高度外国人材の最低給与基準額を月額で約3倍に引き上げ、2027年3月から
最終確認日: 2026-08-08
この発表の要点
- ロシアの高度熟練専門家(HQS)の最低月額給与基準が2027年3月1日から大幅に引き上げられる。
- 現行の四半期75万ルーブルから月額71万7,000ルーブル(特定分野は月額35万8,500ルーブル)となる。
- 新基準を満たせないHQSは、一般就労許可制度への移行や他の居住ステータス取得を検討する必要がある。
企業・自治体への影響
ロシアで高度外国人材(HQS)を雇用している企業や、今後雇用を検討している企業は、人件費の増加や、既存のHQSの就労継続に関する影響を直接受ける可能性があります。特に、人事部門や海外事業部門は、給与水準の見直し、就労許可制度の変更手続き、および関連する税務・法務上の対応を迫られるでしょう。
対応すべきこと
- ロシアでHQSを雇用している場合、現行の給与水準が新基準を満たすか確認し、必要に応じて給与改定を検討する。
- 新基準を満たせないHQSがいる場合、一般就労許可制度への移行や他の居住ステータス取得の可能性と手続きについて情報収集し、準備を進める。
- 関係部門(人事、経理、法務、海外事業部門など)へ本発表の内容を共有し、自社への影響と対応方針を協議する。
- ロシア政府および関連機関からの追加情報や詳細なガイドラインを継続的に確認する。
対象部門: 経営者 総務 法務 人事 経理
対応期限:施行日まで
基本データ
| 企業・団体 | ジェトロ |
|---|---|
| 発表日 | 2026-08-07 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年08月07日
添付資料(264 KB)
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は7月26日、連邦法第241-FZ号「ロシア連邦における外国人の法的地位に関する連邦法の改正について」に署名した。これにより、2027年3月から、外国人労働者のカテゴリーの1つである高度熟練専門家(High Qualified Specialist:HQS)の最低月額給与が現行の四半期当たり75万ルーブル(約143万円、1ルーブル=約1.9円)から1カ月当たり71万7,000ルーブルへ引き上げられる(添付資料表参照)。通常より低い金額が適用されてきた研究者、IT企業の一部人材、医療・教育・科学分野の従事者などについても35万8,500ルーブルに引き上げられる。また、基準額は今後、組織のほかの従業員の昇給具合などを基に毎年見直されることとされた。
HQS制度は、ロシア入国に際して査証が必要となる、日本人を含む外国人を対象としており、ロシアの通常の就労許可制度と比べて、多くの優遇措置を受けられる点が特徴だ。HQS向け就労許可の有効期間は最長3年で、個人所得税は一般的な13~22%の税率による累進課税が適用される。さらに、HQSの配偶者や子供などの家族にも居住に関する優遇措置が設けられている。新たな給与基準を満たせない外国人労働者については、HQSをやめ、一般就労許可制度に移行したり、ほかの居住ステータスを取得したりするケースが増えるとみられるが、こうした制度はHQSに比べて複雑で、手続きの完了までに時間を要する傾向がある。
政府は給与基準額を引き上げた理由として、比較的低技能の外国人労働者がHQS制度を通じて国内に流入してくることを防ぐためと説明している。ロシアの投資会社「フィナム」のヤロスラフ・カバコフ戦略担当ディレクターは、今回の措置について、「中間的な」外国人労働者の流入を抑制するとともに、HQS優遇制度の適用対象を絞り込むことで、優遇対象から外れた労働者からの税収の増加を図る狙いがあるとの見方を示している(「モスコフスキー・コムソモレツ」4月10日)。
法案が下院での第1読会を通過した後、在ロシア欧州ビジネス協会(AEB)や米国商工会議所(アムチャム)などの外国企業団体に加え、ロシア産業家企業家連盟(RSPP)、中小企業団体「オポラ・ロシア」などのロシア経済団体が中心となり、給与基準の大幅な引き上げに反対を表明していた。新たな基準を満たせない外国人材は、ロシアでの就労継続が困難になる可能性があるためだ。なお、経済団体側はかねて施行時期の延期も求めていた。結果、新基準の施行日は当初の2026年9月1日から2027年3月1日へ延期された。
ロシア内務省によると、2025年にHQS向けに発給された就労許可件数は7万5,400件に上り、2024年の5万800件から48.4%増加した。HQSの主な出身国は中国やインド、セルビア、トルコであるが、日本および西側諸国からの人材も一定数含まれている。
(欧州課)
(ロシア)
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高度外国人材の最低給与基準額を月額で約3倍に引き上げ、2027年3月から
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/32a31284dd463630.html
時系列
- 2026-07-26 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が連邦法第241-FZ号「ロシア連邦における外国人の法的地位に関する連邦法の改正について」に署名。
- 2026-09-01 当初予定されていた新基準の施行日。
- 2027-03-01 経済団体からの要請により延期された新基準の施行日。
主な数値
| 現行HQS最低月額給与(四半期当たり) | 750000ルーブル |
|---|---|
| 現行HQS最低月額給与(日本円換算) | 1430000円 |
| 新HQS最低月額給与 | 717000ルーブル |
| 特定分野HQS最低月額給与 | 358500ルーブル |
| 2025年HQS向け就労許可件数 | 75400件 |
| 2024年HQS向け就労許可件数 | 50800件 |
| HQS向け就労許可件数増加率(2025年対2024年) | 48.4パーセント |
この事例から確認すべきポイント
ロシア政府による高度熟練専門家(HQS)の最低月額給与基準の大幅な引き上げは、ロシアで事業を展開する企業や、ロシアへの人材派遣を検討する企業にとって重要な変更点となる。特に、現行基準でHQSとして就労している外国人材の給与水準が新基準を満たさない場合、企業は給与の見直しや、HQS制度以外の就労許可制度への移行支援を検討する必要がある。HQS制度は優遇措置が多い反面、一般就労許可制度は手続きが複雑で時間を要する傾向があるため、移行には計画的な対応が求められる。また、政府は低技能外国人労働者の流入抑制と税収増加を目的としていることから、今後も外国人材の受け入れ政策が厳格化される可能性を考慮し、中長期的な人材戦略を見直す必要がある。施行日が経済団体の要請により延期された経緯は、企業側の懸念が一定程度考慮されたことを示唆するが、最終的な基準額は変更されていないため、企業は引き続き動向を注視し、適切な対応を講じるべきである。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-08-07 / 最終確認: 2026-08-08
執筆・確認主体
この記事は、上記の公式出典を一次情報として PRaze編集部(株式会社スキルマーク)が構造化・要約したものです。 要約と分類の生成にはAIを使用しています。
数値・日付・組織名・金額は公式発表の原文から転記しており、 原文に記載のない事項を補って書くことはしていません。 内容の正確性は公式出典をご確認ください。
編集・公開: PRaze編集部(株式会社スキルマーク) / 出典確認日: 2026-08-08
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