経済・産業トレンド

英企業登記局、会計に関わる会社法の変更は2028年4月から導入

英国企業登記局は、2023年経済犯罪と企業透明性法に基づく会社法の会計関連変更を2028年4月1日から導入すると発表しました。当初2027年4月1日予定でしたが、企業の準備期間確保のため後ろ倒しとなりました。これにより、財務諸表のインラインXBRL方式での提出義務化、零細団体・小規模企業の提出要件変更、監査報告書免除申請の詳細声明義務化、会計基準期間短縮回数制限などが導入されます。これらの変更は、登記簿データの透明性向上や経済犯罪対策を目的としています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

英国で事業を展開する企業、特に会計・経理部門および法務部門は、財務諸表の提出方法のデジタル化や提出要件の変更に対応する必要があります。規模に応じた提出書類の変更や、監査免除申請時の追加要件は、内部プロセスの見直しやシステム改修を伴う可能性があります。

対応すべきこと

対応優先度:  英国で事業を行う企業にとって、会計関連の法令変更であり、対応にはシステム改修や業務プロセスの見直しが必要となるため、中程度の優先度で情報収集と準備を進めるべきである。

対象部門: 経営者 法務 情シス 経理

対応期限:施行日まで

基本データ

企業・団体 英国企業登記局(カンパニーズ・ハウス)
発表日 2026-06-17
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年06月17日

英国企業登記局(カンパニーズ・ハウス)は6月9日、2023年経済犯罪と企業透明性法(ECCT2023)により変更が発表された会社法のうち、会計に関わる変更を2028年4月1日から導入すると発表した。2025年6月のECCT2023進捗レポートで今後の変更点として公表され、2027年4月1日に導入が予定されていたが(2025年7月8日記事参照)、関係者からの意見聴取を経て、企業の準備期間を確保するため後ろ倒しとなった。

今回の変更により、登記簿上のデータの透明性、正確性、信頼性の向上、経営判断の参考となる情報の提供、他国に合わせた業務の近代化、経済犯罪への取り組みを進めるとしている。導入される措置は次のとおり。

財務諸表の提出は商用ソフトウエアを利用したインラインXBRL方式での提出に限定。ウェブサイト、紙での提出は廃止する。

零細団体(マイクロ・エンティティー、注1)と小規模企業(スモール・カンパニー、注2)の提出要件の変更。マイクロ・エンティティーは貸借対照表および損益計算書の写し、スモール・カンパニーは貸借対照表、取締役報告書、監査報告書(免除される場合を除く)、損益計算書の写しの提出が必要となる。また、スモール・カンパニーの要約財務諸表提出の選択肢を削除する。なお、両企業とも損益計算書を登記簿に掲載しないという選択肢を付与する。

監査報告書免除の申請には、取締役による詳細な声明の提出を必要とする。

企業が会計基準期間を短縮できる回数を制限する。

カンパニーズ・ハウスはこれまでに、登記簿への適切な住所の登録および私書箱の利用を廃止し、登記時のEメールアドレスの登録(2024年1月31日記事参照)、取締役や重要な支配権を持つ人物の本人確認(2025年11月7日記事参照)などの措置を導入している。

(注1)次の条件のうち2つ以上に該当する団体。

売上高100万ポンド(約2億1,400万円、1ポンド=約214円)以下

総資産額50万ポンド以下

従業員数10人以下

(注2)次の条件のうち2つ以上に該当する企業。

売上高1,500万ポンド以下

総資産額750万ポンド以下

従業員数50人以下

(野崎麻由美)

(英国)

ビジネス短信 ffd2f764c7060ba4

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英企業登記局、会計に関わる会社法の変更は2028年4月から導入

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出典: JETRO ビジネス短信
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/ffd2f764c7060ba4.html

時系列

主な数値

マイクロ・エンティティー売上高上限 100万ポンド
マイクロ・エンティティー総資産額上限 50万ポンド
マイクロ・エンティティー従業員数上限 10人
スモール・カンパニー売上高上限 1500万ポンド
スモール・カンパニー総資産額上限 750万ポンド
スモール・カンパニー従業員数上限 50人
為替レート 214円/ポンド

この事例から確認すべきポイント

英国企業登記局による会社法の会計関連変更は、企業の透明性向上と経済犯罪対策を目的としており、特に財務諸表の提出方法のデジタル化(インラインXBRL方式への限定)と、零細団体・小規模企業の提出要件の見直しが注目されます。当初の導入予定が1年後ろ倒しになったことは、関係者からの意見聴取を経て、企業が新たなシステムやプロセスへの移行準備期間を十分に確保できるよう配慮された結果と読み取れます。これは、大規模な制度変更において、実務への影響を考慮し、段階的な導入や十分な周知期間を設けることの重要性を示唆しています。企業は、英国での事業展開において、これらの変更が自社の会計・報告業務に与える影響を早期に評価し、必要なシステム改修や内部プロセスの見直しを進める必要があります。特に、デジタル提出への移行や、規模に応じた提出書類の変更は、経理・法務部門にとって大きな対応事項となるでしょう。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-06-17

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