韓国政府が「2026年下半期経済成長戦略」を発表、2026年の成長率見通しは上方修正
この発表の要点
- 韓国政府は「2026年下半期経済成長戦略」を発表し、2026年の実質GDP成長率見通しを年初の2.0%から3.0%へ上方修正した。
- 潜在成長率3.0%、輸出世界4位、国民所得5万ドルを目標とする「3・4・5ビジョン」を国家成長目標として提示した。
- 戦略は中東情勢悪化後の戦略、潜在成長率の回復、構造的問題への対応の3大分野を柱とし、半導体・AI投資、地方創生、社会問題対策など多岐にわたる政策を含む。
企業・自治体への影響
本戦略は、韓国での事業展開を検討している企業や、既に進出している企業に広範な影響を与えます。特に半導体、AI、再生可能エネルギー、観光、金融、不動産、地方創生関連の産業分野は、政策金融や優遇措置、市場再編などの影響を直接受ける可能性があります。また、若年層支援や労働者保護策、人材誘致策は、企業の人事戦略や雇用環境にも関連します。
対応すべきこと
- 韓国での事業展開を検討している企業は、本戦略の具体的な政策内容を詳細に確認する。
- 半導体、AI、グリーン産業など関連分野の企業は、政策金融や優遇措置の活用可能性を調査する。
- 地方進出や観光関連事業に関心のある企業は、地方主導の成長戦略や観光活性化策の詳細を把握する。
- 若年層支援、中小企業支援、特殊雇用労働者保護策など、社会政策関連の動向を注視し、自社の人事・雇用戦略への影響を評価する。
対象部門: 経営者 総務 法務 情シス 広報 人事 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 韓国政府 |
|---|---|
| 発表日 | 2026-07-14 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月21日
韓国政府は7月14日、「2026年下半期経済成長戦略」を発表した。本戦略では、2026年の実質GDP成長率見通しを年初の2.0%(注1)から3.0%に上方修正した上で、潜在成長率3.0%・輸出世界4位・国民所得5万ドルを意味する「3・4・5ビジョン」を国家成長目標として提示した。「代替不可能な大韓民国」へ飛躍するという構想だ。
本戦略は、(1)中東情勢悪化後の戦略、(2)潜在成長率の回復、(3)構造的問題への対応という3大分野を柱とした。具体的な内容は次のとおり。
(1)中東情勢悪化後の戦略(主なもの)
マクロ経済の安定的な運営:「未来対応基金」(注2)の新設、高物価・ウォン安・高金利への対応強化、若年層を中心とした住宅供給の拡大。
K-サプライチェーン・エネルギーの自律性確保:戦略物資の国内生産基盤強化および備蓄拡大、再生可能エネルギー普及およびエネルギー基盤強化(注3)、主要国との経済協力拡大。
(2)潜在成長率の回復(主なもの)
グローバルな圧倒的優位性を生む成長エンジンの育成:半導体・フィジカルAI(人工知能)・AIデータセンターなど3大メガプロジェクトの推進(2026年7月2日記事参照)、「超格差成長動力」(注4)の育成、研究開発体制と政策金融の見直し。
地方主導の成長強化:「5極3特」成長戦略の本格的推進、創業都市の拡大、公共機関の地方移転推進、観光活性化政策(「半額旅行事業」や宿泊割引券など)の拡大、財政・税制・公共調達の地方優遇強化。
(3)構造的問題への対応(主なもの)
二極化の克服:AIの雇用への影響に先制対応(「産業転換・雇用基本計画」の策定など)、若者の負担(雇用、住居、結婚、出産など)軽減に向けた総合的支援、「みんなの起業プロジェクト」(注5)を通じた起業基盤の整備、成長性の高い中小企業の支援強化(中堅企業への成長を支援)、伝統市場・商店街の育成支援、特殊雇用労働者の保護策を策定(「働く人の権利基本法」の制定推進など)。
構造革新に本格着手:資本市場と金融を生産的投資中心に転換、不動産金融を実需中心に再編(投機目的融資を抑制)、AIに基づく国家資産管理体制を構築、少子化対策(児童手当の支給対象拡大など)と人材確保(海外の優秀人材2,000人誘致など)のための政策拡大、年金をはじめとした多層的な老後所得保障体制の構築、産業現場や国民生活全般の安全管理基準を強化。
(注1)1月9日に発表した「2026年経済成長戦略」では、2.0%の実質GDP成長率見通しを掲げていた(2026年1月14日記事参照)。
(注2)半導体景気の回復などにより生じる追加税収を財源に、若者の支援や将来の成長動力、地方の均衡ある発展、人材育成に集中投資するための新しい基金。
(注3)小型モジュール型原子力発電所(SMR)、バッテリー、次世代太陽光など未来のグリーン産業の研究開発などに対して今後10年間で790兆ウォン(約82兆9,500億ウォン、1ウォン=約0.105円)規模の政策金融を投入。
(注4)製薬・バイオ分野、防衛産業分野、宇宙・航空分野などにおける成長基盤の確保。
(注5)韓国政府が実施する国民参加型の創業オーディションで、テック分野およびローカル(地方産業)分野を育成することを目的に2026年から開始。
(橋爪直輝)
(韓国)
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韓国政府が「2026年下半期経済成長戦略」を発表、2026年の成長率見通しは上方修正
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/3a6882b4cf3f68cc.html
時系列
- 2026-01-09 「2026年経済成長戦略」を発表し、2.0%の実質GDP成長率見通しを掲示
- 2026-07-02 3大メガプロジェクトの推進に関する記事が参照される
- 2026-07-14 「2026年下半期経済成長戦略」を発表し、2026年の実質GDP成長率見通しを3.0%に上方修正
- 2026 「みんなの起業プロジェクト」を開始
主な数値
| 2026年実質GDP成長率見通し(年初) | 2.0% |
|---|---|
| 2026年実質GDP成長率見通し(今回) | 3.0% |
| 潜在成長率目標 | 3.0% |
| 輸出目標 | 4位 |
| 国民所得目標 | 50000ドル |
| 未来のグリーン産業への政策金融投入規模(10年間) | 790兆ウォン |
| 海外優秀人材誘致目標 | 2000人 |
この事例から確認すべきポイント
韓国政府が発表した「2026年下半期経済成長戦略」は、マクロ経済の安定化から構造的な課題解決まで、多岐にわたる政策を包括的に提示している。特に、半導体やAIといった先端技術分野への大規模投資、地方創生、少子化対策、年金制度改革など、国家の持続的成長に向けた強い意志がうかがえる。企業は、この戦略が示す方向性を理解し、自社の事業戦略や投資計画にどのように影響するかを検討する必要がある。特に、韓国市場への参入や事業拡大を検討する企業にとっては、政策金融の活用や特定分野への優遇措置など、具体的な支援策を詳細に確認することが重要となる。また、労働市場や社会保障制度の改革も含まれており、現地での雇用や人事戦略にも影響を及ぼす可能性があるため、関連部門との連携が不可欠である。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-21
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