チリ、フィリピンCEPA妥結やバングラデシュFTA交渉開始でアジア連携強化
この発表の要点
- チリがフィリピンとの包括的経済連携協定(CEPA)交渉を妥結し、37番目の通商協定となった。
- チリがバングラデシュとの自由貿易協定(FTA)交渉を開始することで合意した。
- これらの協定により、チリはアジア市場との連携を強化し、輸出入における特恵待遇品目を拡大する。
企業・自治体への影響
国際貿易に関わる企業、特に農畜産品、鉱工業製品、ワイン、水産品などを扱う輸出入業者にとって、チリ、フィリピン、バングラデシュ市場での新たなビジネス機会が創出される可能性があります。関税優遇や非関税障壁の緩和により、サプライチェーンや投資戦略の見直しが必要となる場合があります。
対応すべきこと
- チリ、フィリピン、バングラデシュとの貿易に関わる企業は、各協定の詳細(品目別関税率、原産地規則など)を公式出典で確認する。
- 自社の輸出入品目が特恵待遇の対象となるか確認し、事業計画への影響を評価する。
- 関係部門(営業、調達、法務、経理など)へ本発表の内容を共有し、対応を検討する。
- 今後の交渉進捗や協定発効に関する追加情報を継続的に監視する。
対象部門: 経営者 法務 経理 広報
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | チリ外務省 |
|---|---|
| 発表日 | 2026-08-03 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年08月03日
チリ外務省は7月24日、フィリピンとの包括的経済連携協定(CEPA)の交渉妥結を発表した。また同日、バングラデシュとの自由貿易協定(FTA)交渉開始で合意したと発表した。
1年以上に及ぶ交渉を経て妥結したフィリピンとのCEPAは、チリにとって37番目の通商協定となる。これまでに、タイ、シンガポール、ベトナム、ブルネイ、マレーシア、インドネシアとの間で構築してきたチリの東南アジアにおける通商協定ネットワークに、新たにフィリピンが加わる。
フィリピンとのCEPAでは、物品貿易、サービス貿易、投資に加え、原産地規則、衛生植物検疫措置(SPS)、貿易の技術的障害(TBT)、グローバル・バリュー・チェーン、中小企業、デジタル経済、環境、労働、知的財産権、紛争解決メカニズムなど幅広い分野を含む。市場アクセスでは、チリはフィリピン向け輸出において1万467品目で特恵待遇を受けることとなる。これは、現在の対フィリピン輸出額の約90%をカバーする。対象品目には、農畜産品、果実、ワイン、乳製品、水産品に加え、銅、リチウム、モリブデン、ヨウ素などの戦略的鉱物資源を含む鉱工業製品が含まれる。一方、フィリピン側は8,632品目で特恵待遇を受け、チリの対フィリピン輸入額の99%をカバーする。2025年の両国間の貿易額は1億4,300万ドル。チリからは主にサーモン、板紙、ワインを輸出する。フィリピンからは印刷機械、プロジェクター、硫酸などを輸入する。
また、フランシスコ・ペレス・マッケンナ外相は同日、バングラデシュのカリルール・ラフマン外相とFTA交渉開始で合意した。ペレス外相は、「チリは市場の多角化を目指しており、その観点から、バングラデシュは大きな潜在力を有するパートナーであると考えている」と述べた。さらに、2国間貿易、投資および経済協力における新たな機会の創出を通じ、両国の経済・通商関係を強化していく考えを示した。
チリ政府は、人口約1億7,700万を擁し、持続的な経済成長を続けるバングラデシュを有望市場と評価している。2025年の両国間貿易額は3億1,060万ドルに達した。チリからの輸出額は4,180万ドル。バングラデシュからの輸入額は2億6,880万ドルとなった。チリ政府は、FTA交渉を通じて貿易・投資関係を強化し、輸出先市場のさらなる多角化を図る方針だ。
(高橋英行)
(チリ、フィリピン、バングラデシュ)
ビジネス短信 d87d8c69175ad689
関連情報
dummy
もっと見る
ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース
チリ、フィリピンCEPA妥結やバングラデシュFTA交渉開始でアジア連携強化
ジェトロ公式SNSアカウント
出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/d87d8c69175ad689.html
時系列
- 2026-07-24 チリ外務省がフィリピンとの包括的経済連携協定(CEPA)の交渉妥結を発表
- 2026-07-24 チリ外務省がバングラデシュとの自由貿易協定(FTA)交渉開始で合意したと発表
主な数値
| チリの通商協定数(フィリピンCEPA含む) | 37件 |
|---|---|
| チリのフィリピン向け輸出特恵品目数 | 10467品目 |
| チリの対フィリピン輸出額カバー率 | 90% |
| フィリピンのチリ向け輸出特恵品目数 | 8632品目 |
| フィリピンの対チリ輸入額カバー率 | 99% |
| 2025年チリ・フィリピン間貿易額 | 143000000ドル |
| バングラデシュ人口 | 177000000人 |
| 2025年チリ・バングラデシュ間貿易額 | 310600000ドル |
| 2025年チリからバングラデシュへの輸出額 | 41800000ドル |
| 2025年バングラデシュからチリへの輸入額 | 268800000ドル |
この事例から確認すべきポイント
本発表は、チリが包括的な貿易協定を通じてアジア諸国との経済関係を強化する戦略的な動きを示しています。フィリピンとのCEPAは、物品・サービス貿易からデジタル経済、知的財産権に至るまで幅広い分野を網羅し、市場アクセスと経済統合の深化を意味します。これにより、企業にとっては、特にチリからの農畜産品、ワイン、鉱物資源、工業製品、フィリピンからの各種製造品において、特恵待遇を伴う輸出入の新たな機会が生まれるでしょう。バングラデシュとのFTA交渉開始は、チリの市場多角化へのコミットメントをさらに強調し、人口が多く経済成長を続ける同国を有望なパートナーと見なしていることを示唆します。チリ、フィリピン、バングラデシュとの国際貿易に従事する企業は、これらの協定の詳細な実施状況を注視し、関税削減や非関税障壁の撤廃といった潜在的なメリットを最大限に活用できるよう準備を進めるべきです。チリのこの積極的なアプローチは、従来のパートナーシップを超えて貿易ネットワークを拡大する広範なトレンドを示しており、世界のサプライチェーンや投資の流れに影響を与える可能性があります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-08-03
関連事例
- 名古屋「STATION Ai」で米ウィスコンシン州スタートアップ支援機関が製造業向けプログラム実施
- 日本財団、世界的なエネルギー企業との連携技術開発プログラムのアイデアを募集
- 第1回厚生労働省ヘルスケアAX・DX推進本部の開催案内
- 令和8年熊本地震で被災された皆様へ
- インドネシア政府が初の人民元建て国債を発行、応募倍率は2.4倍
自社のプレスリリースをPRazeに掲載しませんか?
無料でプレスリリースを掲載する