スウェーデンの高機能ポリマー大手、モロッコで航空宇宙向け新工場を開所
この発表の要点
- トレルボルグがモロッコに航空宇宙産業向け新工場を開所し、約1億3,000万モロッコ・ディルハムを投資。
- 新工場は将来的に150~200人の雇用を創出し、モロッコの航空宇宙産業のバリューチェーン強化に貢献。
- モロッコ政府は本プロジェクトを、同産業の現地定着と世界のサプライチェーンへの統合を目指す戦略と位置付けている。
企業・自治体への影響
航空宇宙産業に関わる企業は、モロッコにおけるサプライチェーンの変化や新たな調達機会に注目すべきです。製造業、特に高機能ポリマーやシーリングシステム関連企業は、グローバルな生産拠点戦略や新興市場への投資動向を把握する上で参考となります。モロッコへの進出を検討する企業は、政府の産業育成戦略や既存の産業集積地(ミッドパーク)の活用可能性を検討する機会となるでしょう。
対応すべきこと
- モロッコ市場への参入やサプライチェーン構築に関心がある場合、現地の産業政策や投資優遇制度について情報収集を行う。
- 航空宇宙産業関連企業は、トレルボルグのモロッコ工場稼働による調達先の変化や新たなビジネス機会を調査する。
- グローバルな生産拠点戦略を検討する企業は、本事例を参考に新興国における投資メリットやリスクを分析する。
対象部門: 経営者 広報 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | トレルボルグ(Trelleborg) |
|---|---|
| 業界 | 製造 |
| 発表日 | 2026-07-09 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月09日
スウェーデンの高機能ポリマーソリューション大手トレルボルグ(Trelleborg)(注)は6月9日、カサブランカのヌアサー航空産業フリーゾーン「ミッドパーク(Midparc)」内で、航空宇宙産業向けシーリングシステム(密封システム)を製造する新工場の開所式を開催した。式典にはリヤド・メズール産業・貿易相、フレデリカ・オルンブラント駐モロッコ・スウェーデン大使、ノアスール県知事のジャラル・ベンハユーン氏、ミッドパーク最高経営責任者(CEO)のハミド・ベンブラヒム・エル・アンダルッシ氏、モロッコ航空宇宙産業協会(GIMAS)会長のカリム・シェイク氏(Karim Cheikh)、トレルボルグCEOのピーター・ニルソン氏らが出席した。
今回の新工場設立は、2024年10月30日から11月2日に開催された「マラケシュ・エアショー2024」の期間中にモロッコ政府とトレルボルグが締結した覚書に基づくものである。投資額は約1億3,000万モロッコ・ディルハム(約22億円、1MAD=約17円)で、将来的に150~200人の雇用創出が見込まれる。同工場の稼働により、モロッコの航空宇宙産業のバリューチェーンに新たな価値をもたらすと期待されているほか、同社による現地航空関連企業からの調達拡大にも寄与するとみられている。
メズール産業・貿易相は、「本プロジェクトは、同産業の現地定着と世界の航空宇宙サプライチェーンへの統合を目指すモロッコの戦略と合致する」と述べた。さらに同相は、モロッコは欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域における同グループの主要な活動拠点となる潜在力を有するとしており、航空宇宙のほか、鉄道、研究開発(R&D)、エンジニアリング、再生可能エネルギー、グリーン水素などの分野でも協力拡大の可能性があるとの見方を示した。
ミッドパークはモロッコを代表する航空宇宙産業集積地であり、フランスの大手航空機エンジンメーカーSafranなどが進出している(2025年10月17日記事参照)。同工場には先端材料研究ラボが設置されるほか、モロッコ航空宇宙訓練センター(IMA)と連携した人材育成が進められる予定である。
(注)1905年創業のスウェーデン企業。高機能ポリマーソリューション分野の世界的大手企業で、2025年の売上高は約340億スウェーデンクローナ(約31億ユーロ)、従業員数は約1万6,000人。40カ国以上で100カ所超の拠点を展開し、モロッコではミッドパークとケニトラに拠点を有する。航空宇宙、自動車、医療、産業分野向け製品を提供する。
(鈴木優香)
(スウェーデン、モロッコ)
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スウェーデンの高機能ポリマー大手、モロッコで航空宇宙向け新工場を開所
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/d291631d48c318c6.html
時系列
- 2024-10-30 マラケシュ・エアショー2024の期間中にモロッコ政府とトレルボルグが覚書を締結(〜11月2日)
- 2026-06-09 カサブランカのヌアサー航空産業フリーゾーン「ミッドパーク」内で新工場の開所式を開催
主な数値
| 投資額 | 130000000モロッコ・ディルハム |
|---|---|
| 投資額(日本円換算) | 2200000000円 |
| 雇用創出見込み | 150〜200人 |
| トレルボルグ創業年 | 1905年 |
| トレルボルグ2025年売上高 | 34000000000スウェーデンクローナ |
| トレルボルグ2025年売上高(ユーロ換算) | 3100000000ユーロ |
| トレルボルグ従業員数 | 16000人 |
| トレルボルグ拠点数 | 100カ所超 |
| トレルボルグ展開国数 | 40カ国以上 |
この事例から確認すべきポイント
本発表は、グローバル企業が新興市場へ投資する際の戦略と、進出先の政府が産業育成を目指す戦略が合致した好事例を示している。トレルボルグのモロッコ新工場設立は、同国の航空宇宙産業におけるバリューチェーンの強化と現地調達の拡大に貢献し、150~200人の雇用創出を通じて地域経済に直接的な影響を与える。また、先端材料研究ラボの設置や人材育成連携は、単なる生産拠点に留まらず、技術移転と長期的な産業基盤の強化を目指す姿勢がうかがえる。企業は、海外進出を検討する際、進出先の政府が掲げる産業政策や既存の産業集積地(ミッドパークのようなフリーゾーン)の活用可能性を深く分析する必要がある。特に、サプライチェーンの多様化や地域ごとの拠点強化が求められる現代において、このような戦略的投資は、関連業界の企業にとって市場動向や潜在的なビジネス機会を把握する上で重要な情報となる。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-09
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