経済・産業トレンド 試行

広東省、観光友好型都市建設ガイドラインを発表

中国の広東省文化・観光庁は、広東省公安庁など7部門と共同で「広東省観光友好型都市建設ガイドライン(試行)」を7月13日に発表しました。これは中国の「第15次5カ年規画」に基づき、広東省観光業の質の高い発展を推進する目的で策定されたものです。省内の地級市以上の都市および県(市・区)を対象に、「環境」「文化」「業態」「秩序」「サービス」「市民参加」「発展」の7分野で計50項目の指針を定めており、多言語対応AI翻訳機器の推進、公共サービス機能の強化、初回軽微交通違反の罰則免除、宿泊料金の制限、チケット経済の発展促進、インバウンド利便性向上などが含まれています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

広東省で観光関連事業を展開する企業(ホテル、旅行代理店、交通、小売、ITサービスなど)は、ガイドラインに沿ったサービス改善や新規事業機会の検討が求められます。特に、多言語対応AI翻訳機器の提供や公共サービスの強化は、関連技術・サービスを提供する企業にとってビジネスチャンスとなる可能性があります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 広報 経理 法務 情シス

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 広東省文化・観光庁、広東省公安庁など7部門
業界 観光業
発表日 2026-07-13
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月27日

中国の広東省文化・観光庁は7月13日、同省公安庁など7部門と共同で「広東省観光友好型都市建設ガイドライン(試行)」(以下、ガイドライン)を発表した。ガイドラインは、中国の「第15次5カ年(2026~2030年)規画」に盛り込まれた観光強国建設の方針を踏まえ、広東省観光業の質の高い発展の推進に向け策定されたもので、省内各地域における観光友好型都市の整備に向けた方向性と具体的な指針を示している。

ガイドラインは、省内の地級市以上の都市および県(市・区)を対象とし、「環境」「文化」「業態」「秩序」「サービス」「市民参加」「発展」の7分野で計50項目の指針を定めている。具体的には、広東・香港・マカオグレーターベイエリア(粤港澳大湾区)の9都市(注1)および世界自然遺産、文化遺産の所在都市などで統一的な観光案内標識の設置を進める。また、「口岸」(注2)や5A級観光地(注3)などで多言語対応のAI(人工知能)翻訳機器のレンタルサービスを推進する。さらに、休憩スペースの設置や、文化・観光重点エリアには手荷物預かりロッカー、モバイルバッテリーの貸し出し、無料の給水設備などを整備し、市内には24時間無料開放の公衆トイレを設置するなど、公共サービス機能を強化する。

このほか、公共文化施設の開館時間の延長や、地域の歴史・文化などを体感できる体験型コンテンツの提供を推奨する。域外ナンバー車両による軽微な交通違反については「首違不罰(初回違反は罰則を科さない)」とし、観光客への柔軟で包容的な法執行を推進し、法定祝日などの旅行シーズンには、ホテルや民宿の宿泊料金について、原則として通常時の3倍を超えてはならないとしている。

また、特色ある都市観光IP(知的財産)を育成するとともに、「再訪時の無料入場」や「チケット有効期限の延長」などの措置の導入を促進し、「チケット経済(票根経済)」(注4)の発展を図る。インバウンド分野においても、外国人などの域外観光客の利便性向上を推進し、域外観光客向けサービスの水準を高めるとしている。

(注1)広東省広州市、深セン市、珠海市、仏山市、恵州市、東莞市、中山市、江門市、肇慶市を含み、「珠江デルタ9都市」ともいう。
(注2)口岸とは、中国税関が国境や中国本土と香港・マカオ間などに設置する検問所を指す。
(注3)中国の観光地の等級は、国家標準「観光地品質等級区分」などに基づき評価されるもの。観光資源の価値、交通、安全性、サービス、スマートツーリズム、環境保護などの要件で総合的に評価して、A、AA、AAA、AAAA、AAAAA(最高)の5段階に区分される。
(注4)チケット経済(票根経済)とは、公演、スポーツ、旅行などのチケットを起点に、飲食、宿泊、買い物などへの消費を波及させる経済モデル。消費者は、公演、スポーツ大会、展示会、観光などにおけるチケットなどを提示することで、その後の消費シーンにおいて割引などを受けることができる。

(黄子珊)

(中国)

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広東省、観光友好型都市建設ガイドラインを発表

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/0de26b5bff04b975.html

時系列

主な数値

指針分野数 7分野
指針項目数 50項目
粤港澳大湾区の対象都市数 9都市

この事例から確認すべきポイント

広東省が発表した「観光友好型都市建設ガイドライン(試行)」は、中国の観光強国建設方針と広東省の観光業の質の高い発展を推進する重要な政策です。このガイドラインは、観光客の利便性向上、公共サービスの強化、文化体験の促進、法執行の柔軟化、インバウンド誘致など、多岐にわたる具体的な指針を7分野50項目で示しています。特に、多言語対応AI翻訳機器の導入推進、手荷物預かりや給水設備の整備、24時間無料公衆トイレの設置といったインフラ整備は、観光客の満足度向上に直結します。また、軽微な交通違反に対する「首違不罰」や宿泊料金の制限は、観光客の体験価値を高め、不満を抑制する意図が伺えます。さらに、「チケット経済」の発展促進は、観光を起点とした消費の波及効果を狙う経済戦略の一環であり、広東省が観光を経済成長の重要な柱と位置付けていることを示唆します。日本企業が広東省で観光関連事業を展開する場合、これらの指針を深く理解し、現地の政策に合わせたサービス提供や事業戦略の検討が不可欠となります。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-27

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