経済・産業トレンド

キルギス在住日本人が学研式教育を展開、ニッポン・ホスピタリティー・タビに聞く

ニッポン・ホスピタリティー・タビ(NHT)は、キルギスにおいて学研とのフランチャイズ契約に基づき、2021年秋から学研式教育事業を展開しています。同社は現在、キルギス国内に9教室を運営し、6歳から12歳までの約400人の生徒に算数と道徳教育を提供。主要顧客を私立学校とし、放課後学習に学研式教育を組み込む形で事業を拡大しています。今後の展望として、国内でのさらなる展開とキルギス日本商工会議所を通じた両国企業の交流促進を目指しています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

海外市場への事業展開を検討している企業、特に教育サービスやフランチャイズモデルに関心のある企業にとって、具体的な市場開拓事例として参考になります。現地の人口動態や教育制度への適応、BtoB戦略の構築、および顧客(保護者)への理解促進の重要性が示唆されます。

対応すべきこと

対応優先度:  海外市場への事業展開や国際協力に関心のある企業にとって参考となる情報であり、事業戦略の検討に役立つため。

対象部門: 経営者 広報 経理 法務

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 ニッポン・ホスピタリティー・タビ
業界 教育, 旅行, コンサルティング
発表日 2026-06-16
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年06月16日

中央アジアのキルギスは、728万人の人口のうち14歳以下の割合が31.8%にのぼる(キルギス国家統計委員会、2025年)若い国だ。同国には、子供たちに日本の学研式の教育事業を展開する日本人がいる。キルギスで旅行や教育事業などを行う企業ニッポン・ホスピタリティー・タビ(NHT)の朝山琴美代表取締役に、教育事業について聞いた(6月3日)。

NHTを立ち上げた朝山琴美代表取締役(ジェトロ撮影)

(問)経歴は。
(答)2013年に国際協力機構(JICA)の海外協力隊として観光振興支援のためキルギスに滞在。任期が終わり日本に帰国後、キルギスに再度渡り2016年にNHTを設立。今に至る。

(問)NHTの概要は。
(答)キルギスの首都ビシケクを拠点に、旅行や教育、コンサルティング事業を展開する。設立当初は旅行手配が主業務だったがコロナ禍を機に新事業として日本式教育の可能性に着目。学研とのフランチャイズ契約により、2021年秋からキルギスで学研式教育の展開を始めた。

(問)教育事業の状況は。
(答)現在キルギス国内に9教室を運営。対象は6歳から12歳で生徒数は400人ほど。学研式の算数教育、道徳教育を行っている。教材やマニュアルは、日本のものを学研本社から綿密な監修を受けてロシア語に翻訳した。言葉以外は日本と同じだ。

ビシケク市内の教室の様子。あえて背もたれのない椅子は学研式だ(ジェトロ撮影)

(問)主な顧客は。
(答)日本のように教室に通う個人生徒もいるが、日本と異なるのは主要顧客が私立学校である点だ。キルギスでは子供の数が増える一方、公立学校の整備が追い付かないので私立学校が増えている(注)。体感では子供の10%ほどが私立学校に通っている。この点に着目し私立学校にアプローチ。現在は複数の私立学校に、必須型のカリキュラムとして放課後学習に学研式教育を組み込んでもらっている。

(問)課題は。
(答)生徒の保護者への理解浸透だ。個人生徒と異なり、学校内での展開だと当社と保護者の接点が限られ、学研式教育の利点を訴求する機会に乏しい。私立学校の授業料を負担する保護者の理解は必須だ。現在、保護者向け説明の機会を設けるなどで取り組んでいる。

(問)今後の展望は。
(答)教育事業についてはキルギス第2の都市オシなど国内にさらに展開したい。加えて、2024年2月に設立されたキルギス日本商工会議所(KJCC)の共同代表も務めている。両国企業の交流促進にも取り組みたい。

(注)キルギス国家統計委員会によると、初等教育(7歳から10歳)を行う私立学校の数は2020年の35校から2024年に47校に増加している。

(一瀬友太)

(キルギス、日本)

ビジネス短信 86fb1975ea634e64

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キルギス在住日本人が学研式教育を展開、ニッポン・ホスピタリティー・タビに聞く

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出典: JETRO ビジネス短信
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/86fb1975ea634e64.html

時系列

主な数値

キルギスの人口 728万人
キルギスの14歳以下人口割合 31.8%
NHT運営教室数 9教室
NHT生徒数 400人
キルギスの初等教育を行う私立学校数(2020年) 35校
キルギスの初等教育を行う私立学校数(2024年) 47校

この事例から確認すべきポイント

本事例は、日本企業が海外市場で教育サービスを展開する際の戦略と課題を示しています。キルギスの若い人口構成と私立学校増加という現地市場の特性を捉え、学研とのフランチャイズ契約を通じて日本式の教育モデルを導入している点が注目されます。特に、個人顧客だけでなく私立学校を主要顧客とすることで、事業の安定的な拡大を図っている点は、海外展開におけるBtoB戦略の有効性を示唆します。一方で、保護者への理解浸透という課題は、文化や教育制度が異なる市場でのサービス提供において、顧客とのコミュニケーション戦略の重要性を浮き彫りにしています。国際協力の経験を持つ起業家が、現地ニーズに応じた事業を立ち上げ、さらに商工会議所活動を通じて両国経済交流に貢献しようとする姿勢は、海外進出を検討する企業にとって多角的な示唆を与えます。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-06-16

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