ICTリテラシーに係る実態調査の結果公表
この発表の要点
- ICTリテラシーの低さと偽・誤情報の拡散に一定の相関が見られる。
- 多くの人が自身のICTリテラシーを過大評価しており、具体的な向上策を講じていない実態がある。
- 認知バイアスは知識として知るだけでなく、自身に起こり得ると自覚することが、偽・誤情報の拡散抑制につながる可能性が示唆された。
企業・自治体への影響
本調査結果は、企業や自治体が情報発信を行う際のコミュニケーション戦略、特にデジタル空間における情報伝達のあり方に影響を与えます。従業員のデジタルリテラシー教育や、消費者・市民への情報提供方法について、広報部門、総務部門、人事部門などで再検討が求められる可能性があります。
対応すべきこと
- 自社の情報発信が、多様なICTリテラシーレベルの受け手に適切に伝わるか、表現や媒体を再確認する。
- 従業員向けに、偽・誤情報への対処法や認知バイアスに関するデジタルリテラシー研修の実施を検討する。
- 総務省「DIGITAL POSITIVE ACTION」プロジェクトの今後の取り組みや提供される啓発教材を継続的に確認する。
- SNS等での情報拡散に関する社内ガイドラインや注意喚起を改めて周知する。
対象部門: 経営者 総務 広報 人事
対応期限:定期確認
基本データ
| 企業・団体 | 総務省 |
|---|---|
| 発表日 | 2026-07-14 |
| 分類 | 統計・調査データ |
発表された内容
令和8年7月14日
ICTリテラシーに係る実態調査の結果公表
総務省は、利用者のICTリテラシーに関する認識や偽・誤情報の拡散傾向の実態把握を目的に「ICTリテラシー実態調査」を実施しましたので、その概要を公表します。
調査の結果、偽・誤情報を拡散した人の中で、ICTリテラシーに関するテスト(※1)に全問不正解であった人の割合は48.9%に上り、拡散していない人の全問不正解の割合(24.7%)の約2倍であり、ICTリテラシーと偽・誤情報の拡散行為の間に一定の相関が見られました。
また、SNS上で見かけた情報・ニュースに対して拡散前に「立ち止まって考える」意向を尋ねたところ、79.2%が「立ち止まって考えると思う」と回答しました。さらに、認知バイアス(※2)を知識として知るだけでは十分ではなく、持っている実感があることが、偽・誤情報の拡散抑制につながる可能性が示唆されました。
※1 ICTリテラシーテスト:「インターネットとの向き合い方〜ニセ・誤情報にだまされないために〜第2版」を参照し、制作。(https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/special/nisegojouhou/)
※2 認知バイアス:私たちが情報を見て判断するときに、無意識に起こる「考え方のくせ」のこと。例えば、自分の考え・好み・不安に合う情報だけを信じてしまう等
【調査の背景】
本調査は、総務省とプラットフォーム事業者・通信事業者等が官民連携で推進する、インターネットやSNSにおけるICTリテラシー向上のための意識啓発プロジェクト「DIGITAL POSITIVE ACTION」の一環として、インターネットやSNS利用者のICTリテラシーに関する認識や、偽・誤情報の拡散傾向等、ICTリテラシーに係る実態を把握し、ICTリテラシー向上の取組の推進に活用するために実施しました。
※ICTリテラシーを「情報通信サービス等を適切に活用するための能力」として調査実施
【調査結果のポイント】
1.過去に流通した偽・誤情報を見聞きした人に対して、その内容の真偽を尋ねたところ、「正しい情報だと思う」「おそらく正しい情報だと思う」と回答した割合は48.4%。他方、偽・誤情報に接触した人のうち、何らかの手段を用いて拡散した人の割合は20.3%。
2.ICTリテラシーに関するテストにおいて、5問中、全問正解した人の割合は5.6%、全問不正解は39.5%だった。偽・誤情報の拡散経験別の正答率では、拡散した人の中で全問不正解であった人の割合は48.9%であり、拡散していない人の全問不正解した人の割合(24.7%)の約2倍であった。
3.ディープフェイク(※3)を「自分は見破ることができる」と回答した人は、ICTリテラシーテストの全問不正解の割合が他の回答をした人と比べて群を抜いて高かった(61.5%)。
4.自分のICTリテラシーについて、平均的または平均より高いと思うと回答した人は、83.0%であった。
