マカオで知財シンポジウムが開催、デジタル経済に向けた知財政策など議論
基本データ
| 分類 | 経済・産業トレンド |
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発表された内容
2026年07月27日
「中国本土・香港・マカオ知的財産シンポジウム2026」が7月16日、マカオ科学館で開催された(注1)。各地域の政府関係者や知的財産権に関わる実務者など約120人が参加し、「中国本土・香港・マカオにおける知的財産の最新動向」「商標保護戦略が支えるブランドの質の高い発展」「デジタル経済の発展と知的財産保護」の3テーマについて議論が展開された。
うち、データの権利登録と流通をめぐる議論においては、中国の国家知識産権局知的財産権発展研究センターの胡軍建副主任から、中国の複数の試行対象地域で導入を進めてきたデータ知的財産権登録制度(注2)について紹介があった。2025年末までに同制度に基づく登録申請は10万件を超え、登録証発行は約5万件に達し、関連する融資・取引額は約150億元(約3,600億円、1元=約24円)に上るという。
香港中文大学法学部教授兼法律イノベーション・デジタル社会研究センター主任の李治安氏は、香港におけるデータ取引市場や知財取引エコシステムの整備状況に加え、広東・香港・マカオグレーターベイエリア(粤港澳大湾区)におけるデータ流通の仕組み作りについて紹介した。
そのほか、中国本土からは、「専利審査指南」の改正(注3)や、2027年1月施行の改正商標法(2026年7月8日記事参照)、悪意の商標出願への取り締まり強化、知財保護センター整備など、知財保護制度強化の取り組みが紹介された。また、著作権分野では、オンラインでの権利保護や海賊版対策の強化、ブロックチェーン技術を活用した著作権保護実証事業などが報告された。このほか、海外サーバーや越境サイトを介した権利侵害への対応は1国のみでは限界があるとして、国際協力の重要性も指摘された。
香港からはさらに、地域の知的財産権取引センター構想の下で進められている知財金融の拡充、特許評価支援制度の整備、人工知能(AI)と著作権に関するガイドラインの策定などの取り組みが紹介された。マカオからは、老舗企業の認定制度を通じた地域ブランド育成や、品質認証制度を活用したブランド価値向上の取り組みが報告された。
中国政府は、2023年には国家データ局を設置し、デジタル経済におけるデータ資源の活用に向けた制度の整備を進めてきた。今回のシンポジウムでは、こうした政策とも関連したデータ知的財産権登録制度やデータ流通促進の取り組みが紹介された。今後のデータガバナンスを巡る動向が注目される。
(注1)中国国家知識産権局、香港特別行政区政府知識産権署、マカオ特別行政区政府経済科技発展局の共催により毎年持ち回りで開催されている。
(注2)国家知識産権局は2022年11月、「国家知識産権局弁公室によるデータ知識産権業務試行地域確定通知」に基づき、北京市や浙江省など8地域でデータ知的財産権登録制度の試行を開始。その後、2024年には試行対象を17地域に拡大し、制度整備を進めている。データの出所や権利関係、加工・分析者の情報を登録する制度で、データ処理活動により創出された付加価値やデータセットの合法性を証明し、その取引・流通を促進することを目的としている。
(注3)詳細は、ジェトロ「専利審査指南」(2026)改正についての仮訳(局令第84号(732KB)、解説(253KB)、改正対照表(514KB))を参照。
(南川泰裕)
(マカオ、香港、中国)
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/db34e1741fd1506b.html
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公開日: 2026-07-27
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