2025年の石油生産、中東で前年比3.5%増の日量3,112万バレル、世界全体では過去最高
この発表の要点
- 2025年の世界石油生産量は過去最高を記録し、中東およびOPEC加盟国が生産増を牽引した。
- 米国が最大の石油生産国であり、輸出量も最多を維持している。
- 中東情勢の悪化により、日本の原油輸入量が大幅に減少しており、サプライチェーンへの影響が懸念される。
企業・自治体への影響
エネルギー関連企業、製造業、物流業、商社など、原油価格や供給安定性に影響を受ける企業は、サプライチェーンのリスク管理や調達戦略の見直しが必要となります。特に中東情勢は日本のエネルギー調達に直接的な影響を与えるため、関連企業は動向を注視すべきです。
対応すべきこと
- 最新のエネルギー市場動向と地政学リスクに関する情報を継続的に収集する。
- 自社のサプライチェーンにおけるエネルギー調達の安定性についてリスク評価を実施する。
- エネルギー調達先の多様化や再生可能エネルギーへの移行など、中長期的な戦略を検討する。
- 関係部門(調達、経営企画、リスク管理など)と情報共有し、対応方針を協議する。
対象部門: 経営者 広報 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 日本貿易振興機構(ジェトロ) |
|---|---|
| 業界 | エネルギー・資源 |
| 発表日 | 2026-07-01 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月01日
英国のエネルギー関連団体のエネルギー研究所が6月30日にプレスリリースした「世界エネルギー報告」によると、世界の2025年の石油生産量は前年比3.5%増加し、過去最高水準の日量1億59万バレルだった。中東(注)では、前年比3.5%増の日量3,112万バレルで、世界シェア30.9%となっている。
OPEC加盟国では減産方針の緩和もあり、前年比4.7%増となり、世界シェアは34.2%で前年の33.9%から微増した。
なお、世界の2025年の電力需要は前年比3.0%増加し、石油需要は1.3%増加したほか、再生可能エネルギー(再エネ)の利用も大幅に増加しているという。
生産上位10カ国の半分が中東諸国
国別の石油生産量をみると、米国が前年比3.9%増の日量2,107万バレル、世界シェア20.9%で最大だ。サウジアラビアが5.1%増の日量1,141万バレル(シェア11.3%)、ロシアが0.2%減の日量1,074万バレル(シェア10.7%)で続いた。上位10カ国ではロシア以外では前年から増加を見せた。
石油生産上位10カ国の日量生産と前年比増減率は次のとおり。
米国:2,107万バレル、前年比3.9%増
サウジアラビア:1,141万バレル、5.1%増
ロシア:1,074万バレル、0.2%減
カナダ:616万バレル、4.6%増
イラン:518万バレル、2.4%増
イラク:440万バレル、2.3%増
中国:434万バレル、1.8%増
アラブ首長国連邦(UAE):421万バレル、5.0%増
ブラジル:388万バレル、12.4%増
クウェート:282万バレル、2.3%増
同報告書によると、2025年の世界の石油輸出量は前年比0.3%増の日量6,960万バレルだった。国別では、前年に続いて米国が最多で前年比1.5%増の日量979万バレル(シェア14.1%)だった。生産順と同じく、サウジアラビアが0.1%増の日量770万バレル(シェア11.0%)で2位、ロシアが5.5%減の日量715万バレルで続いた。サウジアラビアを除く中東の輸出量は3.6%増の日量1,725万バレルで、世界の輸出シェア24.8%となっている。
中東諸国からの原油の輸出先をみると、アジア向けが多い。サウジアラビアからは中国、日本、インドの順に原油輸出量が多く、UAEからは日本、中国、インドの順、クウェートからは中国、インド、日本の順だ。また、米国からは欧州向け、ロシアからは中国、インド向けの原油輸出が多い。
一方、2026年2月末にイスラエルと米国によるイランとの軍事衝突など中東情勢の悪化もあり、中東諸国の石油輸出の要衝であるホルムズ海峡の通航が停止状態に陥っている。日本の5月の「原油および粗油」輸入量は前年同月比57.3%減、中東からの輸入量は61.9%減となった(2026年6月26日記事参照)。
中東情勢と世界各国の動きは「イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報」、ホルムズ海峡や代替ルートなどの状況は「激動の中東情勢:中東各国への影響と展望」も参照。
(注)同報告書では、イラン、イラク、イスラエル、ヨルダン、レバノン、バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、シリア、アラブ首長国連邦(UAE)、イエメンを中東に含む。
(井澤壌士)
(中東、世界、米国、中国、ロシア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦)
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2025年の石油生産、中東で前年比3.5%増の日量3,112万バレル、世界全体では過去最高
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/144c86f2f3130a02.html
時系列
- 2026-02-29 イスラエルと米国によるイランとの軍事衝突など中東情勢が悪化
- 2026-05-31 日本の「原油および粗油」輸入量が前年同月比57.3%減、中東からの輸入量が61.9%減
- 2026-06-30 英国のエネルギー関連団体「エネルギー研究所」が「世界エネルギー報告」をプレスリリース
- 2026-07-01 ジェトロが本記事を公開
主な数値
| 2025年世界石油生産量 | 100590000バレル/日 |
|---|---|
| 2025年世界石油生産量(前年比増減率) | 3.5%増 |
| 2025年中東石油生産量 | 31120000バレル/日 |
| 2025年中東石油生産量(前年比増減率) | 3.5%増 |
| 2025年OPEC加盟国石油生産量(前年比増減率) | 4.7%増 |
| 2025年世界電力需要(前年比増減率) | 3.0%増 |
| 2025年世界石油需要(前年比増減率) | 1.3%増 |
| 2025年米国石油生産量 | 21070000バレル/日 |
| 2025年世界石油輸出量 | 69600000バレル/日 |
| 2026年5月日本の原油および粗油輸入量(前年同月比増減率) | -57.3%減 |
| 2026年5月日本の中東からの輸入量(前年同月比増減率) | -61.9%減 |
この事例から確認すべきポイント
本発表は、2025年の世界的なエネルギー市場の動向、特に石油生産の増加と地政学リスクが日本のエネルギー供給に与える影響を示唆しています。世界全体の石油生産量が過去最高を記録し、中東やOPEC加盟国がその増加を牽引している一方で、中東情勢の悪化がホルムズ海峡の通航停止状態を引き起こし、日本の原油輸入量が大幅に減少している点は、企業にとって重要なリスク要因です。エネルギー価格の変動や供給途絶のリスクは、製造業、物流業、商社など、エネルギーを大量に消費または取引する企業にとって、サプライチェーンの安定性やコスト構造に直接的な影響を及ぼします。また、再生可能エネルギーの利用増加も示されており、中長期的なエネルギー戦略の見直しや多様化の必要性も浮き彫りになっています。企業は、これらの国際情勢とエネルギー市場の動向を継続的に監視し、リスク管理体制の強化と事業継続計画の策定を進めることが求められます。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-01
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