 発表日 | 2026-06-05 |
| 分類 | 統計・調査データ |
| 地域 | 東京都 |
発表された内容
令和8年6月5日(金) 10:00~12:00
場所
厚生労働省 専用22~24会議室(中央合同庁舎5号館18階)
東京都千代田区霞ヶ関1-2-2
出席者
専門家委員
岩井羊一委員、江口尚委員、木村恵子委員、清山玲委員、玉木一成委員、中窪裕也委員、西賢一郎委員
当事者代表委員
工藤祥子委員、小池江利委員、髙橋幸美委員、渡辺しのぶ委員
労働者代表委員
薄田綾子委員、菅村裕子委員、永渕達也委員
使用者代表委員
神尚武委員、清田素弘委員、笠井清美氏(鈴木重也委員の代理)
議題
過労死等の防止対策の実施状況及び今後の取組について
議事
議事内容
○中窪会長 定刻となりましたので、ただいまから第32回「過労死等防止対策推進協議会」を開催させていただきます。
委員の皆様におかれましては、御多用中にもかかわらず、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
本日は、木村委員、清山委員、工藤委員、清田委員の4名がオンラインでの御出席となっております。
また、専門家委員の戎野委員、労働者委員の原委員、使用者代表の田上委員、鈴木委員が御欠席と伺っております。
なお、鈴木委員の代理としまして、一般社団法人日本経済団体連合会労働法制本部統括主幹の笠井様に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。
本日は、会場にお越しの委員につきましてはタブレットにより、オンラインで御参加の委員につきましては事前にお送りした資料により御議論いただくことになっております。タブレットの操作等で問題が生じた場合には、随時職員をお呼びください。
初めに、委員の御紹介となりますが、全体資料の120ページに参考資料1として名簿がございますので、御覧ください。本日付で委員の異動がございましたので、御紹介いたします。
労働者代表委員の冨髙裕子委員が退任され、後任に菅村裕子委員が就任されております。
また、使用者代表委員の佐久間一浩委員が退任され、後任に田上宏運委員が就任されております。
それでは、新しく委員になられた方のうち、本日御出席いただいております労働者代表委員の菅村委員から、一言御挨拶をお願いいたします。
○菅村委員 御紹介ありがとうございます。日本労働組合総連合会の菅村と申します。積極的に議論に参画してまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○中窪会長 ありがとうございます。
それから、事務局に異動があったということですので、御紹介をお願いいたします。
○企画官 前回の協議会以降、事務局に異動がございましたので、御紹介いたします。
まず、労働基準局補償課長の大屋です。
○補償課長 大屋でございます。よろしくお願いします。
○企画官 続きまして、労働基準局安全衛生部労働衛生課長の諸冨です。
○労働衛生課長 諸冨です。よろしくお願いいたします。
○企画官 事務局紹介は以上です。
○中窪会長 ありがとうございます。
それでは、カメラの撮影につきましてはここまでとさせていただきますので、御協力のほど、よろしくお願いいたします。
(カメラ退室)
○中窪会長 それでは、本日の議題「過労死等の防止対策の実施状況及び今後の取組について」、厚生労働省、人事院、内閣人事局、総務省、文部科学省の順に御説明いただき、その後、一括して質問等の時間を設けたいと思います。委員からの発言をできるだけ多くいただきたいと思いますので、事務局の説明は簡潔にお願いいたします。
それでは、厚生労働省から順次説明をお願いいたします。
○企画官 厚生労働省です。厚生労働省からは、資料1、資料2、資料7及び資料8について説明いたします。
まず、通し番号1ページ目を御覧ください。なお、通し番号というのは右下ではなく資料の中央下に印刷されている数字となっております。御確認をお願いします。
資料1は、令和7年度の過労死等防止対策の主な取組に関する資料となります。通し番号3ページの上のグラフを見ていただければと思います。週60時間以上労働している雇用者割合の経年変化ですが、令和7年は7.7%で全体的に緩やかに減少しております。下のグラフは業種別の令和5年から令和7年の3か年の割合を表したものになります。3か年とも運輸業、郵便業が最も多くなっておりますが、5年から7年にかけて減少しております。
通し番号4ページを御覧ください。左側の勤務間インターバル制度について、制度を導入している企業割合は増加傾向にございますが、目標の15%とはまだ乖離しております。
次に、通し番号5ページを御覧ください。メンタルヘルスに取り組む事業場の割合、小規模事業場におけるストレスチェックの実施割合などの数値を載せております。労働者数50人未満の小規模事業場における令和6年のストレスチェックの実施割合は33.5%であり、目標達成に向け施策等の一層の推進を図ってまいります。
通し番号6ページは、大綱に基づく委託事業についてでございます。①の過労死等防止対策推進シンポジウムは、11月の過労死等防止啓発月間を中心に全国47都道府県48会場で開催しております。過労死遺児交流会は毎年1回開催し、令和4年度からは遺児のための相談室も設けてございます。③の中学生・高校生等への講師派遣事業につきましては、家族の会、労働問題に関する有識者の皆様の御協力を得ながら、また、文部科学省とも連携をして、より多くの生徒等を対象とできるように今年度も引き続き積極的に取組を進めていく予定としております。
