ロボット掃除機DEEBOT PRO M1、DEEBOT PRO K1VACおよびスマートフォンアプリECOVACS PROにおける複数の脆弱性
この発表の要点
- 複数のロボット掃除機とスマートフォンアプリに、デバッグ機能の残存や認証不備など複数の脆弱性が確認された。
- 脆弱性により、情報漏洩や不正操作、任意のコード実行などのリスクがあった。
- 開発者による修正版へのアップデートとユーザーへの周知は既に完了しており、ユーザー側の追加対応は不要である。
企業・自治体への影響
製造業やIoTデバイス開発企業は、製品のセキュリティ設計と開発プロセスを見直す必要があります。特に、スマート家電などネットワーク接続型製品を提供する企業は、サードパーティ製コンポーネントの脆弱性管理や、デバッグ機能の適切な無効化、強固な認証・暗号化の実装が求められます。ユーザー企業や一般家庭においては、対象製品のアップデートが完了しているため、現時点での直接的な影響は小さいです。
対応すべきこと
- 自社がIoTデバイスを開発・提供している場合、本事例を参考にセキュリティ開発ライフサイクル(SDL)を見直す。
- 製品にデバッグ機能やテスト用アカウントが残存していないか、出荷前に厳重に確認する。
- サードパーティ製コンポーネントの脆弱性情報を常に監視し、迅速な対応体制を構築する。
- 自社製品のユーザーに対し、セキュリティアップデートの重要性を適切に周知する体制を整備する。
対象部門: 経営者 情シス 広報 法務
対応期限:速やかに確認
基本データ
| 企業・団体 | JVN |
|---|---|
| 業界 | IT・ソフトウェア |
| 発表日 | 2026-07-31 |
| 分類 | サイバーセキュリティ |
発表された内容
公開日:2026/07/31 最終更新日:2026/07/31
JVNVU#92804348
ロボット掃除機DEEBOT PRO M1、DEEBOT PRO K1VACおよびスマートフォンアプリECOVACS PROにおける複数の脆弱性
ECOVACS ROBOTICSが開発し、日本国内ではHellohas Robotics株式会社が提供するロボット掃除機DEEBOT PRO M1、DEEBOT PRO K1VACおよびスマートフォンアプリECOVACS PROには、複数の脆弱性が存在します。
CVE-2026-66403、CVE-2026-66404、CVE-2026-66405、CVE-2026-66406、CVE-2026-66407、CVE-2026-66408、CVE-2026-66409、CVE-2021-31698、CVE-2026-66411
DEEBOT PRO M1 M1-1.7.27より前のバージョン
DEEBOT PRO K1VAC V1.7.821より前のバージョン
CVE-2026-66410
Androidアプリ「ECOVACS PRO」1.3.82より前のバージョン
iOSアプリ「ECOVACS PRO」1.3.82より前のバージョン
ECOVACS ROBOTICSが開発し、日本国内ではHellohas Robotics株式会社が提供するロボット掃除機DEEBOT PRO M1、DEEBOT PRO K1VACおよびスマートフォンアプリECOVACS PROには、次の複数の脆弱性が存在します。
デバッグ用途のWebサーバが有効(CWE-489)
CVSS:4.0/AV:N/AC:L/AT:N/PR:N/UI:N/VC:H/VI:N/VA:N/SC:N/SI:N/SA:N 基本値 8.7
CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:N/A:N 基本値 7.5
CVE-2026-66403
MQTT通信におけるサーバ証明書検証の欠如(CWE-295)
CVSS:4.0/AV:N/AC:L/AT:P/PR:N/UI:P/VC:H/VI:L/VA:N/SC:N/SI:N/SA:N 基本値 6.0
CVSS:3.1/AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:L/A:N 基本値 6.5
CVE-2026-66404
telnetサーバが有効(CWE-489)
CVSS:4.0/AV:N/AC:L/AT:N/PR:L/UI:N/VC:H/VI:H/VA:H/SC:N/SI:N/SA:N 基本値 8.6
CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H 基本値 8.0
CVE-2026-66405
wget呼び出しにおけるサーバ証明書検証欠如(CWE-295)
CVSS:4.0/AV:N/AC:L/AT:P/PR:N/UI:P/VC:L/VI:L/VA:N/SC:N/SI:N/SA:N 基本値 2.3
CVSS:3.1/AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:L/I:L/A:N 基本値 4.8
CVE-2026-66406
中間者攻撃(man-in-the-middle attack)によって通信内容を傍受されたり改ざんされたりする可能性があります
Websocket通信認証における解読される恐れの高い暗号アルゴリズムの使用(CWE-327)
CVSS:4.0/AV:N/AC:L/AT:P/PR:N/UI:P/VC:H/VI:H/VA:H/SC:N/SI:N/SA:N 基本値 7.7
CVSS:3.1/AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H 基本値 8.1
CVE-2026-66407
