スイス中銀、政策金利を4会合連続で0%に据え置き、スイス・フラン高抑制の介入姿勢維持
この発表の要点
- スイス中央銀行は政策金利を0%に据え置き、2025年6月以降4会合連続の据え置きとなった。
- エネルギー価格上昇によりインフレ率は上昇しているが、SNBは中期的なインフレ圧力は変わらず、物価安定のため監視・調整の意向を示している。
- スイス・フラン高抑制のため、必要に応じて市場介入する姿勢を維持する方針を表明した。
企業・自治体への影響
スイスと取引のある企業や、スイス・フラン建ての資産・負債を持つ企業は、為替レートの変動リスクとSNBの介入姿勢に注意が必要です。スイス経済の動向は、輸出入を行う製造業やサービス業の事業計画に影響を与える可能性があります。
対応すべきこと
- スイス中央銀行の今後の金融政策発表や経済指標を継続的に確認する。
- スイス・フランの為替レート動向を注視し、自社の事業への影響を評価する。
- 為替変動リスクに対するヘッジ戦略の必要性を検討し、関連部門(経理、財務、国際事業部など)と情報共有を行う。
対象部門: 経営者 経理 広報
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | スイス中央銀行(SNB) |
|---|---|
| 業界 | 金融 |
| 発表日 | 2026-06-22 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年06月22日
スイス中央銀行(SNB)は6月18日、政策金利を0%に据え置くと発表した。2025年6月の会合で政策金利を0%に引き下げて以降、4会合連続で政策金利を据え置いた(2025年6月20日記事および2025年9月26日記事、2025年12月15日記事、2026年3月25日記事参照)。9年ぶりに利下げした2024年3月の会合以降、6会合連続で利下げを進め、2025年6月の会合で政策金利が0%に達した後、据え置かれたままとなっている。
ここ数カ月のエネルギー価格の上昇により、消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)が上昇しているが、中期的なインフレ圧力は、直近の金融政策評価と比べてほぼ変わっていない。SNBは状況を引き続き監視し、必要に応じて金融政策を調整して物価の安定を確保していく意向を示している。
インフレ率は2026年2月の0.1%から5月には0.6%に上昇したが、この上昇の主な要因は石油製品の価格上昇であり、その他の財やサービスは、インフレ率の上昇にほとんど寄与していないとしている。SNBの条件付きインフレ予測によると、今後数四半期でインフレ率はわずかに上昇を続け、その後、2027年前半にやや低下する見込みで、これはエネルギー価格上昇の影響が時間とともに弱まる可能性が高いためだと分析している。エネルギー価格は、中東情勢のさらなる状況変化に大きく左右されるとしている。具体的には、2026年の平均インフレ率は0.6%、2027年は0.6%、2028年は0.7%と予測している。
スイスの経済活動については、中東情勢を踏まえても強靱(きょうじん)であることが証明されているとしている。第1四半期のGDP成長率は堅調だった(2026年6月4日記事参照)。経済成長は製造業に支えられ、サービス業や建設業も貢献したとしている。今後数四半期では、世界経済のより緩やかな成長がスイスの成長を抑制する可能性が高く、SNBの金融政策が下支えとなることを強調している。2026年通年のGDP成長率は約1%を見込み、2027年は約1.5%と予測している。中期的には、世界経済の期待される改善が成長の原動力になると分析している。
スイスの経済見通しに対する主なリスクは、世界経済の動向で、特に中東情勢が再び悪化し、世界の経済活動をより強く抑制する可能性があるとしている。また、他国との金利差が広がる中、スイス・フランはやや下落しているが、上昇圧力(スイス・フラン高)が再び高まる可能性もあり、必要に応じて、介入する姿勢を示しているほか、米国の貿易政策が依然として不確実性の源になっていると指摘している。
(田中晋)
(スイス)
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スイス中銀、政策金利を4会合連続で0%に据え置き、スイス・フラン高抑制の介入姿勢維持
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/1265b410996ad6a8.html
時系列
- 2024-03 9年ぶりに政策金利を利下げ
- 2025-06 政策金利を0%に引き下げ
- 2026-02 消費者物価指数(CPI)上昇率が0.1%
- 2026-05 消費者物価指数(CPI)上昇率が0.6%に上昇
- 2026-06-18 政策金利を0%に据え置くと発表(4会合連続)
主な数値
| 政策金利 | 0% |
|---|---|
| 政策金利据え置き回数 | 4会合連続 |
| 2026年平均インフレ率予測 | 0.6% |
| 2027年平均インフレ率予測 | 0.6% |
| 2028年平均インフレ率予測 | 0.7% |
| 2026年通年GDP成長率予測 | 約1% |
| 2027年通年GDP成長率予測 | 約1.5% |
この事例から確認すべきポイント
スイス中央銀行(SNB)が政策金利を0%に据え置いたことは、現在の金融政策スタンスを維持する強い意思を示しています。エネルギー価格上昇によるインフレ率の上昇が見られるものの、SNBはこれを一時的なものと捉え、中期的な物価安定への自信を表明しています。また、スイス・フラン高抑制のための介入姿勢を維持することは、輸出志向の強いスイス経済を下支えする意図があると考えられます。企業は、SNBの金融政策が為替レートに与える影響を注視し、特にスイス・フラン建ての取引や資産を持つ企業は、為替変動リスクへの対応を検討する必要があります。世界経済の動向、特に中東情勢や米国の貿易政策がスイス経済の見通しに影響を与える可能性があり、これらの外部要因の変化にも注意を払うことが重要です。SNBの予測するインフレ率やGDP成長率は、スイス市場における事業戦略を策定する上で重要な指標となります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-06-22
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