経済・産業トレンド

2025年のベトナム・スタートアップへの投資、ヘルスケア、AI、気候テックが伸長

ベトナム財政省傘下の国家イノベーションセンター(NIC)などが「Vietnam innovation & Private Capital Report 2026」を発表しました。同レポートによると、2025年のベトナム・スタートアップへのベンチャーキャピタル投資額は前年比28%増の5億900万ドルで、4年ぶりに増加に転じました。投資件数は減少したものの、特定の有望企業への投資が集中。特にヘルスケア、AI、気候テック分野で投資が大幅に伸長し、ベトナム発のグローバル展開スタートアップへの投資も過去最高を記録しています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

ベトナム市場への進出を検討しているテクノロジー企業や投資ファンドは、ヘルスケア、AI、気候テック分野の成長機会を注視すべきです。特に、ベトナム政府の政策動向と連携した事業展開や、グローバル展開を目指すスタートアップとの協業は、新たなビジネスチャンスを生み出す可能性があります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 広報 経理

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 国家イノベーションセンター(NIC)、Vietnam Private Capital Agency(VPCA)
業界 投資・テクノロジー
発表日 2026-05-28
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月01日

添付資料(256 KB)

ベトナム財政省傘下の国家イノベーションセンター(NIC)などは5月28日、2025年のベトナム・スタートアップ(SU)などへの投資動向などをまとめた「Vietnam innovation & Private Capital Report 2026」を発表した(注1)。

同レポートによると、2025年の投資動向の主なポイントは次のとおり。

(1)2025年のベトナムSUに対するベンチャーキャピタル(VC)投資額(注2)は、前年比28%増の5億900万ドルとなり、過去最高を記録した2021年以来4年ぶりに増加に転じた(添付資料図1参照)。一方、投資件数は13%減の103件となり、2021年以来減少傾向が続いている。幅広いポートフォリオへの分散投資ではなく、特定の有望企業へ投資が集中する結果となった。

(2)投資額の規模別にみると、特に中規模案件(300万~1,000万ドル)は、過去3年で最大の件数および金額(16件、1億400万ドル)となったほか、大型案件(5,000万ドル超)も2件2億3,500万ドルとなり、金額ベースでは2022年以降で最高水準となった。さらに、投資ステージ別は、シリーズC以上の案件が前年比4件増の6件となり、2022年以降で最多となった。

(3)分野別では、ヘルスケアが首位で、前年比2.7倍の1億7,000万ドルとなった。また、4位の気候テック(Climate Tech)は、ベトナム政府による脱炭素化政策や規制強化を背景に、成熟した規模拡大が見込める事業への投資が拡大しており、前年比52%増の3,500万ドルと過去最高となった(添付資料表参照)。

(4)その他、分野横断的なテーマして、人工知能(AI)への投資は前年比1.6倍の1億3,000万ドルとなり、2023年比で約13倍の成長となった。投資件数も2023年の12件、2024年の13件から2025年は23件へと増加し、2023年比で約1.9倍に拡大した(添付資料図2参照)。また、ベトナム発のグローバル展開スタートアップ(注3)への投資が拡大しており、25年の投資額は過去最高の5,100万ドル(前年比1.8倍)となった。

(注1)同レポートは、従来2020年からNICが地場ベンチャーキャピタル(VC)のDo Venturesと共著で「Vietnam Innovation & Tech Report」として発表。2025年からは、NICとVietnam Private Capital Agency(VPCA)との共同、かつ米国ボストンコンサルティンググループ(BCG)の協力を得ての作成となり、レポートの名称もあらため、VCとプライベートエクイティー(PE)の両面からベトナムのプライベートキャピタルの概況を包括的に捉えたレポートになった。なお、VPCAは、Do Venturesをはじめとするベトナム・東南アジアの主要ファンドにより設立された団体で、Do Venturesのビー・レー創業者兼ゼネラルパートナーが会長を務める。
(注2)同レポートによると、投資総額は、テクノロジー企業における幅広い資金調達活動を反映。ベンチャーキャピタル以外の投資、例えばベンチャーデット、プロジェクトファイナンス、企業スピンオフなども含まれるが、デジタルトークンによる資金調達はこれらの数字には含まれていない。
(注3)同レポートによると、本定義は、ベトナムで設立され、グローバルに事業を展開しているスタートアップ企業を指す。創業当初から国際市場向けに構築された企業と、最近ベトナム国外に事業を拡⼤した企業の両⽅を含む。

(三木貴博)

(ベトナム)

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2025年のベトナム・スタートアップへの投資、ヘルスケア、AI、気候テックが伸長

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/666039160b3fc02f.html

時系列

主な数値

2025年のVC投資額 509000000ドル
2025年のVC投資額前年比増加率 28%
2025年の投資件数 103件
2025年の投資件数前年比減少率 13%
2025年の中規模案件件数 16件
2025年の中規模案件金額 104000000ドル
2025年の大型案件件数 2件
2025年の大型案件金額 235000000ドル
2025年のシリーズC以上案件増加数 4件増
2025年のシリーズC以上案件件数 6件
2025年のヘルスケア分野投資額 170000000ドル
2025年のヘルスケア分野投資額前年比増加率 2.7倍
2025年の気候テック分野投資額 35000000ドル
2025年の気候テック分野投資額前年比増加率 52%
2025年のAI分野投資額 130000000ドル
2025年のAI分野投資額前年比増加率 1.6倍
2023年のAI分野投資件数 12件
2024年のAI分野投資件数 13件
2025年のAI分野投資件数 23件
2025年のグローバル展開スタートアップ投資額 51000000ドル
2025年のグローバル展開スタートアップ投資額前年比増加率 1.8倍

この事例から確認すべきポイント

ベトナムのスタートアップ投資市場は、2025年にベンチャーキャピタル投資額が4年ぶりに増加に転じ、過去最高水準に迫る回復を見せました。これは、投資件数が減少する中で、特定の有望企業や成長ステージの進んだ企業への投資が集中した結果と分析できます。特にヘルスケア、AI、気候テックといった分野が顕著な成長を示しており、ベトナム政府の脱炭素化政策や技術革新への注力が投資を後押ししていることがうかがえます。また、ベトナム発のグローバル展開を目指すスタートアップへの投資拡大は、国内市場だけでなく国際市場での競争力を持つ企業への期待が高まっていることを示唆しており、ベトナム経済の構造変化と新たな成長ドライバーの台頭を反映していると言えるでしょう。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-01

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