通し番号7ページを御覧ください。調査研究については、現在、労働安全衛生総合研究所において進められております。これらの調査研究の成果につきましてはポータルサイトで発信するとともに、過労死白書でも活用して引用して紹介させていただいております。
通し番号8ページからは、啓発の取組関係です。9ページの自動車運転従事者に関する取組として、構造的な問題に対処するため、業法を所管しておられる国土交通省と厚生労働省が連携し、トラック・物流Gメン及び荷主特別対策担当官等による荷主への働きかけなどを実施しております。
通し番号9ページの建設業につきましても業法を所管している国土交通省との連携の強化を図っており、長時間労働改善、適正な工期、請負代金の設定等について、厚生労働省と国土交通省との連名で工事発注者等に要請を行っております。
続いて、通し番号11、12ページを御覧いただければと思います。こちらは医師・医療従事者に対する取組内容となっております。適切な労務管理を図るため、「いきいき働く医療機関サポートWeb」等による周知、医療勤務環境改善支援センターによる相談・助言・支援等を実施しております。
通し番号13ページ、こちらは働き方改革支援助成金による中小企業事業主への支援のポンチ絵を載せております。14ページは産業保健活動総合支援事業によるメンタルヘルス対策、15ページは研修等の実施、メンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」による取組内容、また、労働者50人未満の小規模事業場へのストレスチェック義務化が令和10年4月から施行されること等について掲載してございます。
通し番号16ページはハラスメント防止対策、17ページはシンポジウム等による啓発、18ページは各種相談事業の実施について紹介しております。
資料1については以上です。
続きまして、通し番号19ページ、資料2を御覧ください。過労死等労災請求件数等の増加要因分析につきましては、前回、それから前々回の協議会におきまして、過労死等労災補償状況のデータ等を使いまして傾向の分析を行ってまいりましたが、今回の資料では、なぜ増加しているのか、その背景における要因・要素といったものを考察し、一定の整理を行っております。
資料2では、精神障害に係る労災請求件数が増加していること、そしてその中でも特に医療・福祉業において請求件数が増加していること、そして長時間労働者の割合が減少している中、脳・心臓疾患の労災請求件数は緩やかに増加していること、以上3つの項目について考察した結果をまとめてございます。時間の関係から資料内の各グラフ・表に関する詳細説明は割愛させていただき、結論部分のみ御紹介いたします。
まず、1の精神障害の労災請求件数増加につきましては、職場環境の要因、それから職場環境以外の要因、その他要因が複合的に関係しているといったことが考えられます。まず職場環境の要因についてですが、一つは労災決定件数における対人関係、上司トラブルの伸びが大きく、そして、いじめ・嫌がらせ、パワーハラスメントに関する相談件数が令和4年度にかけて増加し、高止まりとなっていること、これらから上司とのトラブル等の対人関係により精神にトラブルを抱える労働者が多数存在しているということ、以上のようなことが考えられますが、その他の要因につきましても引き続き調査を進めていくこととしております。
次に、職場環境以外の要因として考えられるところを挙げております。労災認定基準の改正によりパワハラ、カスハラが追加され、労災請求の増加につながったという点、労働施策総合推進法の改正によるパワハラ防止措置の義務化によりパワハラの社会的認知が高まり、パワハラ被害等を原因とした労災請求件数の増加につながったということ、そして社会全体で見ると、気分障害等の精神疾患の患者数が長期的に増加していること、以上のことが考えられますが、その他の要因についても引き続き調査を進めていくこととしております。
2の医療・福祉業において特に請求件数が増加していることにつきましては、次の要因が複合的に関係し
出典: 厚生労働省
URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75595.html
時系列
- 2026-06-05 第32回過労死等防止対策推進協議会が開催された。
主な数値
| 週60時間以上労働している雇用者割合(令和7年) | 7.7% |
|---|---|
| 労働者数50人未満の小規模事業場におけるストレスチェックの実施割合(令和6年) | 33.5% |
| 労働者50人未満の小規模事業場へのストレスチェック義務化の施行時期 | 2028-04施行 |
この事例から確認すべきポイント
本協議会では、週60時間以上労働者の割合が緩やかに減少する一方で、精神障害等の労災請求件数や医療・福祉業での請求増加、さらに脳・心臓疾患の労災請求の緩やかな増加が報告されています。小規模事業場におけるストレスチェック実施率は依然として低水準であり、令和10年4月の義務化施行に向けた計画的な準備が求められます。企業実務においては、長時間労働の削減のみならず、ハラスメント防止対策やメンタル不調の早期発見体制の構築が喫緊の課題となります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-08-18
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