中国、複合運転支援システムの安全要求に関する強制国家標準を公布
この発表の要点
- 中国初のレベル2相当複合運転支援システムに関する強制国家標準(GB 47955-2026)が公布された。
- 2027年1月1日から施行され、M類・N類車両の「基礎単一車線型」「基礎複数車線型」「ナビゲーション併用型(NOA)」の3種型システムに適用される。
- 製品形態、機能要件、データ記録、完成車メーカーの安全保証責任、HMI、利用者への説明・教育、試験場・公道試験・文書審査を組み合わせた評価体系など広範な安全要求を規定している。
企業・自治体への影響
中国市場で複合運転支援システムを搭載するM類(乗用車、バスなど)およびN類(貨物輸送車)を製造・販売する自動車メーカー、部品サプライヤー、ソフトウェア開発企業に直接的な影響があります。新標準への適合が義務付けられ、製品設計、開発、認証、販売戦略の見直しが必要となります。特に、国際連合の技術規則UN R171と比較してより詳細な要件が定められており、中国市場特有の複雑な道路交通環境への適合が求められるため、関連企業は詳細な内容を確認し、対応を急ぐ必要があります。
対応すべきこと
- 公式出典(国家市場監督管理総局、国家標準化管理委員会、工業情報化部)にて、本標準(GB 47955-2026)の詳細な内容を確認する。
- 自社の製品や開発計画が本標準の対象となるかを確認し、適合に向けた影響評価を実施する。
- 製品開発、品質管理、法務、広報、情報システムなどの関係部門と連携し、2027年1月1日の施行日までに必要な対応計画を策定・実行する。
- 中国市場におけるICVおよび新エネルギー車分野の規制・標準体系の動向を継続的に監視する。
対象部門: 経営者 法務 情シス 広報
対応期限:施行日まで
基本データ
| 企業・団体 | 工業情報化部 |
|---|---|
| 業界 | 自動車 |
| 発表日 | 2026-07-02 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月15日
中国の工業情報化部(以下、同部)は7月2日、同部が策定した強制国家標準「インテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)の複合運転支援システム(注)安全要求」(GB 47955-2026)(以下、本標準)が、国家市場監督管理総局および国家標準化管理委員会により6月27日付で公布されたと発表した。2027年1月1日から施行される予定だ。
同部によれば、本標準は、レベル2相当の複合運転支援システムを対象とする中国初の強制国家標準だ。複合運転支援システムを搭載するM類(乗用車、バスなど)およびN類(貨物輸送車)を対象とし、「基礎単一車線型」「基礎複数車線型」「ナビゲーション併用型(NOA)」の3種型について、安全要求や認証要件を定めた。
中国では近年、スマートコネクテッドカー市場が急速に拡大している。同部によると、2026年時点で乗用車への複合運転支援システムの搭載率は70%に達し、このうちNOAの搭載率は30%を超えた。
本標準では、製品形態の違いを踏まえた安全要求を設定したほか、機能要件、データ記録、完成車メーカーの安全保証責任、ヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)、利用者への説明・教育などについても規定した。また、試験場試験、公道試験、文書審査を組み合わせた評価体系を導入し、システムの安全性を総合的に検証する仕組みを整備した。
同部によると、本標準は国際連合の技術規則UN R171(縦・横方向の運行補助機能、DCAS)と比べ、設計運行条件、機能要件、運転者の状態監視、利用者への情報提供などについて、より詳細な要件を定めた。また、試験場での試験シナリオを拡充するとともに、試験手順や合格基準を細分化し、各技術要求に対応する検査・試験方法を明確化するなど、中国特有の複雑な道路交通環境への適合を意識した内容となっている。
同部は、本標準の施行により、複合運転支援システムに関する統一的な安全基準を確立し、ICVの安全性向上と産業の健全な発展を後押しするとしている。また、自動運転システムを含む関連分野の強制国家標準の整備も引き続き進める方針を示した。
なお、同部は5月26日に「2026年自動車標準化作業要点」を公表し、ICVや複合運転支援システムなどに関する標準化を加速する方針を明らかにしていた。また、7月1日には「電気自動車安全要求」と「電気自動車用動力蓄電池安全要求」の2つの強制国家標準が施行された。ICVおよび新エネルギー車分野における規制・標準体系の整備が加速している。
(注)複合運転支援システムとは、運転者が常に周囲を監視し、車両を操作していることを前提に、複数の先進運転支援システム(ADAS)を統合制御するレベル2相当のシステム。
(龐婷婷)
(中国)
ビジネス短信 55fa789c5b69652a
関連情報
dummy
もっと見る
ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース
中国、複合運転支援システムの安全要求に関する強制国家標準を公布
ジェトロ公式SNSアカウント
出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/55fa789c5b69652a.html
時系列
- 2026-06-27 強制国家標準「インテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)の複合運転支援システム安全要求」(GB 47955-2026)が国家市場監督管理総局および国家標準化管理委員会により公布
- 2026-07-02 工業情報化部が本標準の公布を発表
- 2027-01-01 本標準が施行予定
主な数値
| 乗用車への複合運転支援システムの搭載率(2026年時点) | 70% |
|---|---|
| NOAの搭載率(2026年時点) | 30% |
この事例から確認すべきポイント
本標準は、中国が急速に拡大するスマートコネクテッドカー市場において、レベル2相当の複合運転支援システムに対する統一的な安全基準を確立する重要な一歩です。国際連合の技術規則UN R171と比較して、中国特有の複雑な道路交通環境への適合を意識した詳細な要件が盛り込まれており、製品形態の違いに応じた安全要求、データ記録、完成車メーカーの安全保証責任、HMI、利用者への説明・教育など、多岐にわたる規定が特徴です。これにより、中国市場で事業を展開する自動車メーカーや関連サプライヤーは、2027年1月1日の施行日までに製品の設計、開発、認証プロセスを見直し、新たな要件への適合を確実に進める必要があります。中国政府がICVおよび新エネルギー車分野の規制・標準体系整備を加速していることを示しており、今後の動向にも注視が求められます。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-15
関連事例
- NVIDIA社とのフィジカルAIの接続基盤となる6G及びAI RAN関連技術等に関する協力意向表明書の署名
- ドイツ防衛テックのクオンタム・システムズ、シリーズDで12億ドル調達、企業価値80億ドルに
- 米テキサス証券取引所が取引開始、NYSEやナスダックへの対抗目指す
- ジェトロ、「ISPO Shanghai 2026」にブース設置、日系21ブランドが出展
- インフィニオン、ドイツ東部ドレスデンで新半導体工場を開所、ドイツ政府も歓迎
自社のプレスリリースをPRazeに掲載しませんか?
無料でプレスリリースを掲載する