OPECプラス7カ国、7月に日量18万8,000バレルの増産を実施へ
この発表の要点
- OPECプラス7カ国が7月から日量18万8,000バレルの増産を決定しました。
- 原油市場の安定化が目的ですが、中東情勢が価格に大きく影響を与えています。
- 次回会合は2026年7月5日に開催予定です。
企業・自治体への影響
原油価格の変動は、製造業、運輸業、化学産業など、エネルギーを多用する企業や、サプライチェーンに原油関連製品を含む企業に直接的なコスト変動リスクをもたらします。国際情勢の不安定化は、事業計画や調達戦略の見直しを迫る可能性があります。
対応すべきこと
- 国際情勢、特に中東地域の動向とOPECプラスの発表を継続的に監視する。
- 原油価格の変動が自社の調達コストや製品価格に与える影響を評価する。
- エネルギーコスト変動リスクに対するサプライチェーンのレジリエンス強化策を検討する。
- 関係部門(経理、調達、経営企画など)と情報を共有し、対応方針を協議する。
対象部門: 経営者 経理 広報
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | ジェトロ |
|---|---|
| 業界 | エネルギー・資源 |
| 発表日 | 2026-06-26 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年06月26日
添付資料(202 KB)
OPECプラス(注)構成国のうち、サウジアラビア、ロシア、イラク、クウェート、カザフスタン、アルジェリア、オマーンの7カ国は6月7日、オンライン会合を開催し、世界の原油市場の状況および見通しについて協議した(6月7日付プレスリリース)。その結果、原油市場の安定化を図るためとして日量18万8,000バレルの増産を実施することを決定した。同増産は7月から適用される予定。
2026年4月の会合では、アラブ首長国連邦(UAE)を含むOPECプラス8カ国は5月の原油生産量を、4月と同水準の日量20万6,000バレル増産することを決定した(2026年4月14日記事参照)。UAEが5月1日付でOPECおよびOPECプラスを脱退(2026年4月30日記事参照)し、7カ国になった5月の会合では、6月に日量18万8,000バレルの増産を実施するとしていた。
7カ国は、世界の原油の需給環境を引き続き注視しつつ、原油市場の安定確保に向けて慎重な対応を維持する必要性を共有したとしている。
次回会合は2026年7月5日に開催予定。
原油価格は中東情勢に敏感に反応
原油価格は2026年2月28日の米国・イスラエルによるイランへの先制攻撃(2026年3月2日記事参照)以降、ホルムズ海峡が通航停止状態(2026年3月4日記事参照)などを受けて4月をピークに大幅に上昇した。続いて下降と上昇があり、その後は米国とイランの覚書合意の動き(2026年6月15日記事参照)などに反応して再び下降傾向にある。米国エネルギー情報局(EIA)の統計によれば、2026年6月15日時点で米WTIは1バレル当たり84.65ドル、北海ブレントが84.36ドルとなっている(添付資料図参照)。
中東の関連情報はイスラエル・米国とイランの衝突に関する中東情勢、各国の反応を参照。
(注)OPECにはサウジアラビア、イラン、イラク、クウェート、ベネズエラ、リビア、アルジェリア、ナイジェリア、ガボン、赤道ギニア、コンゴ共和国の11カ国が加盟している。OPECプラスはこれに加え、ロシア、カザフスタン、アゼルバイジャン、メキシコ、オマーン、マレーシア、ブルネイ、バーレーン、南スーダン、スーダンなどのOPEC非加盟産油国で構成される。
(大家俊夫)
(中東、世界、サウジアラビア、ロシア、イラク、クウェート、カザフスタン、アルジェリア、オマーン)
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OPECプラス7カ国、7月に日量18万8,000バレルの増産を実施へ
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/949bc14169fcab05.html
時系列
- 2026-02-28 米国・イスラエルによるイランへの先制攻撃
- 2026-04-00 OPECプラス8カ国が5月の原油生産量を日量20万6,000バレル増産することを決定
- 2026-05-01 アラブ首長国連邦(UAE)がOPECおよびOPECプラスを脱退
- 2026-05-00 UAE脱退後のOPECプラス7カ国が6月に日量18万8,000バレルの増産を実施すると決定
- 2026-06-07 OPECプラス7カ国がオンライン会合を開催し、7月から日量18万8,000バレルの増産を実施することを決定
- 2026-06-15 米WTI原油価格が1バレル当たり84.65ドル、北海ブレントが84.36ドルを記録
- 2026-07-00 日量18万8,000バレルの増産が適用開始
- 2026-07-05 次回会合開催予定
主な数値
| 7月からの日量増産量 | 188000バレル/日 |
|---|---|
| 5月からの日量増産量(4月決定) | 206000バレル/日 |
| 6月からの日量増産量(5月決定) | 188000バレル/日 |
| 増産決定参加国数 | 7カ国 |
| 米WTI原油価格(2026年6月15日時点) | 84.65ドル/バレル |
| 北海ブレント原油価格(2026年6月15日時点) | 84.36ドル/バレル |
この事例から確認すべきポイント
OPECプラスによる日量18万8,000バレルの増産決定は、世界の原油市場の安定化を目指すものです。しかし、過去の増産決定の経緯やUAEの脱退、中東情勢の緊迫化が原油価格に敏感に反応している現状は、市場の不確実性が高いことを示しています。企業は、エネルギーコストの変動が事業に与える影響を継続的に評価し、サプライチェーンのレジリエンス強化や代替エネルギーの検討など、リスク管理体制を強化する必要があります。特に、製造業、運輸業、化学産業など、原油を直接的・間接的に利用する業種は、国際情勢やOPECプラスの動向を注視し、価格変動への対応策を講じることが不可欠です。次回の会合結果も市場に影響を与えるため、継続的な情報収集が求められます。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-06-26
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