5.SNS等での投稿・拡散前に一度立ち止まって考えることは偽・誤情報等の拡散抑制に有効とされているが、SNS上で見かけた情報・ニュースに対して立ち止まって考える意向を尋ねたところ、79.2%が「立ち止まって考えると思う」と回答。
6.「認知バイアス」を知っている人は40.3%で、持っている実感がある人は46.8%であった。「認知バイアスを知っている」人の割合は、拡散経験がある人の方が高い(拡散経験のある人66.5%、拡散経験のない人52.3%)が、「認知バイアスを持っている実感がある」人の割合は、拡散経験がない人の方が高かった(拡散経験のある人54.3%、拡散経験のない人59.3%)。このことから認知バイアスは知識として知るだけでは十分ではなく、自身にも起こり得るものとして理解・自覚することが、慎重な情報判断や拡散抑制につながる可能性が示唆された。
7.インターネットやSNS利用時に「偽・誤情報等に触れている可能性がある」と回答した人は80.6%で、「偽・誤情報等を信じてしまう・騙されてしまう可能性がある」と回答した人は56.4%であった。
8.ICTリテラシー向上に向けた具体的な取組を「行っていない」人は65.8%であった。取組を実施しない理由としては、「取組み方が分からない」(50.4%)が最も多かった。
※3 ディープフェイク:「ディープラーニング(深層学習)」と「フェイク(偽物)」を組み合わせた造語で、本物または真実であるかのように誤って表示し、人々が発言または行動していない言動を行っているかのような描写をすることを特徴とする、AI技術を用いて合成された音声、画像あるいは動画コンテンツのこと
【調査概要】
調査期間
令和8年5月8日〜令和8年5月13日
対象地域
全国47都道府県
調査対象属性
15歳以上の男女
調査対象数
5,640名
調査事項
利用者のICTリテラシーに関する認識、偽・誤情報の拡散傾向等
調査方法
インターネット調査
【「DIGITAL POSITIVE ACTION」について】/調査結果を踏まえた今後の取組
「DIGITAL POSITIVE ACTION」は、インターネットやSNSにおける幅広い世代のICTリテラシー向上を目指し、官民連携での意識啓発プロジェクトとして発足しました。趣旨に賛同するプラットフォーム事業者、通信事業者、IT関連企業、関連団体等が参画しています。
プロジェクトでは、「世代に応じた多様な普及啓発」「SNS・デジタルサービスにおけるサービス設計上の工夫」「信頼性の高い情報にかかる表示上の工夫」の方向性の下、普及啓発教材の作成やセミナー・シンポジウムの開催、広報活動等、更なるICTリテラシー向上に向けた取組を推進しています。取組内容は、Webサイトを通じて随時公表しています。今回の調査結果も踏まえて、ICTリテラシー向上に資する施策や認知バイアスに着目した周知啓発等の取組を引き続き実施してまいります。
生活を楽しく便利にしてくれるインターネットですが、偽情報や誤情報、フェイク動画や詐欺広告、誹謗中傷などによって、正確な情報が手に入らなかったり、惑わされてしまったりすることもあります。日常と隣り合わせになったデジタル空間を、誰もが安心できる場所にするために、情報社会を支える企業・団体とともに、安心できる情報社会づくりを進めてまいります。
「DIGITAL POSITIVE ACTION」総合WebサイトURL:https://www.soumu.go.jp/dpa/
(参考1)「総務省|報道資料|総合的なICTリテラシー向上に向けた官民連携プロジェクト「DIGITAL POSITIVE ACTION」の開始」(令和7年1月22日付報道発表)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu05_02000169.html
(参考2)「総務省|報道資料|ICTリテラシーに係る実態調査の結果公表及びテレビ・WebCMの放映開始」(令和7年5月13日付報道発表)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu05_02000176.html
(参考3)「インターネットとの向き合い方〜はじめてのフィルターバブル&エコーチェンバー〜」
https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/special/filterbuble_echochamber/
