米連邦通信委、安全保障上のリスクある企業が製造した部品を組み込んだ機器の認証禁止を決定
この発表の要点
- FCCは、国家安全保障上のリスクがある企業が製造した「ロジック機能を備えたハードウエア部品」を組み込んだ通信機器などの新たな認証を禁止する規則を採択した。
- この規則により、部品の製造者がリスト掲載企業であれば、最終製品の製造者を問わず米国への輸入・販売が制限される。
- 既に認証を取得済みの機器は対象外だが、FCCは今後、ロジック機能の有無にかかわらずリスト掲載企業製部品全般を対象とする案も検討している。
企業・自治体への影響
通信機器メーカーは、サプライチェーンにおける部品の調達先を厳格に確認し、米国市場向けの製品にリスト掲載企業製の「ロジック機能を備えたハードウエア部品」が含まれていないことを保証する必要がある。特に、部品を外部から調達している企業や、米国市場への輸出を計画している企業は、製品の設計・製造プロセスを見直す必要がある。関連する業種は通信機器製造業、半導体製造業、電子部品供給業。関係部門は調達、製造、法務、輸出管理。
対応すべきこと
- 自社製品に「対象機器・サービス」リスト掲載企業が製造した「ロジック機能を備えたハードウエア部品」が含まれていないか、サプライチェーン全体で確認する。
- FCCの公式発表文書(特に注釈で言及されている13ページの28段落)を参照し、「ロジック機能を備えたハードウエア部品」の具体的な定義と非該当部品に関する説明を深く理解する。
- 規則の官報公示日と発効日を継続的に監視し、自社の米国向け製品の認証・輸出計画に影響がないか確認する。
- FCCが提示した、ロジック機能の有無にかかわらずリスト掲載企業製部品全般を対象とする案の進捗を注視し、将来的な規制強化に備える。
対象部門: 経営者 法務 経理 広報
対応期限:官報公示後30日で発効
基本データ
| 企業・団体 | 米国連邦通信委員会(FCC) |
|---|---|
| 業界 | 通信機器製造 |
| 発表日 | 2026-07-22 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
| 地域 | 米国 |
発表された内容
2026年07月30日
米国連邦通信委員会(FCC)は7月22日、国家安全保障などに脅威をもたらし得る「対象機器・サービス」リストに掲載されている企業が製造した特定の部品を含む通信機器などの認証を禁止する規則を採択した。今後、官報でも公示する。同規則は、官報公示日から30日後に発効する。
「対象機器・サービス」のリストは、「2019年安全で信頼できる通信ネットワーク法」に基づきFCCがまとめている。リスト掲載企業が製造した対象機器は、米国への輸入や販売のために必要なFCCの認証の取得が禁止される。リストには、中国の通信機器メーカーなどが掲載されている。
FCCは今回の規則で、リスト掲載企業が製造した「ロジック機能を備えたハードウエア部品(logic-bearing hardware components)」を組み込んだ通信機器などについて新たな認証を禁じた。同部品が組み込まれていれば、機器自体の製造者を問わず、米国への輸入・販売ができなくなる。同部品には、演算や記録といったデータ処理機能を実行する目的で無線周波数エネルギーを生成・使用するあらゆる装置やシステム、集積回路などが含まれる(注)。ただし、これまでに認証を取得済みの機器は、今後も米国への輸入や販売が認められる。
FCCは、リスト掲載企業が製造した部品を組み込んだ機器は、リスト掲載企業が製造した機器と技術的に同様のリスクをもたらすと判断し、今回の規則を決定した。例えば、リスト掲載企業が製造した半導体を組み込んだ通信機器を通じて、機密情報の傍受などが行われる恐れがあるとの懸念を示した。FCCは今回の規則によって、対象機器の認証禁止の「抜け穴」をふさぐとしている。
FCCは今回の規則とともに、ロジック機能を備えたハードウエア部品に限らず、リスト掲載企業が製造したあらゆる部品を組み込んだ機器についても、認証を禁止する案を提示した。利害関係者から意見を募り、是非を検討するとしている。
なお、「対象機器・サービス」のリストには、外国製の無人航空機システム(UAS)やルーターなど、製造者が限定されていない機器も掲載されている(2026年3月30日記事参照)。これら外国製機器のメーカーが製造するハードウエア部品については、当該メーカーがリストに掲載されていない限り、今回の規則の対象にはならない。
(注)具体的な定義や非該当部品に関する説明は、FCC発表文書13ページの28段落を参照。
(甲斐野裕之)
(米国、中国)
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米連邦通信委、安全保障上のリスクある企業が製造した部品を組み込んだ機器の認証禁止を決定
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/f7802e4f5d303a0e.html
時系列
- 2026-07-22 FCCが国家安全保障上のリスクがある企業が製造した部品を組み込んだ機器の認証禁止規則を採択
- 官報公示日 採択された規則が官報で公示される
- 官報公示日から30日後 規則が発効する
この事例から確認すべきポイント
今回のFCC規則は、国家安全保障上の懸念から通信機器サプライチェーンの規制を強化する動きの一環であり、既存の認証禁止措置の「抜け穴」を塞ぐことを目的としています。特に、最終製品の製造者ではなく、部品の製造元に焦点を当てることで、規制の適用範囲を広げ、企業はサプライチェーン全体での部品の出所確認が不可欠となります。規則の対象となる「ロジック機能を備えたハードウエア部品」の具体的な定義は、公式文書で詳細を確認する必要があり、その解釈が実務に大きな影響を与えます。また、FCCがさらに広範な部品を対象とする案を提示していることから、今後も規制強化の動向を継続的に監視し、将来的な事業戦略に織り込むことが重要です。この動きは、通信機器業界だけでなく、関連する半導体や電子部品業界にも広範な影響を及ぼす可能性があります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-30
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