中間者攻撃(man-in-the-middle attack)によってwebsocketの秘密鍵を解析される可能性があります
rootアカウントに弱いパスワードが使われている(CWE-1391)
CVSS:4.0/AV:P/AC:L/AT:N/PR:N/UI:N/VC:H/VI:N/VA:N/SC:N/SI:N/SA:N 基本値 5.1
CVSS:3.1/AV:P/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:N/A:N 基本値 4.6
CVE-2026-66408
Wi-Fiホットスポットネットワークに弱いパスワードが使われている(CWE-1391)
CVSS:4.0/AV:N/AC:L/AT:N/PR:N/UI:N/VC:L/VI:N/VA:N/SC:N/SI:N/SA:N 基本値 6.9
CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:L/I:N/A:N 基本値 5.3
CVE-2026-66409
スマートフォンアプリにおける不適切な証明書検証(CWE-295)
CVSS:4.0/AV:N/AC:L/AT:P/PR:N/UI:P/VC:L/VI:L/VA:N/SC:N/SI:N/SA:N 基本値 2.3
CVSS:3.1/AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:L/I:L/A:N 基本値 4.8
CVE-2026-66410
脆弱なサードパーティ製コンポーネントの使用(CWE-1395)
当該製品で使用しているQuectel EG25-Gデバイスにおいて既知の脆弱性(CVE-2021-31698)が未修正
Websocket通信における認証処理の不適切な実装(CWE-303)
CVSS:4.0/AV:N/AC:L/AT:N/PR:N/UI:N/VC:N/VI:L/VA:N/SC:N/SI:N/SA:N 基本値 6.9
CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:L/A:N 基本値 5.3
CVE-2026-66411
想定される影響は各脆弱性により異なりますが、次のような影響を受ける可能性があります。
特定のポートを介して当該製品が保存しているフロアマップやログ情報を取得される(CVE-2026-66403)
MQTTを介して当該製品の操作履歴や動作ログを取得される(CVE-2026-66404)
Telnet経由で当該製品にログインされる(CVE-2026-66405)
管理者権限で任意のコードを実行される(CVE-2026-66406)
通信内容を傍受されたり設定を変更されたりする(CVE-2026-66407、CVE-2026-66410)
ロボット本体への物理アクセスにより特定の操作を行われた場合、rootパスワードを取得される(CVE-2026-66408)
ホットスポットパスワードを解析され、ロボットのアクセスポイントに接続される(CVE-2026-66409)
当該製品で使用しているQuectel EG25-Gデバイスの既知の脆弱性(CVE-2021-31698)の影響を受け、当該製品上で任意のコードを実行される
認証無しでロボットを操作される(CVE-2026-66411)
開発者によると、本脆弱性の影響を受ける可能性のあるユーザへの周知および対象製品の修正バージョンへのアップデートはすでに完了しているため、ユーザによる追加対応は不要とのことです。
ベンダ
リンク
Hellohas Robotics 株式会社
DEEBOT PRO M1/K1VAC ファームウェア更新のお知らせ
この脆弱性情報は、Hellohas Robotics株式会社がECOVACS ROBOTICSに直接報告し、ECOVACS ROBOTICSとの調整を経て、製品利用者への周知を目的にJVNでの公表に至りました。
JPCERT 緊急報告
JPCERT REPORT
CERT Advisory
CPNI Advisory
TRnotes
CVE
CVE-2026-66403
CVE-2026-66404
CVE-2026-66405
CVE-2026-66406
CVE-2026-66407
CVE-2026-66408
CVE-2026-66409
CVE-2026-66410
CVE-2026-66411
JVN iPedia
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出典: jvn@jvn.jp
URL: https://jvn.jp/vu/JVNVU92804348/
主な数値
| 確認された脆弱性の数 | 11件 |
|---|
この事例から確認すべきポイント
本事例は、IoTデバイスとその連携アプリにおける多岐にわたるセキュリティ脆弱性の存在を示しています。デバッグ用機能の残存、不適切な証明書検証、弱いパスワードの使用、脆弱なサードパーティ製コンポーネントの利用など、開発段階でのセキュリティ対策の重要性を浮き彫りにします。特に、IoTデバイスは物理的な環境と密接に関わるため、情報漏洩だけでなく、不正操作による物理的なリスクも考慮する必要があります。一方で、開発者側が既に修正とユーザーへの周知を完了し、追加対応が不要としている点は、迅速な対応と責任ある情報開示の好事例と言えます。企業は、製品開発におけるセキュリティ・バイ・デザインの徹底と、脆弱性発見時の迅速な対応体制構築の重要性を再認識すべきです。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-31
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