英国・ウクライナ・テックフォーラム、官民連携の強化などについて議論
この発表の要点
- 英国・ウクライナ・テックフォーラムが開催され、両国のテック分野での連携強化と投資機会が議論された。
- ウクライナのテック産業は成長を続けており、直近2年間で3社のユニコーン企業が誕生するなど、高いイノベーション能力を持つ。
- 英国政府はウクライナのデジタル変革支援や防衛ビジネスセンター新設を通じて、ウクライナの復興と技術発展を支援する方針。
企業・自治体への影響
IT・ソフトウェア、防衛、フィンテック、通信、デジタルインフラ関連企業は、ウクライナ市場への参入や英国との連携を通じたビジネス機会を検討するきっかけとなる可能性があります。自治体にとっては、国際協力や紛争後の復興支援における技術活用のモデルケースとして参考になる可能性があります。
対応すべきこと
- ウクライナのテックエコシステムにおける投資機会やパートナーシップの可能性を調査する。
- 英国政府が推進するウクライナ支援プログラム(UKディジット等)や「英・ウクライナ・テックブリッジ」の動向を注視する。
- 自社の技術やサービスがウクライナの防衛、サイバーレジリエンス、ガブテック、デジタルインフラ維持などの分野で貢献できるかを検討する。
- 関係部門(経営企画、海外事業、R&D等)へ本発表の内容を共有し、今後の戦略立案に役立てる。
対象部門: 経営者 法務 情シス 経理 広報
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | ジェトロ |
|---|---|
| 業界 | IT・ソフトウェア |
| 発表日 | 2026-06-24 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年06月24日
「英国・ウクライナ・テックフォーラム」が6月10日、ロンドン証券取引所で開催された。ウクライナと英国の政府関係者に加え、スタートアップ、投資家などが参加し、両国のテック分野での連携強化や投資機会について議論した。
英国ビジネス・通商省のリアノン・ケンプソン・ウクライナ復興担当副部長は、「ウクライナは防衛テックのみならず、民間分野でも高度なイノベーション能力を有している」と説明した。また、6月上旬に派遣された、ウクライナの防衛技術イノベーションプラットフォーム「Brave1」による英国投資ミッションに言及したほか、今後キーウに新設される英国防衛ビジネスセンターが、ウクライナ軍への支援強化において、英国企業支援の重要な拠点になると期待を示した。さらに、英国政府がウクライナのデジタル変革省やユーラシア財団と連携して取り組む「UKディジット(Digitalisation for Growth, Integrity and Transparency:Digit)」プログラムについても紹介した(注1)。
英国ビジネス・通商省のケンプソン副部長(ジェトロ撮影)
230社以上が集まるウクライナの企業連合「ディーア・シティー・ユナイテッド(Diia City United)」の同代表を務めるナタリア・ミコルスカ氏は、「ウクライナのテック産業は成長を続けており、直近2年間で3社のユニコーン企業(設立から10年以内で10億ドル以上の評価額を付けられた未上場企業)が誕生した(注2)」と述べた。また、同国の大手通信会社のキーウスター(Kyivstar)が2025年8月にナスダックに上場した事例を紹介した。
ディーア・シティー・ユナイテッドのミコルスカ代表(ジェトロ撮影)
ミコルスカ氏は「英国には2万5,500社のウクライナ人所有企業があり、英国に移住したウクライナ人が両国とビジネスを結び付ける重要な役割を果たしている」と指摘。また、「われわれはウクライナのテックエコシステムに関心を持つ、全ての人のためのワンストップ窓口となる」と述べた。
ウクライナのデジタル変革省のナタリア・デニケイエワ次官は、「英国は最も重要な技術的パートナーの1つ」だと強調。さらに、「英・ウクライナ・テックブリッジ(UK-Ukraine Tech Bridge)などの取り組みを通じ、両国間の企業、投資家、人材、アイデアを結び付ける実践的な橋渡しが進んでいる」と評価した。「防衛、サイバーレジリエンス、ガブテック(行政サービスのデジタル化技術)、極限状況下でのデジタルインフラや公共サービスの維持などの分野で、ウクライナの経験を共有できる」と述べ、今後の協力拡大にも期待を示した。
デジタル変革省のデニケイエワ次官(ジェトロ撮影)
(注1)UKディジットは、ウクライナのデジタル変革を通じて、同国のより透明で効率的な行政サービスの構築や、経済復興などを支援するプログラム。
(注2)ミコルスカ氏の講演ではデジタル銀行のモノバンク(Monobank)を開発したフィンテック・ITグループ、防衛テックのUフォース(UForce)の2社が紹介された。
(森詩織)
(英国、ウクライナ)
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英国・ウクライナ・テックフォーラム、官民連携の強化などについて議論
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/f46c1cb84490bf31.html
時系列
- 2026-06-10 英国・ウクライナ・テックフォーラムがロンドン証券取引所で開催
- 2025-08 ウクライナの大手通信会社キーウスターがナスダックに上場
主な数値
| ウクライナのユニコーン企業数(直近2年間) | 3社 |
|---|---|
| 英国のウクライナ人所有企業数 | 25500社 |
この事例から確認すべきポイント
本フォーラムは、英国がウクライナの経済復興と技術発展を支援する強い意向を示していることを明確にしている。特に防衛テック、デジタル変革、サイバーレジリエンスといった分野でのウクライナのイノベーション能力と成長性が強調されており、これらは国際的な協力や投資の機会を示唆する。日本企業にとっては、ウクライナのテックエコシステムへの参入や、両国間の連携を通じた新たなビジネス機会の創出を検討する上で重要な情報となる。特にIT、防衛、フィンテック、デジタルインフラ関連企業は、英国政府の支援プログラムや「英・ウクライナ・テックブリッジ」のような取り組みを注視し、具体的なパートナーシップや市場開拓の可能性を探るべきである。また、政府機関や国際協力団体は、紛争後の復興支援における技術協力のモデルケースとして、本事例から学びを得ることができる。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-06-24
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