米商務省、ドイツのボッシュに輸出管理違反で罰金、中国ファーウェイに事前許可なしで輸出
この発表の要点
- 独ボッシュが米国の輸出管理規則(EAR)に違反し、事前許可なくファーウェイへMEMSセンサーなどを輸出した。
- ボッシュは3,618万4,680ドルの罰金支払いに合意し、利益返還により一部(360万1,029ドル)が猶予される。
- ボッシュは自主的な自己開示(VSD)を行い、BISの調査に協力した。
企業・自治体への影響
製造業やIT・通信業など、米国の輸出管理規則(EAR)や外国直接製品ルール(FDPR)の適用を受ける製品を取り扱う企業に対して、規制対象企業との取引における厳格なチェックと専門知識の徹底を求める強い警告となる。
対応すべきこと
- 自社のサプライチェーンおよび輸出製品が米国の輸出管理規則(EAR)やFDPR、エンティティー・リスト(EL)の規制対象に該当するか確認する。
- ファーウェイ等の規制対象企業に対する輸出管理の専門知識やリソースが社内で十分に確保されているか点検する。
- 万が一違反の可能性が発覚した場合は、自主的な自己開示(VSD)の活用も含めた対応体制を法務・総務部門で検討する。
対象部門: 経営者 総務 法務 情シス
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 米国商務省産業安全保障局(BIS) |
|---|---|
| 業界 | 製造 |
| 発表日 | 2026-06-18 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年06月18日
米国商務省産業安全保障局(BIS)は6月17日、ドイツの自動車部品・電動工具メーカーのボッシュが米国の輸出管理規則(EAR)に違反し、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)に事前許可なしでセンサーなどを輸出していたと発表した。ボッシュに対する罰金は、3,600万ドル超となる。
BISの発表によると、ボッシュは2020年9月~2024年9月にかけて、ドイツなどで生産したマイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム(MEMS)センサー製品(注1)などを、BISから事前の輸出許可を取得せずに、ファーウェイとその関連会社に約7,237万ドルで輸出した。米国外で生産された製品を輸出する場合でも、特定の米国製技術・ソフトウエアを用いていれば、外国直接製品ルール(FDPR)の下、BISによる事前の輸出許可が必要となる(注2)。BISは特に、ファーウェイに対するFDPRを2020年5月以降、強化していた(2020年8月18日記事参照)。BISによれば、ボッシュの輸出管理コンプライアンスは確立されていたが、ファーウェイに対するFDPRの拡大に関する十分な専門知識やリソースが欠けていた。
なお、ファーウェイは2019年から、エンティティー・リスト(EL)にも掲載されている(2019年8月20日記事参照)。ELは、米国の国家安全保障または外交政策上の利益に反する行為に携わっている、またはその恐れがあると米国政府が判断した企業や個人を掲載したリストで、これらの事業体に対しEAR対象品目を輸出などする場合には、BISの輸出許可が必要となる。
ボッシュは、今回の違反に対し、3,618万4,680ドルの罰金を支払うことで合意した。ただし、司法省との合意に基づき、違反の対象となる輸出によって得た利益を返還することで、360万1,029ドルの支払いは猶予される。なお同社は、今回の違反に関する自主的な自己開示(VSD)を行うとともに、BISによる調査に協力した。
BISで輸出管理の執行を担当するデビッド・ピーターズ次官補は、今回の発表で、「ボッシュは、BISがEARの適用を受ける企業に対して繰り返し求めてきた『一層の警戒』を行っていれば、これらの違反を回避できる機会が何度かあった。本日の措置は、コンプライアンスの徹底を促す警告となるべきであり、またVSDのメリットを示す好例となる」と述べた。BISは輸出管理違反を自己申告するVSDを奨励している(2024年9月13日記事参照)。
(注1)MEMSセンサーは、スマートフォン、ウエアラブル機器、自動車など、幅広い民生用途に利用される。
(注2)FDPRは一種の域外適用に位置付けられている。
(赤平大寿)
(米国、ドイツ、中国)
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米商務省、ドイツのボッシュに輸出管理違反で罰金、中国ファーウェイに事前許可なしで輸出
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/65cccd41e2176878.html
時系列
- 2020-05 BISがファーウェイに対する外国直接製品ルール(FDPR)を強化
- 2019-08-20 ファーウェイがエンティティー・リスト(EL)に掲載(2019年から)
- 2020-09 ボッシュによる輸出期間の開始(2020年9月~2024年9月)
- 2024-09 ボッシュによる輸出期間の終了(2020年9月~2024年9月)
- 2026-06-17 米国商務省産業安全保障局(BIS)がボッシュの輸出管理規則違反と罰金を発表
主な数値
| 罰金総額 | 36,184,680ドル |
|---|---|
| 支払猶予額 | 3,601,029ドル |
| 無許可輸出の総額 | 72,370,000ドル |
| 無許可輸出の期間 | 2020年9月~2024年9月期間 |
この事例から確認すべきポイント
本事例は、米国外で生産された製品であっても米国製技術・ソフトウェアを用いる場合に適用される外国直接製品ルール(FDPR)や、エンティティー・リスト(EL)規制の厳格さを改めて示すものである。コンプライアンス体制が確立されていた企業であっても、特定の規制対象企業に対する専門知識やリソースの不足により違反リスクが生じる点に注意が必要である。一方で、自主的な自己開示(VSD)や調査への協力がペルティエ軽減の好例となった点も実務上重要な示唆である。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-06-18
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