全人代、政府調達法と入札・応札法の改正案の意見募集稿を発表
この発表の要点
- 中国の政府調達法と入札・応札法の改正案意見募集稿が発表され、7月25日まで意見を募集している。
- 政府調達法改正案は、平等な参加保障や不合理な差別禁止を明記しつつ、国産品調達原則を維持する。
- 入札・応札法改正案は、腐敗防止のための情報公開強化、資料保存期間延長、罰金額の大幅引き上げを盛り込んでいる。
企業・自治体への影響
中国市場で政府調達や入札・応札に関わる日本企業は、法改正によるビジネス環境の変化に直接影響を受ける。特に、調達部門、法務部門、経営層は、新たな公平競争の要件やコンプライアンス強化、罰則厳格化への対応を検討する必要がある。
対応すべきこと
- 改正案の全文を公式出典で確認し、自社の事業への具体的な影響を評価する。
- 意見募集期間内に、必要に応じて意見を提出することを検討する。
- 法務部門と連携し、改正後の法規制に準拠するための社内体制や契約内容の見直しに着手する。
- 調達・営業部門に対し、改正案の主要な変更点と今後の対応方針を周知する。
対象部門: 経営者 法務 経理 広報
対応期限:公募締切まで
基本データ
| 企業・団体 | 全国人民代表大会 (全人代) |
|---|---|
| 発表日 | 2026-07-08 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
| 地域 | 中国 |
発表された内容
2026年07月08日
中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)は6月26日、「政府調達法(改正案)」「入札・応札法(改正案)」の意見募集稿を発表した。意見募集の締め切りはいずれも7月25日となっている。
「政府調達法(改正案)」では、現行法からの変更点として、第1条の本法制定の目的に、「全国統一大市場」の建設(2026年6月5日記事参照)を推進し、経済社会の質の高い発展に資するという文言が追加された。このほか、法律の適用範囲が見直され、政府調達の政策機能の強化が示された。また、調達予算から調達需要、調達の実施、契約履行、検収に至るまで、調達プロセス全体を対象とした管理が新たに追加された。さらに、各種経営主体による平等な政府調達への参加を国が保障することが明確化された。加えて、調達主体が調達ニーズに応じて供給者の資格要件を定める際には、同要件が契約の履行に直接関係し、かつ調達案件の特性に適合していなければならないと規定され、不合理な条件によって供給者を差別的に扱うことが禁止されている(注1)。このほか、調達予算の設定、調達実施計画、調達意向の公開などに関する規定を含む「政府調達実施前の準備」の章や、「政府調達のデジタル化」の章が新設されるなど、幅広い分野にわたる改正案が示されている(注2、注3)。
「入札・応札法(改正案)」では、入札・応札分野における腐敗防止に向けた監督管理措置の整備を重点的に進めるとして、入札が義務付けられている案件について、入札計画の公表に加え、落札結果、選定方法、落札者を決定した主な理由などの情報を公開することが明確化された。また、入札・応札に関する資料は少なくとも15年間保存し、選定の過程については、全過程の記録と追跡可能な管理を行うことが求められる。さらに、応札者や潜在的応札者の資本の所有形態、組織形態、経営規模を限定してはならないとする規定が追加されたほか、入札・応札に関する政策措置を策定する際には、公平競争審査を経ることが新たに盛り込まれた。このほか、処罰の厳格化として、談合、贈賄による落札、落札案件の不正な譲渡などの違法行為に対する罰金額を、従来の「案件金額の0.5%以上1%以下」から「2%以上10%以下」へと大幅に引き上げている。
(注1)中国日本商会が6月11日に発表した「中国経済と日本企業2026年白書」では、「予見性・透明性、公平性が確保されたビジネス環境整備」に関して、政府調達、補助金政策などの分野において、内外企業を区別しない、公平な競争環境の確保を要望している(2026年6月15日記事参照)。
(注2)同改正案は全10章104条から構成されている。現行法は全9章88条の構成で、2002年6月29日公布、2003年1月1日施行、2014年8月31日改正、公布、施行されている。2014年改正では、一部の条文の微調整にとどまっている。
(注3)本改正案において、政府調達では原則として自国の物品、工事、サービスを調達しなければならないとの規定は引き続き維持されている。なお、中国国務院は2026年1月1日より、政府調達法などに基づいて、「政府調達における国産品基準と関連政策に関する通知」を施行している(2025年10月3日記事、ジェトロ調査レポート「中国政府調達における一部物品の国産品基準の概要および今後の見通しについて(478KB)」参照)。
(張敏)
(中国)
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全人代、政府調達法と入札・応札法の改正案の意見募集稿を発表
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/c9fdc142c5cc78f7.html
時系列
- 2026-06-26 全人代が「政府調達法(改正案)」「入札・応札法(改正案)」の意見募集稿を発表
- 2026-07-25 「政府調達法(改正案)」「入札・応札法(改正案)」の意見募集締め切り
主な数値
| 談合、贈賄、不正譲渡などの違法行為に対する罰金額(旧) | 0.5%以上1%以下案件金額の割合 |
|---|---|
| 談合、贈賄、不正譲渡などの違法行為に対する罰金額(新) | 2%以上10%以下案件金額の割合 |
| 入札・応札に関する資料の保存期間 | 15年 |
| 政府調達法(改正案)の章数 | 10章 |
| 政府調達法(改正案)の条文数 | 104条 |
この事例から確認すべきポイント
中国における政府調達および入札・応札に関する法改正は、国内外の企業にとってビジネス環境の透明性、公平性、競争条件に大きな影響を与える。特に、政府調達法改正案における「全国統一大市場」建設の推進や平等な参加保障、不合理な差別禁止は、外資系企業を含む多様な経営主体が中国市場で公平に競争できる環境整備への期待を高める。一方で、原則として自国製品の調達を維持する規定は、引き続き内外企業間の競争条件に影響を与える可能性がある。入札・応札法改正案では、腐敗防止と監督管理の強化が明確に打ち出されており、情報公開の拡充や罰則の厳格化は、企業のコンプライアンス体制の強化を強く促すものとなる。これらの改正案は、中国市場で事業を展開する企業に対し、より厳格な倫理基準と透明性の確保を求める動きと捉えるべきである。意見募集期間中に内容を精査し、自社への影響を評価することが重要となる。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-08
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