経済・産業トレンド

中国国務院、「消費拡大」に関する5カ年規画を発表、サービス消費の拡大に注力

中国国務院は2026年7月2日、「消費拡大『第15次5カ年規画』に係る承認」を発表しました。2026年から2030年までの期間で、消費市場全体の持続的な規模拡大と商品・サービス消費の増加を目指し、社会消費品小売総額を約60兆元(約1,440兆円)に到達させる目標を掲げています。主な方針として、サービス消費の質向上、商品消費の高度化、新たな消費業態の育成、消費能力向上、消費環境改善、消費関連制度整備を推進。デジタル・グリーン消費や体験型消費の促進、雇用優先戦略、所得向上、社会保障政策の整備も含まれます。

この発表の要点

企業・自治体への影響

この規画は、中国市場に進出している、または進出を検討している日本企業に対し、消費トレンドの変化と新たなビジネス機会を示唆します。特に飲食、宿泊、介護、保育、文化、旅行、健康、スポーツ、小売、デジタル、グリーン関連産業は、政策的な後押しを受ける可能性があり、事業戦略の見直しや新規参入の検討が求められます。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 広報 経理

対応期限:施行日まで

基本データ

企業・団体 中国国務院
発表日 2026-07-02
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月17日

中国国務院は7月2日、「消費拡大『第15次5カ年規画』に係る承認」(国函〔2026〕66号)を発表した(中国政府ウェブサイト掲載は7月13日)。

同発表では、「第15次5カ年(2026~2030年)規画」期間において、消費市場全体における持続的な規模の拡大や、社会全体の商品消費およびサービス消費の比較的早いペースでの増加を実現するとした。また、社会消費品小売総額を約60兆元(約1,440兆円、1元=約24円)に到達させるほか、消費構造の高度化などを掲げた。主な方針は次のとおり。

サービス消費の質および国民生活の向上の推進

商品消費の規模拡大および高度化の推進

新たな消費業態、ビジネスモデル、消費シーンの育成および創出

消費能力の向上

消費環境の大幅な改善

消費関連制度およびメカニズムのさらなる整備

1.では、飲食サービスの質の向上や、宿泊業の質の高い発展を促進するなど、生活・サービス消費の高度化を目指すとした。また、「銀髪経済(シルバーエコノミー)」の促進による養老関連消費の拡大のほか、乳幼児保育総合施設の拡充など、保育関連の消費を支援するとした。加えて、文化・旅行、健康、スポーツなどの分野における消費の促進が掲げられた。

3.では、デジタル消費やグリーン消費といった消費業態を促進するとともに、各地の状況に応じた首発経済(注)の推進を行うとした。また、体験型消費を育成するとして、小売り、文化、旅行、健康、スポーツといった分野における技術応用を進めるとした。

4.では、質の高い十分な雇用を促進するとして、雇用優先戦略を実施するとともに、新たな職業や雇用機会の積極的な育成を図るとした。また、生産要素に応じた所得分配制度の拡充などを通して、所得の向上を促進するとした。そのほか、基本年金および基本医療保険の財源確保や、給付水準のメカニズム整備、失業保険および労災保険の拡大など、社会保障政策の整備を行うとした。

国家発展改革委員会および商務部の担当者は7月13日、記者会見において、「2025年の社会消費品小売総額は50兆元の大台を超えたほか、『第14次5カ年(2021~2025年)規画』期間において、経済成長に対する最終消費支出の平均寄与率が58.8%に達した」と説明した。また、同発表の特徴については、「国民の利益重視」「総合的な推進」「イノベーション主導」の3点を挙げた。

(注)首発経済は、企業による新製品の発表、新業態・新モデル、新サービス、新技術の導入、店舗の開業などの経済活動の総称を指す。これまでになかった新たな製品やブランドを出店することで、経済を振興させることを目的とする。

(西島和希)

(中国)

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中国国務院、「消費拡大」に関する5カ年規画を発表、サービス消費の拡大に注力

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/dda669bf2377b7b9.html

時系列

主な数値

規画期間 2026~2030年
目標社会消費品小売総額 60兆元
目標社会消費品小売総額(円換算) 1440兆円
1元あたりの円換算 24円
2025年社会消費品小売総額 50兆元
第14次5カ年規画期間の経済成長に対する最終消費支出の平均寄与率 58.8%

この事例から確認すべきポイント

中国国務院が発表した「消費拡大『第15次5カ年規画』」は、2026年から2030年までの5年間で、国内消費市場の持続的な拡大と構造高度化を目指す国家戦略です。特にサービス消費の質向上、デジタル・グリーン消費といった新たな消費業態の育成に注力する点が特徴です。雇用促進や所得向上、社会保障政策の整備を通じて消費能力の底上げを図る方針も示されており、消費環境の包括的な改善を目指しています。この規画は、中国経済の成長モデルが投資・輸出主導から内需主導へと転換する中で、消費が果たす役割を一層重視する姿勢を明確にしています。日本企業にとっては、中国市場における消費トレンドの変化や新たなビジネス機会を把握する上で重要な指針となるでしょう。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-17

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