サラワク州で「APGH 2026」開催、水素経済発展を推進
基本データ
| 分類 | 経済・産業トレンド |
|---|
発表された内容
2026年06月25日
マレーシア東部のボルネオ島に位置するサラワク州の州都クチンで6月9日から11日にかけて、「アジア太平洋グリーン水素2026(Asia Pacific Green Hydrogen 2026, APGH 2026)」が開催された。同イベントは、グリーン水素の開発、投資、インフラ整備、技術導入を推進する戦略的プラットフォームとして位置付けられ、16カ国から2,856人が来場し、85社が参加した。
開会式で、サラワク州のアバン・ハジ・アブドゥル・ラーマン・ジョハリ州首相は、水、天然ガス、バイオマスなどの豊富な再生可能エネルギー資源を強みに水素経済を推進し、同州を地域のクリーンエネルギー拠点として発展させる方針を示した。また、ASEANでのエネルギー統合を推進するとともに、越境電力輸出の拡大し、2030年までに最大10ギガワット(GW)の電力輸出を目指す方針も明らかにした。
サラワク州エネルギー・環境持続可能性省のハジ・ハズランド副大臣は、APGH 2026について、同州が水素経済で地域リーダーとなる重要な節目であり、アイデアを具体的な行動と成果につなげていく取り組みであると述べた。加えて、同州では、輸送や製造、インフラ分野でクリーン水素の導入が進められていることを明らかにした。とりわけ、クチンでは水素を活用した自動高速輸送システム(ART)やバスが導入され、ビントゥルでは大規模水素製造プロジェクトが進行中で、水素の輸出を目指している。さらに、水素燃料供給インフラの整備も進められ、既に1カ所が稼働し、2030年までにさらに6カ所の設置が計画されている。
ジェトロは同イベントにおいて、「マレーシアで脱炭素化に貢献する日系企業の製品・サービスカタログ」の広報ブースを出展し、同カタログに掲載されている52社の日本企業による製品・サービスを紹介した。出展者や来場者と同州の水素経済の発展可能性について意見交換を行ったところ、豊富な再生可能エネルギー資源と地理的優位性への期待が示された一方、水素物流コストの高さなど経済性の観点で課題があるとする声が聞かれた。同州で課題解決支援を行うコンサルティング会社からは「特に、日本など遠隔地への輸送においては、現時点でコスト効率の高い手段が確立されておらず、大規模な商業化の大きな障壁となっている」とのコメントがあった。さらに、サラワク州における水素経済エコシステム(注)は整備途上であり、エコシステム完成には約10年を要する可能性があるとの意見も聞かれた。
多くの来場者でにぎわう展示会場(ジェトロ撮影)
APGH 2026開会式の様子(ジェトロ撮影)
(注)水素の製造、輸送、貯蔵、供給、利用に至るまでの一連のバリューチェーンおよび関連産業・制度の体系を指す。
(戴可炘、近藤皐平)
(マレーシア)
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サラワク州で「APGH 2026」開催、水素経済発展を推進
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/b8a4acb2815435f3.html
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公開日: 2026-06-25
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