経済・産業トレンド 法案閣議決定

フランス、男女間の賃金格差の是正に向けた賃金透明化に係るEU指令の国内法化法案を閣議決定

フランス政府は2026年9月10日、男女間の同一価値労働に対する同一賃金を担保するためのEU指令を国内法化する法律案を閣議決定した。50人以上の企業等に対し、報酬レンジの通知義務や男女間賃金格差の申告義務などを課すもので、2028年から2030年にかけて順次実施される予定である。

最終確認日: 2026-09-16

この発表の要点

企業・自治体への影響

フランス国内で事業を展開する企業に対し、従業員50人以上を対象とした賃金指標の申告や報酬レンジの通知、立証責任の転換への対応が求められる。現地法人の人事・労務部門および法務部門において、賃金体系の透明化と格差データの算出・管理体制の構築が必要となる。

対応すべきこと

対象部門: 総務 法務 人事

対応期限:施行日まで

基本データ

企業・団体 フランス政府
発表日 2026-09-15
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年09月15日

フランス政府は9月10日、男女間の賃金格差の是正に向けた賃金透明化に係るEU指令(2022年12月22日記事参照)を国内法化する法律案を閣議決定した。同EU指令は、男女間の同一価値労働に対する同一賃金を、求職者への情報開示、被雇用者の情報請求、雇用者による報告・情報開示などによって担保しようとするもので、2023年5月10日に欧州議会およびEU理事会によって採択された。同指令は同年6月6日に発効しており、加盟国は3年以内(2026年6月7日まで)に国内法化を完了する義務を負っていたが、フランスでは国内法整備が未了の状態だ。

今回閣議決定されたフランス国内法案は、「賃金の透明性を通じた男女間の同一賃金に関する2023年5月10日付EU指令2023/970を国内法化する法律案」として、労働・連帯相と公共活動・公会計相によって共同提出された。労働・連帯省が発表したプレス向け資料(フランス語)によれば、同法案は22の条文からなり、特に50人以上の従業員を雇用する雇用者に対して、男女間の賃金格差に関する7つの指標を申告する義務を課す。前述の条件に該当する民間事業者については、このうち6つの指標は既存の賃金・社会保険などの申告データ(DSNデータ)によって自動計算される。しかし、同一価値労働に従事する労働者のカテゴリー別に男女間に存在し得る報酬格差を示す第7指標については、新たに算出し報告する必要がある。同指標に一定閾値(しきいち)以上の格差がみられた場合の是正義務も規定される。民間部門、公務部門それぞれに経過措置が設けられ、2028年から2030年にかけて順次実施される予定だ。加えて、求職者に報酬レンジなどを通知する雇用者の義務、同一カテゴリーに属する従業員の平均報酬水準に関する情報を被雇用者が得る権利、報酬に関する情報を従業員が共有することを妨げる契約条項を雇用者が設けることの禁止、報酬に係る差別に関する訴訟における立証責任を被雇用者側から雇用者側に転換することも定める。

大統領府が公表した閣議記録によれば、フランス国立統計経済研究所(INSEE)のデータによると、フランスでは、職位および労働時間が同等である場合でも、民間部門におけるフルタイム換算の男女間賃金格差は依然として3.6%、国家公務員でも2.9%となっている。今回の法案は職業上の男女間の平等を促進し、男女間の正当化されない賃金格差を縮小することを目的とする。今後の国会提出や審議スケジュールは、現段階では明らかになっていない。

(加藤直子)

(フランス、EU)

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フランス、男女間の賃金格差の是正に向けた賃金透明化に係るEU指令の国内法化法案を閣議決定

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/09/1a55f151001ff304.html

時系列

主な数値

指令採択日 2023-05-10日
指令発効日 2023-06-06日
国内法化期限 2026-06-07日まで
対象従業員数閾値 50人以上
申告指標数 7つ
DSNデータで自動計算される指標数 6つ
民間部門における男女間賃金格差(フルタイム換算) 3.6%
国家公務員における男女間賃金格差 2.9%

この事例から確認すべきポイント

フランス政府による本法案の閣議決定は、EUの賃金透明化指令に基づく国内法整備の一環であり、欧州全体で進む男女間賃金格差の是正圧力の強まりを示している。50人以上の企業に対し、詳細な賃金指標の申告義務や報酬レンジの通知義務、立証責任の転換などを課す内容は、現地に進出する日系企業にとっても人事・労務管理体制の大きな見直しを迫るものである。現時点で取得できた本文からは、今後の国会審議の具体的なスケジュールや詳細な罰則規定を確認することはできないが、欧州で事業を展開する企業は、賃金データの透明性確保や格差是正に向けた事前の体制整備について動向を注視する必要がある。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-09-15 / 最終確認: 2026-09-16

執筆・確認主体

この記事は、上記の公式出典を一次情報として PRaze編集部(株式会社スキルマーク)が構造化・要約したものです。 要約と分類の生成にはAIを使用しています。

数値・日付・組織名・金額は公式発表の原文から転記しており、 原文に記載のない事項を補って書くことはしていません。 内容の正確性は公式出典をご確認ください。

編集・公開: PRaze編集部(株式会社スキルマーク) / 出典確認日: 2026-09-16

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