ポーランド初の洋上風力発電所から全国電力系統に電力供給開始
この発表の要点
- ポーランド初の洋上風力発電所「バルティック・パワー」から全国電力系統への電力供給が開始された。
- バルティック・パワーの設備容量は約1.2GWで、全面稼働後は150万世帯以上に相当する年間約4TWhを発電する見込み。
- ポーランド政府は国家エネルギー・気候計画を閣議決定し、2030年に再エネ比率を51.6~53.2%にする見通しを示した。
企業・自治体への影響
欧州のエネルギー市場や再生可能エネルギー関連事業を展開する企業に対し、ポーランド国内でのインフラ整備や複数プロジェクトの進捗に伴うビジネス機会や市場動向の変化をもたらす。経営企画・事業開発部門において影響を確認する必要がある。
対応すべきこと
- 公式出典および関連プロジェクトの最新スケジュールを確認する
- エネルギー・インフラ関連の市場動向を関係部門へ共有する
- 自社の海外事業戦略やサプライチェーンへの影響を評価する
対象部門: 経営者 総務 法務 広報 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | ポーランド・エネルギー省 |
|---|---|
| 業界 | エネルギー・電力 |
| 発表日 | 2026-07-30 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月30日
ポーランド・エネルギー省は7月10日、バルト海で建設中の同国初の洋上風力発電所「バルティック・パワー」から全国電力系統への電力供給が開始されたと発表した(ポーランド語)。同所で設置済みの風車が発電した最初の電力を、ポーランド北部沿岸にあるポモージェ県のホチェボ変電所が受け入れた。バルティック・パワーは、ポーランドのエネルギー大手オルレンとカナダのノースランド・パワーによる共同事業で、設備容量は約1.2ギガワット(GW)。全面稼働後には、150万世帯以上の電力需要に相当する年間約4テラワット時(TWh)を発電し、ポーランド国内の電力需要の約3%をまかなう見込みだ。
送電を受け入れたホチェボ変電所は、洋上風力発電所と国内送電網を接続する拠点として新設された。今後、同変電所にはバルティカ2やBCウインドなどの洋上風力発電プロジェクトの送電網が接続され、最終的には6件、合計設備容量6GW超の洋上風力発電所から電力を受け入れる計画となっている。なお、これはポーランド最大規模のベウハトゥフ火力発電所の出力を上回る規模とされる。
バルティック・パワー以外の主要案件でも建設が進む。ポーランド最大の電力会社PGEとデンマークのオーステッドが開発するバルティカ2は設備容量1.5GWで、2026年5月に洋上での基礎設置工事を開始し、2027年の稼働を予定している。ノルウェーのエクイノールとポーランドのポレネルギアが共同開発するバウティク2、バウティク3は合計1.44GWで、2027年に送電を開始し、2028年に全面稼働する予定だ。
ポーランド政府は6月8日、「国家エネルギー・気候計画(NECP)」(注、2025年6月13日記事参照)を閣議決定した(ポーランド語)。同計画は、再生可能エネルギー、原子力発電(2026年6月15日記事参照)、送配電網、蓄電設備などを一体的に整備する方針を示している。発電量に占める再生可能エネルギーの割合は、2030年に51.6~53.2%、2040年に65.6~68.9%に達するとの見通しを示した。
(注)加盟各国が策定するEUの気候変動目標達成に向けた計画表。ポーランドは2024年6月30日の最終版提出期日から約2年遅れでの提出となる。
(金杉知紀)
(ポーランド、デンマーク、ノルウェー、カナダ)
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ポーランド初の洋上風力発電所から全国電力系統に電力供給開始
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/9a5b90a1cf6c7d7d.html
時系列
- 2026-06-08 ポーランド政府が「国家エネルギー・気候計画(NECP)」を閣議決定
- 2026-07-10 バルティック・パワーから全国電力系統への電力供給開始を発表
主な数値
| 設備容量(バルティック・パワー) | 1.2GW |
|---|---|
| 年間発電量(バルティック・パワー) | 4TWh |
| 電力需要カバー率(バルティック・パワー) | 3% |
| 対象世帯数(バルティック・パワー) | 150万世帯以上 |
| 合計設備容量計画(ホチェボ変電所接続予定) | 6GW超 |
| 接続予定件数(ホチェボ変電所) | 6件 |
| 設備容量(バルティカ2) | 1.5GW |
| 合計設備容量(バウティク2・バウティク3) | 1.44GW |
| 再エネ発電割合予測(2030年) | 51.6~53.2% |
| 再エネ発電割合予測(2040年) | 65.6~68.9% |
この事例から確認すべきポイント
本事例は、ポーランドが化石燃料中心のエネルギー構成から脱却し、大規模な洋上風力発電プロジェクトを通じて再生可能エネルギー比率を急拡大させている実態を示している。国家レベルでの気候計画に基づき、変電所などのインフラ整備と複数プロジェクトが並行して進められており、エネルギー関連企業やサプライチェーン企業にとっては新たな参入・協業機会やインフラ需要の拡大が予想される。広報・経営戦略の観点からは、欧州市場におけるグリーンエネルギー移行の動向や各プロジェクトのスケジュール(2026年〜2028年の稼働予定など)を正確に把握し、自社の事業機会やリスク要因への影響を継続的にモニタリングすることが実務上重要となる。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-30
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