経済・産業トレンド 規則改定

香港証券取引所、競争力強化に向け、上場規則を改定

香港聯合交易所は、香港の上場制度競争力強化に向けた協議結果を公表し、新たな上場規則が発効しました。加重議決権株式(WVR)方式での上場要件やセカンダリー上場の財務基準が緩和され、より幅広い優良企業が香港市場に上場しやすくなることが期待されます。本件は意見募集を経ており、今後も上場制度の見直しが継続される予定です。

最終確認日: 2026-08-07

この発表の要点

企業・自治体への影響

金融業界、特に証券会社や投資銀行、および香港市場への上場を検討している企業に直接的な影響があります。上場要件の緩和により、より多くの企業が香港市場での資金調達を選択肢に入れる可能性があり、関連する法務・財務部門は新規則への理解が求められます。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 法務 経理 広報

対応期限:施行日まで

基本データ

企業・団体 香港証券取引所(HKEX)
業界 金融・保険
発表日 2026-08-06
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年08月06日

香港証券取引所(HKEX)の完全子会社である香港聯合交易所は7月24日、香港の上場制度の競争力強化に向けた提案に関する協議結果を公表した。香港聯合交易所は、同提案について3月13日から5月8日にかけて意見募集(パブリックコメント)を実施し、73件の意見を受理し、提案は強い支持を得たとした。

協議結果を踏まえて同提案を一部修正・明確化した新たな上場規則は、本公表と同時に発効した。主な内容は次のとおり。

〇加重議決権株式(WVR:Weighted voting rights、注)方式で上場を目指す場合、旧要件では(ア)時価総額400億香港ドル(約8,000億円、1香港ドル=約20円)以上、または、(イ)時価総額100億香港ドル以上かつ直近の監査済み事業年度の売上高が10億香港ドル以上とされていた。新要件では、(ア)時価総額200億香港ドル以上、または(イ)時価総額60億香港ドル以上、かつ直近の事業年度の売上高が6億香港ドル以上に引き下げられた。

〇上場時のWVRの保有比率について、旧要件では原則10%以上とされていた。新要件でも、これを原則としながらも上場時におけるWVRの価値が40億香港ドル以上となる場合に限り、同保有比率を5%以上とすることを認めた。

〇WVR株式の議決権倍率の上限について、旧要件では10倍までだった。新要件でも、これを原則としながらも、上場時の時価総額が400億香港ドル以上の場合、同倍率の上限を20倍までとすることを認めた。

〇香港域外で上場する企業によるセカンダリー上場について、WVR方式を採用する上場の場合、旧要件では、適格取引所における規則順守実績が2年間あり、かつWVRを伴うプライマリー上場と同一の財務上の適格性基準を満たすことを求めていた。新要件では、財務上の適格性基準を、WVRによるプライマリー上場に適用される新要件の基準と同水準に引き下げるとした。また、WVR方式を採用しない上場の場合、旧要件では、(ア)適格取引所または承認証券取引所において、規則を順守した上場実績が5年間ある場合は時価総額30億香港ドル以上、(イ)適格取引所において、規則を順守した上場実績が2年間ある場合は時価総額100億香港ドル以上とされていた。新要件では、(イ)の基準における時価総額100億香港ドルの基準を、60億香港ドルに引き下げた。

HKEXの上場部門責任者である伍潔鏇(キャサリン・ン)氏は、今回の改革について「健全なコーポレートガバナンスと投資家保護を維持しつつ、資本市場への参入手段を拡大することでより幅広い優良企業が香港に上場できるようになり、投資家にとっての機会を充実させ、香港のグローバルな上場拠点としての地位をさらに高めていくことにつながる」とした。

なお、香港証券取引所は上場制度の見直しを継続し、さらなる改革の可能性がある分野について、今後、第2段階の意見募集文書を公表予定としている。

(注)1株当たりの議決権について、普通株式よりも多くの議決権が与えられた株式のこと。

(越川剛)

(香港、中国)

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出典: www.jetro.go.jp
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時系列

主な数値

意見募集で受理された意見数 73件
WVR上場要件(旧)時価総額(高) 400億香港ドル
WVR上場要件(旧)時価総額(低) 100億香港ドル
WVR上場要件(旧)売上高 10億香港ドル
WVR上場要件(新)時価総額(高) 200億香港ドル
WVR上場要件(新)時価総額(低) 60億香港ドル
WVR上場要件(新)売上高 6億香港ドル
WVR保有比率(旧) 10%
WVR保有比率(新) 5%
WVR保有比率(新)WVR価値 40億香港ドル
WVR議決権倍率上限(旧) 10倍
WVR議決権倍率上限(新) 20倍
WVR議決権倍率上限(新)時価総額 400億香港ドル
セカンダリー上場(WVR不採用、旧)時価総額(5年実績) 30億香港ドル
セカンダリー上場(WVR不採用、旧)時価総額(2年実績) 100億香港ドル
セカンダリー上場(WVR不採用、新)時価総額(2年実績) 60億香港ドル

この事例から確認すべきポイント

香港証券取引所が上場規則を改定し、特に加重議決権株式(WVR)方式やセカンダリー上場の要件を緩和したことは、グローバルな資金調達市場における競争力強化を目指す明確な意思表示です。意見募集で73件の意見が寄せられ、提案が強い支持を得たという事実は、市場関係者からの期待の高さを示唆しています。要件緩和により、特に新興企業や成長企業が香港市場での上場を選択しやすくなる可能性があり、これは香港市場の活性化に寄与すると考えられます。一方で、WVRの保有比率や議決権倍率の上限緩和は、コーポレートガバナンスや投資家保護の観点から慎重な運用が求められます。HKEXは「健全なコーポレートガバナンスと投資家保護を維持しつつ」とコメントしていますが、その実効性が注目されます。今後予定されている第2段階の意見募集は、さらなる改革の可能性を示しており、香港市場の動向を継続的に注視する必要があるでしょう。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-08-06 / 最終確認: 2026-08-07

執筆・確認主体

この記事は、上記の公式出典を一次情報として PRaze編集部(株式会社スキルマーク)が構造化・要約したものです。 要約と分類の生成にはAIを使用しています。

数値・日付・組織名・金額は公式発表の原文から転記しており、 原文に記載のない事項を補って書くことはしていません。 内容の正確性は公式出典をご確認ください。

編集・公開: PRaze編集部(株式会社スキルマーク) / 出典確認日: 2026-08-07

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