英国のライフサイエンススタートアップを京都に招聘、地域エコシステムとの連携強化へ
この発表の要点
- ジェトロが京都市・京都リサーチパークと連携し、英国ライフサイエンススタートアップ3社を京都に招聘した。
- 招聘目的は、ライフサイエンス分野における対日投資および協業連携の促進である。
- 招聘企業はHVC KYOTO参加、京都大学視察、地域企業との商談を通じて関係構築を図った。
企業・自治体への影響
ライフサイエンス、バイオテック、メドテック分野の企業や研究機関、投資家は、京都・関西地域における国際的なオープンイノベーションの機会が増加する可能性があります。特に、海外企業との共同研究や事業提携、対日投資の動向は、関連する事業開発部門や経営戦略部門にとって注目すべき情報です。
対応すべきこと
- ライフサイエンス関連企業は、京都・関西地域のライフサイエンスクラスターの動向を継続的に確認する。
- 海外企業との協業や対日投資に関心がある企業は、ジェトロや京都リサーチパークの関連プログラムを調査する。
- 事業開発部門や研究開発部門は、英国の招聘企業3社の技術や事業内容を参考に、自社との連携可能性を検討する。
- 広報部門は、国際的な連携事例として本件を参考に、自社の取り組みを対外的に発信する機会を検討する。
対象部門: 経営者 広報 経理 法務
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | ジェトロ |
|---|---|
| 業界 | ライフサイエンス / バイオテック / メドテック |
| 発表日 | 2026-08-05 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
| 地域 | 京都府 |
発表された内容
2026年08月05日
ジェトロは7月13~16日、京都市および京都リサーチパーク(以下、KRP)と連携し、ライフサイエンス分野における対日投資および協業連携の促進を目的に、英国のスタートアップ企業3社を京都に招聘(しょうへい)した(注1)。バイオテックおよびメドテック分野で事業を展開する企業(注2)で、「HVC KYOTO(Healthcare Venture Conference Kyoto)2026」(2026年7月28日記事参照)への参加および、京都大学の視察および大学研究者との面談、京都地域企業との個別商談を行った。
京都・関西地域は、京都大学をはじめとする高度な研究機関や、再生医療・創薬分野で世界的に評価される研究基盤を有し、国内有数のライフサイエンスクラスター(注3)を形成している。一方で、海外主要クラスターと比較すると、スタートアップ投資やグローバルなオープンイノベーションの面ではさらなる発展の余地があり、海外スタートアップやグローバル企業との接点拡大が課題となっている。
こうした背景を踏まえ、海外スタートアップと京都・関西地域の企業、大学、投資家などとの接点を創出し、共同研究や概念実証(PoC)、事業提携などの具体的な協業機会の形成を促進するとともに、将来的な拠点設立を含む対日投資につなげることを目的として今回の招聘を実施した。具体的には、国内外のスタートアップ、製薬企業、ベンチャーキャピタルなどが集うHVC KYOTOへの参加に加え、京都大学の研究環境やスタートアップ支援体制の視察、大学研究者や地域企業との面談を通じて、京都・関西地域の主要プレーヤーとの関係構築を図った。
HVC KYOTOでは、13日の商談会において、製薬企業や医療機器メーカー、ベンチャーキャピタルらとの個別商談およびネットワーキングに参加、日本市場への参入や共同研究の可能性について意見交換を行った。14日のピッチセッションでは、自社技術や事業戦略について発表、国内外の企業や投資家に対して事業提携や資金調達に向けた取り組みをアピールした。
ネットワーキング(ジェトロ撮影)
招請企業によるピッチ(ジェトロ撮影)
15日には、京都市から外国企業向けの進出支援制度や外国人向けの生活支援制度について説明した。その後、京都大学を訪問し、医学領域における研究環境やスタートアップ支援の取り組みについて説明を受けるとともに、大学研究者との面談を通じて、自社技術を活用した共同研究の可能性について議論した。招聘企業からは、京都大学の産学連携の取り組みや研究技術に対する関心が寄せられた。
京都市による外国企業支援策の説明(ジェトロ撮影)
16日には、京都地域の企業との個別面談を実施、自社技術の日本市場への展開可能性や共同研究、事業提携に向けた具体的な協業機会について議論を深めた。
今回の招聘を通じて、英国企業と京都・関西地域の企業、大学、支援機関とのネットワーク形成が進み、共同研究や事業連携、対日投資につながることが期待される。また、海外の先端技術や人材を地域エコシステムに呼び込むことで、京都・関西地域のライフサイエンスクラスターの国際競争力強化や、さらなるイノベーション創出への波及効果も期待される。
(注1)ジェトロの「地域エコシステムへの海外誘致プログラム」の一環として実施。地域のエコシステム関係者と連携し、外国・外資系企業の国内地域への誘致や国際協業連携を推進する。
(注2)招聘企業は次のとおり。
アルゴノート(Argonaute)RNA:RNA干渉(RNAi)技術を用いた治療薬を開発するバイオテック企業
ニューボンド(Neubond):脳卒中患者向けのホームリハビリテーションデバイスを開発するメドテック企業
インプリ(Impli):IVF(不妊治療)領域におけるホルモンのリアルタイムモニタリングデバイスを開発するメドテック企業
(注3)大学や研究機関、スタートアップ企業、製薬企業、医療機器メーカー、投資家などが集積し、創薬や再生医療、医療機器分野のイノベーション創出を促進する産業集積。
(安藤琢朗)
(日本、英国)
ビジネス短信 e20220d2cdcd7b09
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英国のライフサイエンススタートアップを京都に招聘、地域エコシステムとの連携強化へ
ジェトロ公式SNSアカウント
出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/e20220d2cdcd7b09.html
時系列
- 2026-07-13 英国スタートアップ3社がHVC KYOTO商談会に参加し、個別商談およびネットワーキングを実施。
- 2026-07-14 英国スタートアップ3社がHVC KYOTOピッチセッションで自社技術や事業戦略を発表。
- 2026-07-15 京都市が外国企業向け支援制度を説明し、英国スタートアップ3社が京都大学を訪問し研究者と面談。
- 2026-07-16 英国スタートアップ3社が京都地域の企業と個別面談を実施。
- 2026-07-13から2026-07-16 ジェトロ、京都市、京都リサーチパークが連携し、英国のライフサイエンススタートアップ3社を京都に招聘。
主な数値
| 招聘企業数 | 3社 |
|---|---|
| 招聘期間 | 7月13日~16日期間 |
この事例から確認すべきポイント
本事例は、地域経済の活性化と国際競争力強化を目指す上で、海外スタートアップ誘致が有効な手段であることを示唆しています。特に、ライフサイエンスのような専門性の高い分野では、大学や研究機関、既存企業、投資家が連携する「クラスター」形成が重要であり、海外からの先端技術や人材を呼び込むことで、そのクラスターをさらに強化できる可能性を提示しています。企業広報の観点からは、このような国際連携プロジェクトは、自社の技術力や事業展開の可能性を国内外にアピールする絶好の機会となります。また、行政機関や研究機関との連携を通じて、新たな事業機会の創出や、地域社会への貢献を具体的に示すことができます。実務担当者は、自社の事業領域と関連する地域クラスターの動向を常に把握し、国際的なオープンイノベーションの機会を積極的に探るべきです。特に、海外企業との協業においては、文化や商慣習の違いを理解し、円滑なコミュニケーションを図るための準備が不可欠となります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-08-05
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