(参考4)「インターネットとの向き合い方〜はじめてのアテンション・エコノミー〜」https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/special/attention_economy/
(参考5)「ICTリテラシー向上のためのゲーム型教育プログラム「リテプロ」」
https://ictliteracy-game.soumu.go.jp/
(参考6)「総務省|インターネット上の違法・有害情報に対する対応(情報流通プラットフォーム対処法)|インターネット上の違法・有害情報に関してお困りの方へ」
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/ihoyugai_02.html
連絡先
総務省
情報流通行政局 情報流通振興課 情報活用支援室
電話:03-5253-5743
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出典: 総務省
URL: https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu05_02000193.html
時系列
- 2025-01-22 官民連携プロジェクト「DIGITAL POSITIVE ACTION」の開始
- 2026-05-08 ICTリテラシー実態調査の開始
- 2026-05-13 ICTリテラシー実態調査の終了
- 2026-07-14 ICTリテラシーに係る実態調査の結果公表
主な数値
| 偽・誤情報を拡散した人の中で、ICTリテラシーに関するテストに全問不正解であった人の割合 | 48.9% |
|---|---|
| 偽・誤情報を拡散していない人の全問不正解の割合 | 24.7% |
| SNS上で見かけた情報・ニュースに対して拡散前に「立ち止まって考える」意向を持つ人の割合 | 79.2% |
| 過去に流通した偽・誤情報を見聞きし「正しい情報だと思う」「おそらく正しい情報だと思う」と回答した割合 | 48.4% |
| 偽・誤情報に接触した人のうち、何らかの手段を用いて拡散した人の割合 | 20.3% |
| ICTリテラシーに関するテストで全問正解した人の割合 | 5.6% |
| ICTリテラシーに関するテストで全問不正解だった人の割合 | 39.5% |
| ディープフェイクを「自分は見破ることができる」と回答した人のICTリテラシーテスト全問不正解の割合 | 61.5% |
| 自分のICTリテラシーについて、平均的または平均より高いと思うと回答した人の割合 | 83.0% |
| 「認知バイアス」を知っている人の割合 | 40.3% |
| 「認知バイアスを持っている実感がある」人の割合 | 46.8% |
| インターネットやSNS利用時に「偽・誤情報等に触れている可能性がある」と回答した人の割合 | 80.6% |
| 「偽・誤情報等を信じてしまう・騙されてしまう可能性がある」と回答した人の割合 | 56.4% |
| ICTリテラシー向上に向けた具体的な取組を「行っていない」人の割合 | 65.8% |
| ICTリテラシー向上に向けた取組を実施しない理由で「取組み方が分からない」と回答した人の割合 | 50.4% |
| 調査対象数 | 5640名 |
この事例から確認すべきポイント
本調査結果は、企業や組織が情報発信を行う上で、受け手のICTリテラシーレベルを考慮することの重要性を示唆しています。特に、偽・誤情報の拡散経験者においてICTリテラシーテストの正答率が低いこと、また多くの人が自身のICTリテラシーを過大評価している点は、情報が意図せず誤解されたり、不正確な形で拡散されたりするリスクがあることを意味します。企業広報は、情報の正確性だけでなく、平易な言葉遣いや多角的な視点からの説明を心がけ、認知バイアスに配慮したコミュニケーション戦略を検討する必要があります。また、従業員のデジタルリテラシー向上は、社内における情報共有の正確性を保ち、外部への誤情報拡散を防ぐ上で不可欠な課題です。具体的な取り組み方が分からないという回答が多いことから、企業は従業員向けの教育プログラムやガイドラインの提供を検討すべきでしょう。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-14
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