高市首相が訪英しスターマー英首相と会談、経済安全保障や先端技術に関する協力を推進
この発表の要点
- 日本と英国が経済安全保障協力に関する共同宣言と先端技術パートナーシップを発出。
- AI、量子、宇宙、サイバーレジリエンス、エネルギー、重要鉱物など広範な分野での協力を推進。
- 英国政府は、洋上風力発電やインフラ、金融サービス分野で総額180億ポンド(約3兆8,700億円)以上の投資合意見通しを発表。
企業・自治体への影響
日本と英国の企業は、経済安全保障や先端技術分野での協力機会が増加する可能性があります。特に、エネルギー、重要鉱物、AI、量子、宇宙、サイバーレジリエンス、創薬・医療、洋上風力発電、インフラ、金融サービス関連の企業は、新たなビジネスチャンスや連携の可能性を検討する必要があるでしょう。
対応すべきこと
- 経済安全保障協力に関する日英首脳共同宣言および日英フロンティア・テクノロジー・パートナーシップの原文内容を確認する。
- 自社の事業が対象となる先端技術分野(AI、量子、宇宙、サイバーレジリエンス等)や投資分野(洋上風力、インフラ、金融サービス等)に該当するか検討する。
- 英国とのビジネス展開を検討している企業は、関連する投資機会や協力覚書の内容を詳細に確認する。
- 関係部門(経営企画、国際事業、研究開発、法務、広報など)へ本発表の情報を共有し、今後の戦略立案に活用する。
対応優先度: 中 日本と英国間の経済安全保障および先端技術協力の強化は、関連する産業分野の企業戦略に中長期的な影響を与える可能性があるため。
対象部門: 経営者 法務 広報 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | JETRO ビジネス短信 |
|---|---|
| 発表日 | 2026-06-17 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年06月17日
添付資料(104 KB)
日本の高市早苗首相は6月14日、英国のロンドンを訪問し同国のキア・スターマー首相と会談した(日本政府プレスリリース、英国政府プレスリリース)。両首脳は、「経済安全保障協力に関する日英首脳共同宣言(和文、英文)」と、「日英フロンティア・テクノロジー・パートナーシップ(和文、英文)」を発出した。
「経済安全保障協力に関する日英首脳共同宣言」は、2023年の広島アコード(2023年5月19日記事参照)を補完し、経済安全保障に関する2国間協力を推進するためのビジョンを示すものであり、2国間貿易および投資の推進、エネルギー、重要鉱物およびそれらのサプライチェーンや、防衛分野などにおける協力の深化を掲げている。また、「日英フロンティア・テクノロジー・パートナーシップ」は、2026年1月のスターマー首相訪日時に両者がコミットした、先端技術に関する優先課題の進展に向けた連携を実現するものであり、人工知能(AI)、量子、デュアルユース、宇宙、通信ネットワーク、原子力、核融合、サイバーレジリエンス、創薬・医療などの分野における協力事項をまとめている。
また、両国関係機関・企業間で12件の各種協力覚書が交わされ、そのうちの1つとして、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とジェトロは、英国のイノベートUKと、応用研究、技術開発およびビジネス開発の支援に関する覚書を締結した。
英国政府は会談前日の6月13日、英国と日本は、数万人の新規雇用と総額180億ポンド(約3兆8,700億円、1ポンド=約215円)以上の経済効果を英国にもたらす投資について合意する見通しだと発表した(注)。内訳は、洋上風力発電分野で最大90億ポンド、インフラ、金融サービス分野で計90億ポンド以上となっている。洋上風力発電分野では、5.9ギガワット(GW)の浮体式洋上風力発電プロジェクトを支援するとしている。スコットランド東海岸沖の、丸紅が出資するオシアン(Ossian)および東京電力リニューアブルパワー子会社フローテーションエナジーが出資するグリーン・ボルト(Green Volt)、ならびにケルト海の関西電力が出資するエレバス(Erebus)が含まれる。インフラ、金融サービス分野の投資については、添付資料表を参照。
(注)どの程度が新規投資で、どの程度が既に発表済みの計画に基づくものかは明らかにされていない(6月14日付BBC)。
(齊藤圭)
(英国、日本)
ビジネス短信 420183de1c53cc13
関連情報
dummy
もっと見る
ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース
高市首相が訪英しスターマー英首相と会談、経済安全保障や先端技術に関する協力を推進
ジェトロ公式SNSアカウント
出典: JETRO ビジネス短信
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/420183de1c53cc13.html
時系列
- 2023-05-19 広島アコードが発表される
- 2026-01 スターマー英首相が訪日し、先端技術に関する優先課題の進展に向けた連携にコミットする
- 2026-06-13 英国政府が、英国と日本が数万人の新規雇用と総額180億ポンド以上の経済効果をもたらす投資について合意する見通しだと発表する
- 2026-06-14 日本の高市首相が英国ロンドンを訪問し、キア・スターマー英首相と会談。「経済安全保障協力に関する日英首脳共同宣言」と「日英フロンティア・テクノロジー・パートナーシップ」を発出する
- 2026-06-17 JETROが本件に関するビジネス短信を公開する
主な数値
| 協力覚書締結件数 | 12件 |
|---|---|
| 英国への経済効果総額 | 180億ポンド |
| 英国への経済効果総額(日本円換算) | 3兆8,700億円 |
| 為替レート | 215円/ポンド |
| 洋上風力発電分野の投資額 | 90億ポンド |
| インフラ・金融サービス分野の投資額 | 90億ポンド以上 |
| 浮体式洋上風力発電プロジェクト規模 | 5.9ギガワット |
この事例から確認すべきポイント
本発表は、日本と英国が経済安全保障と先端技術分野での連携を強化する具体的な動きを示しています。2023年の広島アコードやスターマー首相の訪日時のコミットメントを補完・具体化するものであり、両国の戦略的パートナーシップの深化がうかがえます。AI、量子、宇宙、サイバーレジリエンスといった次世代技術から、エネルギー、重要鉱物、防衛といった基幹産業まで、広範な分野での協力が明記されている点は注目に値します。また、英国への大規模な投資見通しが示されており、洋上風力発電やインフラ、金融サービスといった具体的な分野での経済効果が期待されます。これは、両国間の経済活動の活性化だけでなく、グローバルなサプライチェーンの強靭化や技術革新にも寄与する可能性があります。ただし、投資の内訳には新規投資と既存計画の区別が不明確な点も指摘されており、今後の進捗に注視が必要です。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-06-17
関連事例
- EU政策のEPCが経済安全保障フォーラム開催、対中・対米関係とASEANを含むパートナー多角化を協議
- 米に関するマンスリーレポート(令和8年6月号)の公表について
- 「電波有効利用委員会報告(案)」に対する意見募集の結果
- ウィーンでコソボ経済フォーラムが開催
- プレミアム居住権保有者、就労許可証の取得が必要に
自社のプレスリリースをPRazeに掲載しませんか?
PRazeを見る