経済・産業トレンド 法的拘束力なし

欧州委、包装・包装廃棄物規則(PPWR)の「よくある質問」更新版を発表

欧州委員会は8月3日、包装・包装廃棄物規則(PPWR)の「よくある質問(FAQ)」更新版を発表しました。8月12日の適用開始を前に、重金属試験方法、既存包装在庫の取り扱い、執行に関する章が追加・明確化されました。特に、第5条の懸念物質要件、重金属試験方法の推奨、再充填可能なガスシリンダーの特例、既存在庫の流通継続、識別情報の表示義務、適合宣言書の作成単位、法的責任の所在、および執行措置の段階的適用について詳細が示されています。本FAQに法的拘束力はなく、執行は各加盟国当局に委ねられます。

最終確認日: 2026-08-11

この発表の要点

企業・自治体への影響

EU市場で包装材を使用する製造業、小売業、および物流業に影響があります。特に、包装材の設計・製造、製品の表示、サプライチェーン管理、およびコンプライアンス体制の見直しが求められます。既存在庫の取り扱いが明確化された一方で、新規上市製品に対する要件は厳格化されており、企業はこれに対応するための準備が必要です。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 法務 広報

対応期限:施行日まで

基本データ

企業・団体 欧州委員会
業界 小売・EC・製造・運輸・物流
発表日 2026-08-03
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年08月10日

欧州委員会は8月3日、包装・包装廃棄物規則(PPWR、注)の「よくある質問(FAQ)」を更新した。8月12日からの適用開始を前に、3月30日(2026年4月14日記事参照)の第1版から重金属の試験方法や既存在庫の取り扱い、執行に関する章などが追加された。

同日から適用される第5条(包装に含有される物質に関する要件)について、懸念物質要件の強化を踏まえ、現行の整合規格EN13428:2004付属書Cのみでは適合推定は得られないとしていたが、改定規格が整備されるまで同規格を使用できるとした。また、PPWRで規定されていない重金属の試験方法について、CEN report CR13695-1:2000に基づく測定・検証方法を推奨することを初めて明記した。さらに、再充填(じゅうてん)可能なガスシリンダーは、危険物の国際道路輸送に関する欧州協定(ADR)上の安全要件を満たすため、鉛含有部品が必要で代替手段がない場合、重金属上限は適用されず、安全要件が優先されるとの解釈を新たに示した。なお、食品接触包装材におけるPFAS(有機フッ素化合物)濃度上限値への適合を検証するための整合規格は示されなかった。

8月12日までに製造されたものの同日までにEU市場に上市(市場投入)されていない包装在庫については、廃棄、再製造、再ラベル貼付は不要であり、識別情報の表示義務は、添付書類で対応可能と明確化された。同日以前に上市された包装はPPWRに適合していない場合でも引き続き市場流通が認められる。一方、8月12日以降は、個別識別情報や製造者情報を包装に直接表示できない場合に限り、添付書類による対応が認められる。なお、個別識別情報は、適合性確認や市場監視のためのトレーサビリティー確保に必要であることから、シリアル番号など製造ロット単位で識別すれば足り、包装を構成する個々の部材ごとに表示する必要はない。例えば販売包装がカップ、ふた、スリーブなど複数の分離可能な部材から構成される場合でも、代表的な部材に必要な情報を表示すれば要件を満たす。また、適合宣言書(DoC)は個々の構成部材ではなく、包装単位(Packaging Unit)で作成すればよいとした。その場合DoCには、全ての構成部材に関する情報を記載する必要がある。加えて、適合性評価手続きは試験機関など第三者への委託が可能である一方、技術文書の作成責任およびPPWR適合に関する法的責任は製造事業者に残り、契約により他社へ移転できないとした。

執行に関する章も新たに追加され、8月12日以降、PPWRに適合していない包装が直ちにEU市場から排除されるわけではないとした。第62条に基づき、当局はまず対象事業者に違反を通知し、合理的な期限を設け是正措置を求めた上で、是正されない場合に限り、販売禁止、リコール、市場からの撤去といった措置を講じることができると説明。また、市場監視当局は制裁を重視するのではなく、事業者の新規則への適応を支援すべきとの考え方が示された。なお、本FAQ自体に法的拘束力はなく、実際の執行対応は各加盟国当局の運用に委ねられる。

(注)詳細は特集「EU包装・包装廃棄物規則(PPWR)関連情報」参照。

(薮中愛子)

(EU)

ビジネス短信 42a475cc2023a28e

関連情報

dummy

もっと見る

ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース

欧州委、包装・包装廃棄物規則(PPWR)の「よくある質問」更新版を発表

ジェトロ公式SNSアカウント

出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/42a475cc2023a28e.html

時系列

この事例から確認すべきポイント

この更新されたPPWR FAQは、EU市場で事業を展開する、またはEU市場へ輸出する企業にとって、包装材要件の順守および市場監視に関する重要な明確化を提供します。企業は、PPWR第5条の懸念物質要件強化に対応するため、現行規格EN13428:2004の使用継続が認められるものの、改定規格の動向を注視し、重金属試験方法としてCEN report CR13695-1:2000の推奨を認識する必要があります。また、再充填可能なガスシリンダーの特例は、特定の製品カテゴリにおける安全要件と環境規制のバランスを示すものです。既存在庫の取り扱いに関する明確化は、移行期間における企業の負担軽減に寄与しますが、8月12日以降の新規上市製品については、識別情報や製造者情報の表示義務、適合宣言書の作成単位、および法的責任の所在を正確に理解し、対応体制を整備することが不可欠です。執行に関する段階的アプローチは、企業に適応期間を与えるものですが、最終的な法的責任は製造事業者に帰属するため、継続的なコンプライアンス体制の維持が求められます。本FAQ自体に法的拘束力はないものの、加盟国当局の運用指針となるため、その内容を深く理解し、自社の事業活動への影響を評価することが重要です。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-08-10 / 最終確認: 2026-08-11

執筆・確認主体

この記事は、上記の公式出典を一次情報として PRaze編集部(株式会社スキルマーク)が構造化・要約したものです。 要約と分類の生成にはAIを使用しています。

数値・日付・組織名・金額は公式発表の原文から転記しており、 原文に記載のない事項を補って書くことはしていません。 内容の正確性は公式出典をご確認ください。

編集・公開: PRaze編集部(株式会社スキルマーク) / 出典確認日: 2026-08-11

関連事例

自社のプレスリリースをPRazeに掲載しませんか?

無料でプレスリリースを掲載する