経済・産業トレンド

ウクライナ中銀、政策金利を15.5%に引き上げ、インフレ加速を抑制

ウクライナ国立銀行(NBU)は7月30日、政策金利を15.0%から15.5%に引き上げ、31日から適用しました。これは半年ぶりの金利変更で、通貨フリブニャ建て貯蓄商品の需要支援、外国為替市場の安定確保、インフレ加速抑制(目標5%)を目的としています。2026年6月のインフレ率は7.2%ですが、NBUは後半に10%まで加速すると予測。国際パートナーからの予算支援総額約540億ドルを見込み、経済成長率も2026年通年で1.8%と予測しています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

ウクライナと取引のある企業や、ウクライナ市場への進出を検討している企業は、政策金利の引き上げによる資金調達コストの変動、インフレ動向、および為替レートの安定性について注視する必要があります。特に、輸出入企業はフリブニャの安定化策が事業に与える影響を評価し、リスク管理部門や経理部門は為替変動リスクへの対応を検討すべきです。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 広報 経理

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 ウクライナ国立銀行(NBU)
業界 金融
発表日 2026-08-03
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年08月03日

ウクライナ国立銀行(NBU、中央銀行)は7月30日、政策金利を15.0%から15.5%に引き上げることを決定し(7月30日付プレスリリース)、31日から適用した。1月30日に15.0%に引き下げて以降半年ぶりの金利変更となった(2026年2月3日記事参照)。通貨フリブニャ建て貯蓄商品の需要を支え、外国為替市場の安定を確保し、インフレの加速を抑制して目標の5%まで引き下げることを目的としている。

インフレ率(前年同月比)は2026年6月に7.2%を記録。2025年11月以降1桁台で減速方向に推移した。一方で、インフレは2026年後半に10%まで加速するとNBUは予測する。財政刺激策の拡大や労働コストの上昇、以前からの燃料価格の高騰やフリブニャの下落などを理由に挙げる。

NBUは2026年の経済成長率について、第2四半期は前年同期比0.8%、通年では1.8%と予測する。ロシアによる物流やエネルギーインフラなどへの攻撃激化を抑制要因とする一方、国際パートナーからの支援見通しの改善、財政政策の緩和、武器国産化に向けた外部からの資金流入、農産物の収穫増加などを押し上げ要因として挙げた。2027~2028年は約3%台で推移すると予測している。

2026年に国際パートナーからウクライナが受領する予算支援の総額は約540億ドルに上り、財政赤字の補填(ほてん)に十分な額とNBUは想定する。6月には、EUによる総額900億ユーロの融資(ウクライナ・サポート・ローン、USL)が段階的に始まり(2026年7月6日記事参照)、年内には最大450億ユーロが拠出される見込みだ。USLの一部は武器の国産化に向けた投資に投入されることで、さらなる経済成長や外国為替市場の安定に貢献することが期待されている。

7月には、2月に承認された4年間で81億ドル規模のIMFの拡大信用供与措置(EFF)の第1回レビュー(7月20日)の結果として、約6億9,000万ドルの拠出が決定された。7月1日時点の外貨準備高は51億2,733万ドル(前月初比12.1%増)で、将来の輸入の5.2カ月分を賄う。

(柴田紗英)

(ウクライナ)

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ウクライナ中銀、政策金利を15.5%に引き上げ、インフレ加速を抑制

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/91e57b7d4cfac9e8.html

時系列

主な数値

政策金利 15.5%
旧政策金利 15.0%
インフレ率(2026年6月) 7.2%
NBU予測インフレ率(2026年後半) 10%
NBU目標インフレ率 5%
経済成長率予測(2026年第2四半期) 0.8%
経済成長率予測(2026年通年) 1.8%
経済成長率予測(2027~2028年) 3%台
国際パートナーからの予算支援総額(2026年) 540億ドル
EU融資総額(USL) 900億ユーロ
USL年内拠出見込み 450億ユーロ
IMF拡大信用供与措置(EFF)規模 81億ドル
IMF EFF第1回レビュー拠出額 6.9億ドル
外貨準備高(2026年7月1日時点) 51.2733億ドル
外貨準備高(前月初比増) 12.1%
外貨準備高(輸入賄える期間) 5.2カ月分

この事例から確認すべきポイント

ウクライナ国立銀行による政策金利引き上げは、高進するインフレへの対応と通貨フリブニャの安定化を目的とした金融政策の引き締めを示唆しています。特に、2026年後半にインフレが加速するとの予測は、経済の不確実性が依然として高いことを浮き彫りにします。一方で、国際パートナーからの大規模な予算支援やIMFからの資金拠出、EU融資の開始は、ウクライナ経済の安定化と復興に向けた重要な支えとなっています。これらの外部支援は、財政赤字の補填だけでなく、武器の国産化投資を通じた経済成長への貢献も期待されており、今後の経済動向を注視する必要があります。企業は、為替レートの変動やインフレ圧力の継続、そして国際支援の動向が事業環境に与える影響を継続的に評価し、リスク管理と事業戦略に反映させることが求められます。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-08-03

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