経済・産業トレンド 制度の本格運用開始が延期された状態

フランス、業務用包装材への拡大生産者責任制度の本格運用開始を2027年1月に延期

フランス政府は、業務用容器包装・梱包資材に対する拡大生産者責任(REP)制度の本格運用開始を、当初予定の2026年7月1日から2027年1月1日に延期すると発表しました。この延期は、EUレベルでの事業者特定作業の未完了や、エコ・オーガニズムによる拠出金体系の公表遅延が主な理由です。政府は2026年9月までに制度上の義務に関する不確実性を解消し、エコ・オーガニズムには同月中に2027年向け料金表を公表するよう要請しています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

フランスで業務用包装材を市場投入する、またはフランスへ輸出する製造業、物流業、小売業、食品・飲料業などの企業は、新たな環境規制への対応準備期間が延長されました。これにより、制度の詳細や料金体系の確定を待って、事業計画やコスト構造への影響を再評価する機会が得られます。特に、サプライチェーン全体での情報共有や追跡管理体制の構築が求められるため、関連部門は準備を進める必要があります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 総務 法務 広報 経理

対応期限:施行日まで

基本データ

企業・団体 フランス政府
業界 包装材製造・流通、リサイクル
発表日 2026-08-06
分類 経済・産業トレンド
地域 フランス

発表された内容

2026年08月06日

フランスのマチュー・ルフェーブル・エコロジー移行担当相は7月28日、2026年7月1日に開始予定だった業務用容器包装・梱包(こんぽう)資材に対する拡大生産者責任(REP)制度について、本格運用開始を2027年1月1日に延期すると発表した。

業務用包装材のREP制度をめぐっては、当初2026年1月の導入を予定していたが、業界との調整やエコ・オーガニズム(注)の認可手続きに時間を要するとして、2025年11月に施行時期を2026年7月1日に延期していた(2025年12月11日記事参照)。

同相は、「汚染者負担の原則」に基づくREP制度について、現時点では円滑な導入に必要な条件が整っていないとの認識を示した。EUレベルでは、制度への拠出義務を負う事業者の範囲を特定するための検討作業がまだ完了しておらず、多くの事業者が自らに加入義務があるかどうか判断できない状況にある。

また、2026年6月にはシテオ・プロ(Citeo Pro)、レコ・プロ(Léko Pro)、トゥワイス(Twiice)の3つのエコ・オーガニズムが、業務用包装材REP制度の運営主体として認可された。当初の制度設計では、対象となる事業者は2026年7月1日以降、これらのいずれかに加入し、業務用包装廃棄物に関するREP義務を履行することが求められていた。しかし、3団体による拠出金体系(料金表)の公表が遅れたことから、企業側は新たな費用負担を事業計画に十分織り込むことができなかった。

こうした状況を踏まえ、同相は制度の本格運用開始を2027年1月1日に延期することを決定した。また、認可を受けたエコ・オーガニズムに対し、2027年向け料金表を2026年9月中に公表するよう要請した。制度上の義務に関する不確実性についても、政府が2026年9月までに解消する方針を示している。

同相は声明で、「業務用包装材REP制度の本格運用開始を2027年1月1日からとすることで、円滑な立ち上げに必要な条件を整えることができる。これにより、エコ・オーガニズムは2026年9月の段階で2027年の料金体系を提示でき、対象事業者に十分な見通しを与えることが可能となる。また、この期間を活用して、製品情報の追跡管理や下流事業者との情報共有の標準化など、技術的な検討作業を完了させる」と述べた。

フランスでは1992年から家庭用包装材にREP制度を導入し、2023年には外食産業向け業務用容器包装へ適用を拡大した。今回の制度は、その対象を業務用包装材全般へ広げるものだ。対象となる業務用包装材には、業務用缶、ドラム缶、輸送用段ボール、パレット、梱包フィルム、フレコンバッグ(輸送用大型袋)などが含まれる。市場投入者は、エコ・オーガニズムに拠出金を支払って回収・リサイクルを委託するか、自ら回収・再資源化ルートを構築することで、生産者責任を果たす必要がある。

(注)拡大生産者責任の枠組みで、国の認可を得て、廃棄物の回収、リサイクル、再資源化の仕組みを構築し、運営する非営利団体・企業。

(山崎あき)

(フランス、EU)

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フランス、業務用包装材への拡大生産者責任制度の本格運用開始を2027年1月に延期

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/c566964f6a0b129f.html

時系列

主な数値

エコ・オーガニズム認可団体数 3団体
家庭用包装材REP制度導入年 1992年
外食産業向け業務用容器包装へのREP制度適用拡大年 2023年

この事例から確認すべきポイント

フランスにおける業務用包装材の拡大生産者責任(REP)制度の本格運用開始が、複数回の延期を経て2027年1月1日に設定されたことは、新たな環境規制導入における実務上の課題を浮き彫りにしています。特に、EUレベルでの事業者特定作業の遅れや、エコ・オーガニズムによる拠出金体系の公表遅延は、企業が新たな費用負担を事業計画に織り込む上で大きな不確実性をもたらしました。これは、国際的な環境規制が導入される際、制度設計の複雑性、関係者間の調整、そして企業側の準備期間の確保が極めて重要であることを示唆しています。企業は、海外での新たな環境規制の動向を早期に把握し、自社への影響を評価する体制を強化する必要があります。また、制度の詳細や料金体系が未確定な段階でも、関連情報の収集と社内での情報共有を継続し、予見可能性を高める努力が求められます。特に、サプライチェーン全体にわたる情報共有の標準化や、製品情報の追跡管理といった技術的な検討も、今後の制度運用において重要となるでしょう。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-08-06

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