バングラデシュで半導体シンポジウム開催、政府はビジネス環境整備に着手
この発表の要点
- バングラデシュ政府は半導体産業を縫製産業に次ぐ成長エンジンと位置づけ、ビジネス環境整備に着手。
- 2026/2027年度予算で半導体産業向け原材料の関税・税金撤廃、設計サービス輸出への現金インセンティブ導入を推進。
- 「シリコン・リバー構想」により人材育成や研究開発を推進し、2035年までにディープテック市場規模1,500億ドルなどの目標を設定。
企業・自治体への影響
半導体関連企業、特にOSATや設計分野、および電子・AI・ロボティクス分野の技術を持つ企業は、バングラデシュ政府の優遇策や投資誘致策により、新たな市場参入や事業連携の機会が拡大する可能性があります。海外事業展開を検討する企業にとって、バングラデシュは有望な投資先の一つとなり得ます。
対応すべきこと
- バングラデシュ政府の半導体産業育成政策や投資優遇策の詳細を公式出典で確認する。
- 自社の事業がバングラデシュの半導体・電子・AI・ロボティクス分野の投資誘致策の対象となり得るか検討する。
- バングラデシュ市場への参入や連携に関心がある場合、ジェトロ等の支援機関に相談し、情報収集を進める。
- 関連部門(経営企画、海外事業、研究開発、経理など)へ本情報を共有し、今後の事業戦略への影響を議論する。
対象部門: 経営者 経理 広報 法務 情シス
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | ジェトロ |
|---|---|
| 業界 | 半導体 / 電子 / 人工知能(AI) / ロボティクス |
| 発表日 | 2026-07-29 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月29日
バングラデシュ半導体産業協会(BSIA)は7月25~26日、科学技術省などとの共催による「国家半導体シンポジウム」をダッカ市内で開催した。本シンポジウムでは半導体を中心に、電子・人工知能(AI)・ロボティクス分野にも焦点を当て、人材育成や研究開発、海外企業との連携、投資促進の必要性などを議論した。
シンポジウムの様子(ジェトロ撮影)
演説したタリク・ラフマン首相は「半導体は縫製産業に次ぐ成長エンジンになり得る。政府は、経済の繁栄に資する大きな原動力を現実のものにするため、ビジネス環境の整備を含む包括的な計画の実施に向け既に着手している」と述べた上で、世界の半導体市場が2026年中に約1兆ドルに達するとの見通しがある中、バングラデシュにも市場拡大の恩恵を取り込む余地があると強調した。
また、2026/2027年度(2026年7月~2027年6月)予算では、半導体産業向け原材料にかかる関税・税金を撤廃したほか、半導体設計サービスの輸出収入に対する現金インセンティブ制度の導入を進めていると明らかにした。投資環境の整備については、保税制度の導入や産業インフラの整備を進め、国内外からの投資誘致を促進する考えを示した。既存のハイテクパークの機能強化に加え、新たなバイオテクノロジーパークの設立計画も進めると述べた。
バングラデシュ出身で米国パデュー大学のムハンマド・ムスタファ・フセイン教授は、自身がBSIAなどと推進する「シリコン・リバー構想」について説明し、(1)人材育成、(2)研究開発、(3)産業育成、(4)国際連携、(5)イノベーションの5つの戦略の柱に基づき活動し、(1)に関してはこれまでに3,500人以上の育成を実現したと語った。また、2035年にはバングラデシュのディープテック市場規模1,500億ドル、年間輸出額1,200億ドル以上、高付加価値雇用100万人、高度人材育成50万人以上を達成できるよう活動を継続していきたいとした。
同教授によれば、バングラデシュの半導体産業では、後工程(OSAT)や設計分野を中心に育成が図られており、半導体関連企業は約22社、半導体エンジニアは3,500人、半導体設計企業は約100社、OSAT関連企業は約20社存在し、ウエハー加工能力については約150ミリメートル(mm)に対応可能で、年間売り上げは約1億ドル、国際企業との提携実績は15社以上になっているという。
ラフマン首相は、半導体分野における技術力の不足や世界的な激しい競争を認識しており、より一層、才能のある若者や革新的な能力を支援していく考えを示した。
(片岡一生)
(バングラデシュ)
ビジネス短信 d9bacfca26e86065
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バングラデシュで半導体シンポジウム開催、政府はビジネス環境整備に着手
ジェトロ公式SNSアカウント
出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/d9bacfca26e86065.html
時系列
- 2026-07-25 「国家半導体シンポジウム」開催開始
- 2026-07-26 「国家半導体シンポジウム」開催終了
- 2026-07-01 2026/2027年度開始(半導体産業向け原材料にかかる関税・税金撤廃、半導体設計サービスの輸出収入に対する現金インセンティブ制度の導入を進めている)
- 2026 世界の半導体市場が約1兆ドルに達する見通し
- 2035 バングラデシュのディープテック市場規模1,500億ドル、年間輸出額1,200億ドル以上、高付加価値雇用100万人、高度人材育成50万人以上を達成目標
主な数値
| シンポジウム開催期間 | 2日間 |
|---|---|
| 世界の半導体市場規模見通し | 1兆ドル |
| シリコン・リバー構想による人材育成実績 | 3500人以上 |
| バングラデシュの半導体関連企業数 | 22社 |
| バングラデシュの半導体エンジニア数 | 3500人 |
| バングラデシュの半導体設計企業数 | 100社 |
| バングラデシュのOSAT関連企業数 | 20社 |
| バングラデシュのウエハー加工能力 | 150ミリメートル |
| バングラデシュの半導体産業年間売り上げ | 1億ドル |
| バングラデシュの国際企業との提携実績 | 15社以上 |
| 2035年ディープテック市場規模目標 | 1500億ドル |
| 2035年年間輸出額目標 | 1200億ドル以上 |
| 2035年高付加価値雇用目標 | 100万人 |
| 2035年高度人材育成目標 | 50万人以上 |
この事例から確認すべきポイント
バングラデシュ政府は、半導体産業を経済成長の新たな柱と位置づけ、その育成に積極的に取り組む姿勢を明確にしている。国家半導体シンポジウムの開催や、2026/2027年度予算における関税・税金撤廃、現金インセンティブ導入といった具体的な政策は、国内外からの投資誘致と産業基盤強化への強いコミットメントを示すものと言える。特に「シリコン・リバー構想」による人材育成や研究開発の推進は、長期的な視点での産業発展を目指す戦略であり、2035年までの具体的な数値目標設定は、その実現に向けた強い意志を反映している。現状の半導体関連企業数やエンジニア数、国際提携実績といったデータは、まだ発展途上ながらも着実に基盤が形成されつつあることを示唆しており、世界の半導体市場拡大の恩恵をバングラデシュが取り込もうとする意欲の表れとして、今後の動向が注目される。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-29
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