経済・産業トレンド

USMCA見直し協議、協定延長めぐり米連邦議会議員の意見割れる

2026年7月1日に行われた米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の共同見直しにおいて、米国が協定延長に合意しなかったため、3カ国は協議を継続することとなりました。米連邦議会議員の間では、米国通商代表部(USTR)の延長非合意姿勢を支持する声と、延長すべきだとする声が党派内でも分かれており、メキシコの差別的政策やカナダの貿易障壁、米国の雇用オフショアリング、貿易赤字への対処など、現行協定の課題解決が求められています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

北米地域に事業展開する製造業、農業、IT企業などは、USMCAの今後の協議進展や協定内容の変更がサプライチェーン、貿易条件、投資環境に影響を及ぼす可能性があるため、動向を注視する必要があります。特に、メキシコでの生産やカナダとのデジタル貿易に関わる企業は、政策変更のリスクを評価し、事業戦略への影響を検討することが求められます。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 法務 経理

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 日本貿易振興機構(ジェトロ)
発表日 2026-07-03
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月03日

米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の共同見直しが7月1日に行われた。米国が延長に合意しなかったため、3カ国は協議を継続することとなった(2026年7月2日記事参照、注1)。

米国の連邦議会議員からは、USMCAの延長に合意しなかった米国通商代表部(USTR)の姿勢を支持する声が上がる一方で、延長すべきだとする声もあり、同じ党派内でもそれぞれの立場によって意見は割れている。下院で通商を所管する歳入委員会の委員長であるジェイソン・スミス議員(共和党、ミズーリ州)や同委員会の貿易小委員会の委員長であるエイドリアン・スミス議員(共和党、ネブラスカ州)は7月1日に声明(J.スミス議員、A.スミス議員)を発表し、ともに政権の決定を支持する姿勢と現行制度におけるUSMCAの課題(注2)を指摘した。民主党からも、ローザ・デラウロ議員(民主党、コネチカット州)が、労働組合(注3)とともに6月30日に発表した声明で、現状のままUSMCAを延長すべきでないと主張し、メキシコへの米国の雇用オフショアリングやメキシコ・カナダとの貿易赤字の急増などに対処しなければならないと指摘した(米通商専門誌「インサイドUSトレード」7月1日)。

一方で、下院歳入委員会のドン・ベイヤー議員(民主党、バージニア州)は7月1日に発表した声明で、延長に合意しなかった政権の決定を「重大な過ち」との評価をした(注4)。

(注1)米国のUSMCA見直しに関する方針は、USTRのジェミソン・グリア代表が2025年12月に実施した議会報告の中で示されている(2026年2月20日付地域・分析レポート参照)。
(注2)J.スミス議員は、エネルギー分野などにおけるメキシコの米国投資家に対する差別的な政策や、カナダによる米国の酪農家に対する差別的な政策などを挙げた。A.スミス議員は、メキシコによる遺伝子組み換えトウモロコシの輸入禁止措置や、カナダのデジタル貿易障壁などを挙げた。
(注3)声明には、全米自動車労働組合(UAW)、全米鉄鋼労働組合(USW)、国際機械工労組(IAM)、全米大工組合(UBC)の代表者が署名した。
(注4)ただし、協定の継続を確保するとともに、発効後6年間で浮上した新たな課題に対処するよう求めている点は上述の議員と同様の姿勢がみられる。

(滝本慎一郎)

(米国、メキシコ、カナダ)

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USMCA見直し協議、協定延長めぐり米連邦議会議員の意見割れる

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/28344c71d5c4e126.html

時系列

この事例から確認すべきポイント

本発表は、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の共同見直し協議における米連邦議会の動向を伝えており、米国が協定延長に合意しなかったことで、今後の協議の行方が注目されます。議会内では、米国通商代表部(USTR)の姿勢を支持し、メキシコの差別的政策やカナダの酪農家への差別的政策、遺伝子組み換えトウモロコシ輸入禁止措置、デジタル貿易障壁といった現行協定の課題解決を求める声がある一方、延長非合意を「重大な過ち」と評価しつつも、協定継続と新たな課題対処を求める声も存在します。これは、米国がUSMCAを単なる貿易協定としてだけでなく、雇用、環境、労働、デジタル経済といった多岐にわたる国内政策目標達成の手段と捉えていることを示唆します。日本企業にとっては、北米サプライチェーンや貿易政策の安定性に影響を及ぼす可能性があり、今後の協議の進展と米国議会の議論の方向性を注視する必要があるでしょう。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-03

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